頭痛と微熱ですが、張り切って書きます!
では、続きをどうぞ
侑と離れてから2ヶ月
絵里は忙しい毎日を送っていた。ラブライブでの優勝、卒業式。そして、海外でのライブ。慌ただしい日常の中、侑の事を思い出す。これから先の生活や、何をしたいのか。様々な事に、絵里は悩んでいた。
希「最近、夜出歩くのはやめた方がええよ」
昨日の希の言葉を思い出す。絵里は、侑と離れてから、夜の散歩を日課にしていた。そうすれば、侑と逢えるかも知れないっという思いだったから。
絵里「どうして?」
希「なんや、物騒らしいで。夜、出歩く人が襲われて、ケガしたらしいわ」
そんな内容だった。絵里は一瞬思い悩むも、やはり日課をやめる事は出来ずにいた。
男A「女一人で、夜出歩くのは危ないよ」
背後から、男達が声を掛けてくる。いつもの絵里なら、走って逃げるか、携帯電話で助けを呼ぶか。何かしらの行動をしていたが、一瞬。
絵里(侑が助けに来てくれるかも。)
そんな甘い考えが頭を過る。考えている間に、絵里の回りを男達は取り囲んでいた。すでに退路は塞がれ、いつかの絶体絶命のピンチ。
???「モクヒョウヲカクニン」
聞き慣れた声が絵里の耳に入る。絵里は声の方を見た。そこにいたのは、漆黒の翼をはためかせ、真っ赤な目をした侑だった。
絵里「…………侑な……の?」
絵里は近付く事を躊躇った。禍々しい程の殺意を絵里に向ける侑。絵里は本能的に一歩下がった。その度に、ゆっくりと近付く侑。
堕天使「アヤセエリ、マッサツスル」
そう放たれた言葉。絵里はガクガクと身体を震わせ、下がって行く。
男B「何だ?てめぇ」
男達が、絵里と侑の間に割って入った。
男C「俺らの邪魔すんなよ!」
口々に言い、殴り掛かる男達。しかし、男の一人から、骨が折れる音が静かな夜の道に響いた。その音は、別の男からも聞こえ、男達は道端に転がった。
堕天使「ジャマスルナ」
冷たく、冷酷な視線。その目が絵里を捉える。
絵里「……侑……」
涙を流す絵里を見ても、侑の動きは止まらない。そして、絵里の首を掴んだら、ギリギリと締まる首。
絵里「……すぅ……ぅ」
絵里は抵抗しなかった。ただ、真っ直ぐ侑を見つめ、涙を流す。
急に、首を締めていた侑の手が離れる。誰かが、絵里と侑の間に入り、侑を殴っていたからだ。
絵里「……げほっ」
サンダー「絵里さん、今のうちに離れて!」
サンダーが言う。絵里はサンダーを見た。白金色の髪に雷がバチバチ鳴って、手は獣の様に毛が生え、爪も鋭い。そう、サンダーも変幻していた。
サンダー「早く、俺が押さえている間に!」
言われて、絵里は下がった。それを確認し。サンダーは間合いを取る。
堕天使「サンダー、ソシキヲウラギルノカ」
サンダー「裏切る?違うだろ!お前こそ、絵里さんへの気持ちはどうした!」
堕天使「アヤセエリハ、マッサツタイショウ」
奥歯を噛み締めるサンダー。
サンダー「お前!愛する人を忘れるのか!」
堕天使「アイスルヒト?アヤセエリガ?チガウ、アヤセエリハ、テキダ」
それを聞いて、サンダーは苦笑した。
堕天使「ナニガオカシイ」
サンダー「侑、お前にも見えているだろ?」
堕天使「オレハ……、ダテンシダ。ススムデハナイ。」
サンダー「自分の本当の名前すら忘れたのか」
サンダーは変幻を解く。
堕天使「……?」
サンダー「なぁ、侑。俺達は、普通の人間とは違う。だから、見えるだろ?絵里さんのお腹に新たな命が」
絵里には、二人の会話は聞こえない。
サンダー「まだ、小さい命だ。絵里さんもまだ気付いていないよ」
サンダーは絵里を見た後、再び侑を見る。
サンダー「お前と絵里さんの」
動きが止まる堕天使。絵里をじっと見つめ、その命に気付いた。一瞬、堕天使の目が変化する。赤から金色に。それには、サンダーも絵里も気付いた。
サンダー「侑、俺もお前と同じ様に、人として生きる事に決めたんだ。佐東昂として」
堕天使が苦しみ出す。
堕天使「ガアァァァ!」
侑「……昂!…今のうちに………」
侑の声。見れば、侑の目の色が左右違う。左は真っ赤な色のまま、右だけが、金色に変化していた。
昂「侑か?」
侑「ああ、俺だ!早く俺を打て!俺がコイツを押さえている間に!」
侑の言葉に、昂は最大限の雷を撃ち込んだ。
さて、今回で20話になりました!次回は、番外編を御送りします!お楽しみに~!
皆さまの叱咤激励を宜しくお願いします。