運命の人~結ばれるの?この恋~   作:氷野心雫

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 前々から告知していました番外編です。今回は、作者が日頃話している方言で、絵里さんに話してもろらうっという、自己満足のお話です。作者の感化されやすい性格上、他県の方言も含まれますので、ご了承下さい。

 日頃、自分のお話を読んで下さっている皆さまには、不快な気持ちにしてしまうかも知れませんが、どうぞお付き合い下さい。

 また、設定としましては、絵里と侑はごく普通の高校生。補足として、絵里以外は、標準語。希は除く。

 では、番外編どうぞ


番外編 絢瀬絵里に地元の方言で喋ってもらいたい

 街角から離れた裏路地に、学ランの高校生達が、一人の少年を囲んで、殴っている。殴られている少年は、学ランの高校生達とは違う他校の生徒。

高校生1「何だ?その目は!早く金よこせよ!」

高校生2「これ以上殴られたくないだろ?」

 ゲラゲラ笑い、殴る手を止めない。

???「ちょっと、あんた達。何しよるん!」

 彼らの背後で女性の声。学ランの高校生達は後ろを振り返った。そこには、金髪の髪の女子生徒が立っている。

???「侑もやられっぱなしで、少しは、やり返しよ!」

 侑と呼ばれた男子高校生は、ちょっと涙目。

侑「でもさ、俺は暴力苦手なの知ってるだろ?絵里」

 絵里と呼ばれた女子生徒は、腕組みし、溜め息を付いた。

絵里「そんなんやけん、やられるんよ。男やろ?がんばりよ」

 絵里にそう言われた侑は、仕方なく、学ランの高校生達を殴り倒す。

侑「先に手を出したのは、君達だから。一応、正当防衛でお願いします。」

 何故か丁寧にお辞儀をして、侑は絵里に側に駆け寄った。

侑「それじゃ、行こうか。」

絵里「うん」

 手を繋ぎ、二人はその場を去った。

 

 

 

 

 絵里の住むマンション

 

 

 

 

 キッチンで絵里が紅茶を淹れる。侑は、亜里沙とトランプゲームをしていた。二人の前にティーカップを置いていく。

侑「絵里もトランプする?」

絵里「う~ん、まだ片付けが終わってないけん、遠慮しちょく」

亜里沙「お姉ちゃん、たまには私がするよ。」

 亜里沙の言葉に、考える絵里。

絵里「じゃ、お願いね」

 絵里言われた亜里沙は、満面な笑顔でキッチンに向かった。侑と絵里は、大富豪を始めた。しばらくして……

 

侑「また、絵里に負けた……」

絵里「もうやめよう。侑、負けてばっかりやと、面白くないやろ?」

侑「そんな事ない。絵里とする事は何でも楽しいよ」

絵里「本当?」

侑「ああ、本当だ」

 絵里は侑にぴったりと寄り添い、頬に口付けをした。侑は、絵里の頬に優しく触れると、今度は唇に口付けをする。それを、キッチンで見ていた亜里沙。頬を染めて、静かにその場を離れたが、二人はその事に全く気付かず、二人の世界に浸ったのだった。

 

 

 

 

 数日後

 

 

 

 

希「絵里ち、毎日侑君とラブラブやて?亜里沙ちゃんに聞いたで」

絵里「秘密にしちょって、って言ったんに、亜里沙のお喋り」

 赤面した顔を両手で隠す絵里。希はそんな絵里を指先でつつく。

絵里「もう、希。そんな事せんで!」

希「ええやん!」

 しばらく希に弄られた絵里。メンバーも、二人のやり取りを笑って見ていた。急に絵里の携帯が鳴る。どうやら、メールだったようだ。メールの内容を確認する絵里。笑顔だった表情が、怒っていた。

絵里「ええ、なして?約束が違うやん!」

希「どしたん?」

 絵里の言葉に、希は絵里の携帯を覗き込む。そこには、メールの内容が。侑からだった。

 

侑『ごめん、今日一緒に帰れないから、先に帰って』

 

 希は絵里の顔を確認する。涙目の絵里。希は黙って、絵里の背中を撫でた。

 帰り道、侑からまたメールが来る。絵里はメールを見た。そこには。

 

侑『神田明神に来て』

 

 その一行のみ。絵里は足早に神田明神へ向かった。息を切らし、階段を駆け上がる絵里。登りきると、侑がこちらを向いて立っている。乱れた呼吸を整え、絵里は侑の方へ歩を進めた。

絵里「侑、どしたん?急に呼び出して。何かあったん?」

侑「絵里、話がある」

 神妙な面持ちの侑。絵里は固唾を飲んだ。

 

絵里(……もしかして、別れ話?)

 

 侑が絵里に近付く。絵里は、緊張した。

侑「絵里」

絵里「別れたいとか言わんよな?嘘っち言ってよ。」

侑「??絵里、いきなり何の話か、分からないけど」

絵里「ええ!別れ話じゃない?だって、侑が難しい顔しちょるから、てっきり」

侑「違うよ。いつも絵里の事しか考えられないのに、別れるなんてあり得ないだろ!」

 真っ赤な顔で侑は言う。絵里は安堵した。すると、侑は手に持っていた小包を差し出す。

絵里「何これ?」

侑「ペアリング、開けてみて」

 侑に言われ、箱を開ける。中には、同じデザインのシルバーリング。内側には、ハートマークに絵里のEと侑のSが彫られていた。

侑「絵里、これからも一緒にいて下さい」

絵里「はい」

 夕陽で赤く染まる神田明神に、二人の影が一つに重なる。

 

 

 

 

 次の日

 

 

 

 

侑「絵里は、俺のどこか好き?」

 唐突に質問してくる侑。絵里は頬を染めて。

絵里「そんなん、聞かんで。」

侑「いや、気になる。教えて」

絵里「……本当は喧嘩強いのに、優しいとことか、時折男になるところ」

侑「ふぅ~ん」

絵里「侑の事、全部好きやけん、もう、いいやろ?これ以上聞かんで。恥ずかしいけん」

侑「もっと、聞きたい」

絵里「もう言わんけん!絶対、言わんけんな!」

 二人のやり取りは続く。




 今回は、ただひたすら、暴走する絵里、先走る絵里等作者の見てみたかった絵里を書いてみました。本当は、もう少しイチャイチャさせたかったのですが、なかなか、方言での表現が難しい。次回は本編に戻ります。

 活動報告にも上げましたが、最終話をアンケートで募集しています。ハッピーエンドorアンハッピーです。皆さまのご意見をお待ちしております。

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