ハイスクールD×D×V   作:夜叉音 鳳来

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プロローグ
第1話


【ルーマニア某所】

深い霧が覆う森

そこに置かれた小さなテーブルを挟み2人の男性が座っている。

1人は左目が無く代わりに魔術文字が浮かぶ水晶らしき物を嵌め込んでいる老人。

もう1人は漆黒の貴族服に身を包み、髪は白髪もとい金を薄くした色の髪を無造作に伸ばし毛先が青くなっている独特な髪の色をした男・・・というよりかは青年と言った方が良いだろう。歳も10代半ば位だろうか。だがその佇まいは10代のそれでは無くいくつのも戦場を超えてきたかの様な強者のそれであった

 

 

 

「成程・・・良いだろう。その頼み聞き入れた・・・」

 

「ふむ、意外だったな。言ってはなんじゃがお前さんにメリットはほぼ無い様なもんじゃよ?それでも良いのか?」

 

「確かにこの話を受けても余にはなんの得にもならないだろう。

国も違う、宗教も違う、思想も違う、別に守る必要のある領民達の家族な訳でもない。

だが、例え何も理由が無くとも力無き者を護るべきは力を持ちし王だ。力を持つ貴族が何もしないなら串刺しにするだけだ。無能な蝙蝠が王を名乗るなら蹴落とすだけだ。化け物(ドラキュラ)などと呼ばれようとも私は国民を護る為ならばいくらでも血を啜る卑しい吸血鬼(バケモノ)へとなろう。

それが王というものだ。その覚悟を持たぬ蝙蝠に王を名乗る資格は無い」

 

「ククク・・・中々に狂っとるのお前さん。王とはいえ、他人の為にそこまでの自己犠牲の精神は狂気としか言えんぞ?」

 

「ふふ、知識の為に左目を捨てた者の言う言葉では無いな」

 

「それもそうじゃ」

 

ハハハと笑い合いながらテーブルに置かれた紅茶飲む2人

そして、段々と霧が晴れていきそこに現れたのは森では無く辺り一面の串刺しにされた蝙蝠の様な羽を持つもの、漆黒の羽を持つ者、純白の羽を持つ者様々な者が串刺しとなっていた

 

「にしても相変わらず容赦無いのぉ~」

 

「何を言うか知識を追い求めた神よ。

この者達が足を踏み入れた地を何処だとおもっている

────此処(ここ)

────其処(そこ)

────其処(そこ)

────彼処(あそこ)

(すべ)て────

(すべ)て────

()べて────

────()領土(りょうど)であるぞ。

そこに足を踏み入れタダで済ます訳あるまい」

 

「我が領土って・・・お前さんの領土だった時代はもう500年近く前の話じゃろう

なあ、ヴラド三世よ」

 

ヴラド三世

ルーマニア最大の英雄

トルコ兵からは畏怖を籠めて串刺し公(カズィクル・ベイ)と呼ばれた彼は世界ではもう一つの異名の方が遥かに有名だろう小さき竜公(ドラキュラ)

・・・またはドラキュラ伯爵である

戦術とはえい敵の遺体を串刺しに掲げる血なまぐさい彼の所業は様々な伝説を呼び後世の作家達の恰好の着想(モチーフ)となった

だが、彼はとうの昔に処刑されており今彼の遺体は修道院に置かれている筈である

 

「では、そろそろ私は失礼する。【彼】には簡単に伝えておいてくれればいい」

そう言うや否や串刺しにしてた槍が消え、死体が、勢い良く地面に叩きつけられる

 

「ん・・・ああ、オーディンさん話は終わりましたか?」

 

「うむ。お主には来年から日本のとある高校に入学して貰う。良いかの?」

 

「別に構いませんよ?」

「どうせ領主様が決めたんでしょ?なら自分に拒否権はありませんよ」

「それに日本には一時期居ましたから割と楽しみです」

 

「全く難儀じゃな

末裔であり、魂を共存させてる者は」

 

 

 

 

 

 

【2年後駒王学園】

 

 

「「待てぇぇぇぇぇ!!変態トリオォォォォ!!」」

 

叫びながらとある3人を追いかけてるのは色々なスポーツウェアを着けている女子の集団

 

そして、追いかけられている3人は

 

「なんであそこで物音立てちまうんだよイッセー!」

 

「しょうがねえだろ!誰があんな所にブーブークッション置かれているって予想出来る!?」

 

「とりあえず口を動かさないで逃げる事に専念しろぉぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・またやってるのかあの三馬鹿は・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「走れ走れ走れぇぇぇぇ!!」

 

「後もう少しで逃げ切れるぞぉぉぉ!!」

 

「待て、あいつがいる!」

 

 

そこにいたのは薄い金色をした髪を無造作に伸ばした生徒だった

 

 

「あいつはルーマニアから来た頭脳明晰、運動神経抜群、性格はちょい悪だが偶に優しさを見せるからそのギャップでコロッと堕とされる木場と並ぶ駒王の二大イケメン!」

 

「通称駒王の吸血鬼!」

 

「ヴラド・デイウォーカー・霧仁!」

 

「モテない奴等の敵だ!やっちまえ!!」

 

「「オオっ!」」

 

 

「はぁ・・・説明あんがとさん・・・んで、神妙にお縄につけ」

そう言うと彼は先頭を走ってた兵藤一誠の頭を踏み

「俺を踏み台にしたぁ!?」

次に走ってた眼鏡にすかさず目潰し

「目がぁ、目がぁ〜〜あ゛あ゛あ゛ぁ゛~~~!」

そして、更に最後を走ってた坊主に回し蹴りを決めた

「タコス!!」

 

 

「さて、最後にお前だな兵藤」

 

「ヒッ!!」

 

「まあ俺も鬼じゃない。一つチャンスをやろう」

 

「ほ、本当か!?」

 

「ああ本当だ。

俺がどちらで殴るか当ててみろ」

 

「え・・・ひ、一思いに右?」

 

「NO!NO!NO!!」

 

「ひ、左?」

 

「NO!NO!NO!!」

 

「も、もしかしてオラオラですかぁぁぁ!?」

 

「NO!!NO!!NO!!」

 

そして、彼は回し蹴りを彼に叩きこんだ

 

 

この物語はそんな彼等のハートフル学園コメディーである!

 

嘘である!!

 

 




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