*たくさんの人が読んでいてくれることを知り、作者は決意で満たされた。
【Lily】
次は、あの針山の床のやつだったことを思い出す。
トリエルさんがさすがに危ないと思って連れてってくれるからフリスクは危なくないとは思うけど、私はやれって言われる可能性はあるし一応注意はせんとな。
確か道が針山が引っ込むところになっているんだっけ、とトリエルさんが話すのを聞き流しながら道を注視する。
「お姉ちゃん?何やってるの?」
「……いや、何でもないよ、いこうか。」
……後でやれって言われた時に覚えよう。フリスクに不審がられる。
覚えるのを中断してトリエルさんについていくと、急に何かが飛び出してきて、背景が白黒に切り替わった。
*
……あぁ、フロギー戦か。いきなり飛び出してきたからマジでビビった。
フリスクに殺すなよ、とまた言おうとしたところで、フリスクは『ACT』ボタンを押していた。……『Player』は殺しを選ばなかった。良かった。
*FROGGIT―ATK 4 DEF 5
*|Life is difficult for this enemy.《この敵にとって、人生とは難しいもののようだ。》
調べるを押したのか、そういうアナウンスが頭のなかで流れる。
んー、確かに人生は難しいものだよな。人によって価値観とかが全然違うし。まぁそういう意味じゃないかもしれないけどさ。
そういう風に考えていると、トリエルさんがフロギーに『仲裁』をして、フロギーはすごすごと退散していった。
……やっぱり威圧してるように見えるのは私だけなのだろうか。
*
*
戦闘終了アナウンスとともにまた色が戻ってくる。何事もなかったかのようにトリエルさんは歩きだし、少ししたら止まった。
あ、フリスクが針山の道見て真っ青になってる。
「これもパズルね、だけど……さあ、少しの間私の手を握っていてね。お姉さんはついてきてくれるかしら?」
「はい、分かりました。」
……良かった、言わないとは思ってたけどやれって言われなくて。フリスクもほっとしたように息を吐いた。
トリエルさんはフリスクと手を繋いで歩き、その後を私が追う、という構図になった。
まぁ、三人横並びできる大きさじゃなかったしね。仕方ない。
しばらく歩いて対岸につくと、トリエルさんはフリスクの手を放した。
「お姉さんはいいけれど、これは今のあなたには少し危険すぎるわ。」
せやな、と私は深く頷いた。もうすぐ成人する私はともかく、フリスクはさすがにまだ危ない。
少し心配しそうにしながらトリエルさんは進む。
……次はあの滅茶苦茶長い廊下だっけ、と思いながら、フリスクと一緒に私は奥へ進んだ。