では、続きをどうぞ
とある田舎の山奥
侑と昂は、組織の幹部達を含め、同僚のメンバーに囲まれていた。二人の周囲は、ネズミ一匹すら逃げられない。
幹部B「わざわざ、殺される為に帰ってきて、お前達には呆れる」
侑「あんた達に話はない。聞きたくもない。」
昂「組織の長に話がある。そこを退けよ」
幹部C「そんな事を聞かされて、『はい、どうぞ。』と、簡単に通すと思うか?」
そう言って、指を鳴らす幹部。すると、侑と昂の様に、組織の人間達がみな、変幻していく。あるものは、頭が蛇の様な姿。あるものは、鮫の様な身体を。また中には、侑と同じ様に、翼をはためかせ、空に浮く者。
侑と昂も変幻し、臨戦態勢をとる。
幹部A「今なら、まだ許してやるぞ。ただし、二度と陽の目は見れないがな!」
侑「……冗談、誰が許しを乞うか!昂、行くぞ!」
昂「ああ!侑、背中は任せたぞ!」
そして、二人の真実を知る為の戦いが始まる。
三時間後
二人の身体はボロボロだった。全身はいくつもの傷があり、流血も所々ある。満身創痍でも二人は立ち続けた。
幹部A「そろそろ諦めろ。我々の元に戻れば、命の保証はしてやる」
幹部達が含みをもたせ言う。侑は苛立った。
侑「……長に会わせろ!」
昂「俺達は、長に話があるんだ!」
組織に捕らえられる二人。すると、部屋の奥から歩く足音がこちらへ向かってくる。それは、組織の長だった。
幹部B「長、ようやく二人を確保出来ました」
組織の長「うむ、ご苦労」
侑はもがき、拘束を解こうとするが、身体ごと押さえ付けられ動けない。昂も同様だった。
侑「あんた達の本当の目的は何だ!」
組織の長「お前達を殺人兵器にし、この国を我々の手に」
昂「本当に、それが目的か?本当は、別の狙いがあるんじゃないのか!」
二人の剣幕に、長は無言。
侑「俺達を生体実験して、この国を自分達の手にするのが、本当の目的とは、俺は思えない。本当の目的は何だ!答えろ!」
組織の長「……なら、堕天使よ。お前は分かるか?私の目的が」
長の目が侑を見据えた。侑は無言で睨む。
組織の長「この国は、いや。この世界は、最早長続きはしない。互いに殺し合い、世界を壊し、行き着く先は、自らの破滅のみ。そんな世界に私はうんざりしているのだ。」
長は、二人の拘束を解くよう指示を出す。拘束を解かれ、侑と昂はゆっくりと身体を起こし、ふらつきながらも立ち上がる。
組織の長「堕天使、サンダーよ。新たな世界を我々と共に築く意志はあるか?」
侑「どういう意味だ」
その質問に、長は薄ら笑いを浮かべ、言葉を続ける。
組織の長「全ての人間を殺し、新たな世界を創る。我々の新たな世界を。その為に、お前達を造ったのだ」
侑の目の前が暗くなる。昂も、同じ様に意識が落ちそうになっていた。
侑「全ての人間を殺す?絵里も、絵里も消すと言うのか?」
組織の長「堕天使よ。お前は、毒されてしまったのだ。その女を探して、殺せ」
長は、幹部達に命を下す。幹部達が一斉に動いた。侑の横を数人の組織の人間が通り過ぎる。無言で立ち尽くす侑。
堕天使・侑「絵里はコロサセはしない!オレガ、俺達が!絶対ニマモル」
その言葉と同時に、侑の姿に新たな変化が起きた。
さて、侑と堕天使の様子に変化が起きたようです。この後、どうなるのかは、次回をお楽しみに!
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