運命の人~結ばれるの?この恋~   作:氷野心雫

13 / 32
 今日は、続けての投稿になります。自分が続きが気になって仕方ないからですが…。

 今回は…。とりあえず、続きをどうぞ


募る思い

 音ノ木坂学院~屋上~

 

 

 

 

絵里「花陽、テンポ遅れているわ!凛は、飛ばし過ぎ、真姫、もう少し笑顔で……」

 練習を終え、ヘトヘトに座り込むメンバー。

にこ「ちょっと絵里!練習がハード過ぎよ!」

凛「そうだにゃー!」

花陽「……はぁはぁ…。もう無理です~」

絵里「……そう?このくらい普通よ」

 みんなの抗議に、絵里は汗を拭いながら言う。ここ数日、何かに取り憑かれたかの様に、練習に打ち込む絵里。メンバーは、心配していた。練習終了後、絵里が帰ってからメンバーは部室に集まる。

海未「ここ数日の絵里の様子は、とても良くありませんね。」

真姫「そうね。例の彼と何かあったのかも知れないわね」

穂乃果「希ちゃん、知ってる?」

希「ごめんな~。うちにも分からんのよ。」

凛「凛、今の絵里ちゃん。嫌だにゃ~。」

花陽「凛ちゃん、そんな事言わないの。きっと、絵里ちゃんに何か事情があるんだよ」

ことり「希ちゃん、タロットで占ってみたら?」

希「よっしゃ!うちに任せとき~。」

 いつから持っていたのか、手にはタロットが。素早いカード捌きで、占い始める希。そして、何枚かのカード捲り、希の表情が強張った。

にこ「結果、出たの?」

 にこの質問に、神妙な面持ちで頷く希。

希「最悪な結果が出た…。」

 言って、1枚のカードをメンバーに見せる。

希以外「これは?」

希「……別れのカードや…。」

 その言葉で、部室内はしんと静まり返った。

 

 

 

 

 絵里の住むマンションにて

 

 

 

 

亜里沙「お姉ちゃん、最近帰りが早いね。」

 キッチンで料理を作っている絵里に、妹の亜里沙が声を掛ける。絵里はただ小さく微笑むだけ。その夜、亜里沙は、仲の良い雪穂に話す。

雪穂『そう言えば、うちのお姉ちゃんも、その話してた。』

亜里沙「穂乃果さんは、何か知ってるの?」

雪穂『多分、知ってると思う。』

亜里沙「本当?明日、会って話せるかな?」

雪穂『お姉ちゃんに伝えとくよ。』

亜里沙「ありがとう、雪穂」

 そう言って、電話を切った。

 

 

 

 

 次の日…。

 

 

 

 

亜里沙「穂乃果さん、μ,sの皆さん」

 学校の帰り、ファーストフード店で穂乃果と亜里沙達は待ち合わせをした。みな、それぞれの注文を済ませ、席に座る。

亜里沙「最近のお姉ちゃん、元気がないの。亜里沙、あんなに元気がないの初めてで。皆さんは、何かご存知ですか?」

穂乃果「……知ってるって言うか~」

海未「そうですね。どう言えば宜しいでしょうか」

ことり「はっきりした事じゃないから」

花陽「……うぅう…。」

凛「凛には、良く分からないにぁ…」

にこ「………」

真姫「もう、ちょっと。誰か、言いなさいよ。」

希「…………亜里沙ちゃん」

 いつになく、希が真剣な表情で亜里沙を見つめた。

亜里沙「はい、何でしょう」

 亜里沙も姿勢を正す。

希「正直、本人の口から聞いたわけやないから、こんな事、言うべきやないのは、うち達も分かってはいるや。」

 一つ深呼吸し、希は話した。

希「絵里ちな、気になってる人がおったんや。それで、恐らく、その人にフラレてる」

 亜里沙の顔が驚きに変わる。あまりの話の内容に、理解出来ないのだろうと、その場にいたみんなが思った。

亜里沙「分かりました。今からその人に会いに行ってきます!」

 そう言って、いきなり席を立つ亜里沙。急な出来事に、みんなワンテンポ遅れ、店の外に飛び出した亜里沙を追う。

穂乃果「……待って、亜里沙ちゃん。会いに行くって」

 亜里沙の腕を掴み、穂乃果は言う。亜里沙は真っ直ぐ前を見つめ。

亜里沙「その人に会って、お姉ちゃんの素敵なところを話すんです!」

 興奮気味に言う亜里沙。

真姫「どこに行くって言うの?場所、知らないでしょ?」

亜里沙「知りません。でも、会える気がするんです。」

 揺るぎない亜里沙の目。そこに、男性が横切った。

凛「あ!彼にゃ!」

 凛が、その男性に指を指す。侑だった。指を指された侑は、いきなりの事に驚きの表情。その場を急ぎ離れようとしたが、にこと希、海未、ことりに阻止される。

侑「あんた達は」

 観念した侑が言う。亜里沙は、侑の前に立った。

亜里沙「私のお姉ちゃんは、美人で頭も良くて、優しくて。歌もダンスも上手で。お料理だって、美味しいだよ」

 言葉を返す隙間も無く喋る亜里沙。その目には涙が滲み、荒く肩で息をしていた。

侑「……そうか、お前。絵里の妹か」

 侑の問いに、頷く亜里沙。

侑「似てるな、絵里に」

 侑はそんな亜里沙を見て、頷く。

侑「確かに、お前のお姉ちゃんは、俺に勿体ない位、素敵だよ…………」

 天を仰ぎながら、侑は目を閉じる。目蓋の裏には、絵里のいろんな表情が浮かぶ。怒っている顔。泣いている顔。そして、優しく微笑む絵里。

侑「……絵里に、逢いたい」

 侑の口から、思いが溢れた。




 くぅ~。亜里沙、なんて良い子だ!こんな妹欲しい!何でも許せるよ!っと言うことで、今回は、妹様中心の話でした。

 非公開ではありますが、お気に入り登録して下さいました方、ありがとうございます。

皆さまの叱咤激励を宜しくお願いします。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。