Mokepon ~DarkSide Story of Pokemon~   作:Mitchell

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ストリートバトルで経験値を上げついでにフキヤマ攻略に向かうシャトシ。

とりあえず聞いた話の大企業を偵察しに行こうか


#47 虚構の中で化かし合う狐と狸

セクチキシティから東に進んでストリートファイトし

 

そこからは北上していくのだが

 

 

着いたのはチクバシティ

 

懐かしいなぁー、あの時シルゲ溺死すればよかったのにね☆

 

 

ここの北側にゲートがあって

 

ここからフキヤマに行けると地図にはあったからここに来た

 

確かこの辺りにフキヤマへ抜けるゲートがあったような…

 

 

…ああ、これか。

 

ゲートを通り、フキヤマに入る

 

 

うわすっげー大都市!!!!

 

 

…って言いたかったけど全然そんなことなかったんだよね

 

いや都会なんだけど、何なんだろうな、このえも言われぬ違和感…

 

 

虚構、虚無、なんと表現していいのかわからんが

 

実体があるようでない、生きているようで死んでいる感じだ

 

 

確かにそこら辺の建物は綺麗だし、道も綺麗

 

サービスも行き届いている感じがする

 

mokeponセンターのジョーイも洗練されてはいる

 

 

だがどの場所にも命の躍動感みたいなのが感じられない

 

まるで人のいるゴーストタウンって感じだ

 

道行く人も焦点のあっていない死んだ目で一定の速度で歩いていく感じがね

 

 

そして、おそらくとしか言えないが、諸悪の根源は例の大企業だろうな

 

ストリートの奴らの情報を聞く限り、真っ当な会社とは思えん

 

 

早速探して侵入してみよう

 

…とは言っても、1Fはオープンスペースだから今回は偵察だけどな!

 

 

…なんだこれ、馬鹿でけぇ…

 

バサラタウンには絶対ないくらいのデカさ、そして豪華さ…

 

 

今まで見た建物の中で一番でかいなこれ

 

…少し恐ろしいが、とりあえず中に入ってみよう

 

 

その中には高級高貴な空間が広がっていた

 

壁や床は大理石、中にはコーヒーショップもあって

 

俺みたいなガキの来るような場所じゃないことは明らかだった

 

 

でもそんな場違いの俺なんかに目もくれない

 

もうゾンビにしか見えない大人たちがそこにはうじゃうじゃいた

 

 

1Fの喫茶店で行われているビジネス活動をとってみても

 

保険の商談、ノマドの兄ちゃん、MLMのABC/AC

 

誰もが仕事をしているが、誰もが生き生きとしていない

 

 

魂の入っていない器のような人間が人間同士で話してる

 

互いに空っぽなのに、ちゃんと生きてるフリして話をしてる

 

まるで狐と狸の化かし合いだ

 

 

俺たちの人生だってそういう所はあるのかもしれんけどね

 

所詮は本音と建前を使い分けて接し合う希薄な存在だ

 

 

でもここの空間はそんな生易しいものじゃない

 

それくらいここの空間は異様だ

 

これはこの街独特の光景なのか、それとも…

 

 

「おい、T地点の市場はどうなってる?」

 

「例の一件があってから急速にパイを減らしました」

 

「そうか…そうだろうな、あんな事件が起こっては仕方ない。次の市場はどこだ」

 

「またあのようなショックが起こったときを考えると新規開拓は…」

 

「そうだろうな…既存市場を維持するしかないな、俺たちにできるのは」

 

「今は敵の襲来に備えて戦力を…」

 

 

(俺の方を見る)

 

 

「あ…ですから競合他社にパイを奪われぬようにしませんと…」

 

「う、うむ…そういうことだな」

 

 

なんだなんだ?

 

俺の方を見て急に慌てたような気がしたが…

 

 

しかし、今の会話何もおかしくなかったのに

 

あえて言い方を変えたところを見ると、ここに現状を紐解くヒントが隠されていそうだな

 

 

もしあいつらがこの会社の社員だとしたら…

 

もしかしたら想像以上にやばいことになっているかもしれんな…


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