運命の人~結ばれるの?この恋~   作:氷野心雫

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 最終話です。あっという間でしたが、なんとか形に出来ました。

 では、続きをどうぞ


最終話 ~新たな未来、繋がる命~

 侑と堕天使の言葉が重なる。互いの思いは、たった一つ。絵里を愛し、守り抜く事。その思いが二つの意思を一つへと結び付ける。そして、それは姿すらも変化させていた。真っ赤な瞳と金色の瞳は、混ざり合い、絵里のカラーである水色へと変化し。漆黒の翼は、真っ白な雲の様に純白へ。

侑・堕天使「エリには、指一本フレサセナイ。」

 翼をはためかせ、跳躍する侑。空気を切る音が部屋に響いた。昂の目に、侑の姿が映らない。残像だけの侑が、組織の幹部達の首を切り裂く。

昂「侑、そんな事しては駄目だ!絵里さんとの約束を忘れたのか!」

 昂の声は侑の耳に届いていた。絵里との約束それは。

 

 

 

 

 ヤキモチをやいたあの日の事だ。絵里は、二つの約束を侑と堕天使にさせていた。一つは『私だけを見て』と言ったあの約束。もう一つは『その手を誰かの血で染めないで』。侑と堕天使は、その約束に『分かった』と、頷いた。昂も、その約束の事を知っている。だが、絵里の約束は守れない。

侑・堕天使「ワカッテイル。でも、ダメなんだ。昂、分かるダロ?オレタチニとって、絵里はなくてはならないソンザイなんだ。だから」

 次々に組織の人間を殺し、部屋中に幾つもの死体が転がる。

侑・堕天使「キレイ事では、大切なヒトハ守れないんだ。絵里、ごめん。」

 侑と堕天使は、墓場まで持っていくと決めた。昂も侑達の覚悟を感じ取る。自らも力を使い、侑の援護をしていく。組織の長が悲鳴を上げ、逃げ惑う。その逃げ道を、昂は塞ぎ、侑は背後に立つ。

組織の長「お前達、分かっているのか。私を殺せば、お前達の身体は元には戻せないぞ!それでも良いのか?」

昂「……本当は戻せないだろ?」

侑・堕天使「例え、戻る事がデキタとしても、オレタチハお前ヲコロス。」

 侑が飛び上がり、組織の長の肩に飛び乗ると、そのまま首をへし折った。長の身体がビクビクと痙攣を起こす。眼球もグルリと左右違う動きをして、絶命した。

昂「侑、本当にこれで良かったのか?」

侑・堕天使「アア、これでヨカッタんだ」

 二人は幾つもの死体を見渡し、その場を後にした。

 

 

 

 

 五年後

 

 

 

 

 緑が生い茂る草原を、金色の髪に、金色の瞳の男の子が走り回っている。男の子と同じ金色の髪の女性が、ベビーカーを押しながら、男の子を見守っていた。

???「真、あまり遠くに行くなよ!」

 金色の髪の女性の横に、左右の瞳の違う男性が、男の子に声を掛けた。

???「……あ、今。お腹が動いたわ」

 金色の髪の女性が、そう言ってお腹を触る。そのお腹は、ふっくらとしていた。

???「絵里、本当か?」

絵里「ええ、ほら。侑触って」

 そう言って、侑の手を自分のお腹に当てた。トントンと叩いているような感覚が手に伝わる。

侑「本当だ。元気そうだな」

絵里「そうね。……ねぇ、侑」

侑「ん?どうした?」

絵里「……次は男の子と女の子、どちらだと思う?」

 そう言って微笑む絵里。侑は考える仕草をして。

侑「ん~、そうだな……。元気な子なら、どっちでも良いな」

絵里「貴方はどっちが良いの?」

堕天使「オレモ、ススムトオナジダナ」

 絵里の質問に、真っ赤な瞳の彼もそう言う。

絵里「……なんだか、面白くないわね。」

 絵里は不貞腐れながら、ベビーカーの子を抱き上げた。まだ、髪が生え揃っていない髪は金色の赤ん坊。目蓋を少し開ける。真っ赤な瞳が、絵里を見つめ、笑った。絵里と侑、そしてもう一人の彼は微笑み合う。穏やかな日差しの中、三人は幸せな時間を過ごした。

 

          ~終わり~




 さて、本編は一先ず終わりました。どうでしたか?自分的には、もう少し、考えたかったのですが……。表現力が乏しい。まだまだですね。とりあえず、次回はアンハッピーの方を書きます。

 お気に入り登録して下さった方々の名前を書きそびれてしまいました。次回の方に上げさせて頂きます。ご了承下さい。

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