今回は…。とりあえず、続きをどうぞ
音ノ木坂学院~屋上~
絵里「花陽、テンポ遅れているわ!凛は、飛ばし過ぎ、真姫、もう少し笑顔で……」
練習を終え、ヘトヘトに座り込むメンバー。
にこ「ちょっと絵里!練習がハード過ぎよ!」
凛「そうだにゃー!」
花陽「……はぁはぁ…。もう無理です~」
絵里「……そう?このくらい普通よ」
みんなの抗議に、絵里は汗を拭いながら言う。ここ数日、何かに取り憑かれたかの様に、練習に打ち込む絵里。メンバーは、心配していた。練習終了後、絵里が帰ってからメンバーは部室に集まる。
海未「ここ数日の絵里の様子は、とても良くありませんね。」
真姫「そうね。例の彼と何かあったのかも知れないわね」
穂乃果「希ちゃん、知ってる?」
希「ごめんな~。うちにも分からんのよ。」
凛「凛、今の絵里ちゃん。嫌だにゃ~。」
花陽「凛ちゃん、そんな事言わないの。きっと、絵里ちゃんに何か事情があるんだよ」
ことり「希ちゃん、タロットで占ってみたら?」
希「よっしゃ!うちに任せとき~。」
いつから持っていたのか、手にはタロットが。素早いカード捌きで、占い始める希。そして、何枚かのカード捲り、希の表情が強張った。
にこ「結果、出たの?」
にこの質問に、神妙な面持ちで頷く希。
希「最悪な結果が出た…。」
言って、1枚のカードをメンバーに見せる。
希以外「これは?」
希「……別れのカードや…。」
その言葉で、部室内はしんと静まり返った。
絵里の住むマンションにて
亜里沙「お姉ちゃん、最近帰りが早いね。」
キッチンで料理を作っている絵里に、妹の亜里沙が声を掛ける。絵里はただ小さく微笑むだけ。その夜、亜里沙は、仲の良い雪穂に話す。
雪穂『そう言えば、うちのお姉ちゃんも、その話してた。』
亜里沙「穂乃果さんは、何か知ってるの?」
雪穂『多分、知ってると思う。』
亜里沙「本当?明日、会って話せるかな?」
雪穂『お姉ちゃんに伝えとくよ。』
亜里沙「ありがとう、雪穂」
そう言って、電話を切った。
次の日…。
亜里沙「穂乃果さん、μ,sの皆さん」
学校の帰り、ファーストフード店で穂乃果と亜里沙達は待ち合わせをした。みな、それぞれの注文を済ませ、席に座る。
亜里沙「最近のお姉ちゃん、元気がないの。亜里沙、あんなに元気がないの初めてで。皆さんは、何かご存知ですか?」
穂乃果「……知ってるって言うか~」
海未「そうですね。どう言えば宜しいでしょうか」
ことり「はっきりした事じゃないから」
花陽「……うぅう…。」
凛「凛には、良く分からないにぁ…」
にこ「………」
真姫「もう、ちょっと。誰か、言いなさいよ。」
希「…………亜里沙ちゃん」
いつになく、希が真剣な表情で亜里沙を見つめた。
亜里沙「はい、何でしょう」
亜里沙も姿勢を正す。
希「正直、本人の口から聞いたわけやないから、こんな事、言うべきやないのは、うち達も分かってはいるや。」
一つ深呼吸し、希は話した。
希「絵里ちな、気になってる人がおったんや。それで、恐らく、その人にフラレてる」
亜里沙の顔が驚きに変わる。あまりの話の内容に、理解出来ないのだろうと、その場にいたみんなが思った。
亜里沙「分かりました。今からその人に会いに行ってきます!」
そう言って、いきなり席を立つ亜里沙。急な出来事に、みんなワンテンポ遅れ、店の外に飛び出した亜里沙を追う。
穂乃果「……待って、亜里沙ちゃん。会いに行くって」
亜里沙の腕を掴み、穂乃果は言う。亜里沙は真っ直ぐ前を見つめ。
亜里沙「その人に会って、お姉ちゃんの素敵なところを話すんです!」
興奮気味に言う亜里沙。
真姫「どこに行くって言うの?場所、知らないでしょ?」
亜里沙「知りません。でも、会える気がするんです。」
揺るぎない亜里沙の目。そこに、男性が横切った。
凛「あ!彼にゃ!」
凛が、その男性に指を指す。侑だった。指を指された侑は、いきなりの事に驚きの表情。その場を急ぎ離れようとしたが、にこと希、海未、ことりに阻止される。
侑「あんた達は」
観念した侑が言う。亜里沙は、侑の前に立った。
亜里沙「私のお姉ちゃんは、美人で頭も良くて、優しくて。歌もダンスも上手で。お料理だって、美味しいだよ」
言葉を返す隙間も無く喋る亜里沙。その目には涙が滲み、荒く肩で息をしていた。
侑「……そうか、お前。絵里の妹か」
侑の問いに、頷く亜里沙。
侑「似てるな、絵里に」
侑はそんな亜里沙を見て、頷く。
侑「確かに、お前のお姉ちゃんは、俺に勿体ない位、素敵だよ…………」
天を仰ぎながら、侑は目を閉じる。目蓋の裏には、絵里のいろんな表情が浮かぶ。怒っている顔。泣いている顔。そして、優しく微笑む絵里。
侑「……絵里に、逢いたい」
侑の口から、思いが溢れた。
くぅ~。亜里沙、なんて良い子だ!こんな妹欲しい!何でも許せるよ!っと言うことで、今回は、妹様中心の話でした。
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