はぁい皆。私様だ。
いやー、時が過ぎるのは早いね、あっという間に小学校にあがっちゃったよ。え、あの後の事を説明しろって?あー、はいはい、分かりましたよ……
あの後マジで混乱した私は鏡をベッドに投げつけ、情けないながらも部屋の隅で震えたよね。部屋にあった携帯で『絶対に登ってはいけない山』って震える指で検索かけたら『エボット山』がヒットしやがったしね!!
まぁとにかく、此処が『Undertale』の世界だって分かった事より、『私がCharaちゃんの代わりになっちゃったのか?それじゃあCharaちゃんは何処へ?私はモンスター殺しをしなきゃいけないの?』って凄く怖くてさ。もしかしてCharaちゃんの命を奪っちゃったのかって考えただけで怖くて怖くて………
で、そんな感じで震えてたら女の人が入ってきて、「どうしたの!?」って話しかけて抱きしめてくれた。この女の人が母さん。で、その時に『Chara』じゃなくて『リリー』って呼ばれたから、あ、私はCharaちゃんじゃないんだなぁって凄く安心して泣いちゃってさぁ……まぁ悪い夢見ちゃってっつってなんとか誤魔化して、父さん(まさかの日本人だった)とご対面して、その後は、母さんと公園行ったりとか、まぁ子供らしく過ごしてきたよ、うん。あと、この顔は母さん譲りで髪の色は父さん譲りだった。……これはあれかな、母さんがCharaちゃんの親族パターンかな?
あと気づいたことが一つ、なんか自動翻訳みたいのがトリップ(?)特典でついたのかわかんないんだけど文字とか全部日本語になってた。友達に「ちゃんと英語で書けてる?」って聞いてみた結果大丈夫と返ってきたから多分皆には英語に見えてる。
閑話休題。
今日、家族がもう一人増える予定です。
犬とか飼うんじゃなくて、マジな奴ね。だから明日は学校休むつもりで深夜まで起きてます。ぶっちゃけ今深夜テンション入って変な感じになってる。
父さんは寝てていいよって言ってたけど、さすがにこれは起きてなきゃいけない気がするからね。
それにしても家族が増えるのってこんなにドキドキするんだなー、前世では一人っ子だったからこういう感覚は新鮮でちょっとわくわくする。……母さんが無理してないか心配もしてるけど。父さんなんか俯いちゃってるしね。
手術室みたいなところの前で待ち続けて数時間後。もう日付は変わってるし、大丈夫かなと心配し始めたとき、ドアが開いて、先生と助産師さんが出て来た。
父さんに手を引かれて中に入ると、そこには疲れきった母さんと、助産師さんに抱えられた、小さな命。
助産師さんが父さんにその子を抱かせた。女の子らしい。
父さんは感極まったのか泣きはじめてしまって「産まれて来てくれてありがとう」と言っていた。
……私の時もこうだったんだよと母さんに耳打ちされて、ちょっとくすぐったい気持ちになった。
その次の瞬間を、私は一生忘れられない。
「この子名前、決めてあるんだ。……この子は、『
……え、まさかのフリスクの姉に転生したの、私。
一気に大混乱に陥った私の頭の中で、そんなことを呑気に考えてる自分を殴りたい。顔がCharaちゃん似な上にフリスクの姉とかこれ大丈夫なの?
もしかしたら名前が同じなだけで、あの子とは違う子なのかもしれない、だが、私の直感が『この子はフリスクだ』と理解してしまっている以上、確定とまではいかないが暫定でこの子はフリスクだ。
……彼女は、天使だ。ゲーム画面の向こうの憧れだった。聖人でもないのに、小さいながらに皆を救えてしまう凄い子なんだ。その子の姉に、私はなれるのか?
周りが盛り上がるなか、私だけ凄く混乱していて、上手く周りに合わせられたか分からなかった。
その後追い討ちをかけるかのように父さんが屈んで「リリーも、ほら、手を握ってあげて?」と言われたもんだから、私が彼女に触っていいのか凄く迷ったけど、結局は断りきれなくてそっと人差し指を差し出した。
きゅっ、と、小さいのに、確かな力で。
彼女は、私の人差し指を握って
確かに彼女は笑ったような気がした。
それが、確かに彼女がそこにいるという証明で。
紛れもなく生きているという奇跡で。
ふと、昔読んだ漫画のセリフを思い出してしまって。
確か、『兄や姉が先に産まれて来るのは、後に産まれて来る妹や弟を守るためだ』ってやつだったっけ。
確かにそうだと笑って、それを実行すると決めた。
それが、私が
※8/8加筆修正
台詞について
リリーちゃんが某漫画を読んだのは結構昔のため、台詞は少し改変してあります。
※5/20加筆修正