ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか 作:もんもんぐたーど
ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているのだろうか27
「んん゛〜、流石に疲れたのです。」
無事1000万ヴァリスと次回の依頼時+
「おお。」
「
「いなづまちゃん、交渉も出来るんだ……。」
「はわぁ〜。」
小さく喜ぶお姉ちゃん、団長に褒められたかった故の絶望に苛まれるティオネさん、単純に感心といった感じのティオナさんに気の抜けたというか呆然としているというかといった様子のレフィーヤさん。このメンバーはどの瞬間を切り取っても面白い絵柄になりますね。お姉ちゃんかわいいですし。
「ティオネさん。」
「……なによ。」
別のとは言えお姉ちゃんにジト目で見られるのはムズムズしますね。お姉ちゃんかわいいと同時にくすぐったいくらいの罪悪感でなんかもう、すきなのです。
「交渉できたのはティオネさんのお陰なのです。私はほんの少しお手伝いしただけなのです。」
「それで。」
すこぶる機嫌が悪い。ここで押すか引くか。……押しちゃいましょう。ティオナさんのお姉ちゃんですし。
「ティオネさんが持ち帰った方が……。」
「いいわ。」
場を静けさが支配する。状況に乗れないものや何とかしようとするものもいる中、その中でアマゾネスの胸中に焔が灯っているのが見て取れた。
「今回は駄目だったけど次は自力で穫りに行くから。無理して同情してくれなくてもいいの。」
「あの、それじゃ、お願いなら聞いてくれますか?」
強い。きっとこの後も
「ん?」
「怒られちゃうので、代わりに手柄をもらってください><」
「……え、えええええ?!」
両目をぎゅっと閉じて1000万ヴァリスの袋をアマゾネスに押しつける少女と叫ぶアマゾネス。それぞれの姉妹等の介入が有るまで二人は滑稽な様子を曝す。
「ティオネ、うるさい。」
「ヴァ、ぐはぁ……。」
オーバーフローして叫ぶ姉に手刀を下し気絶させる妹。
「大丈夫?」
「はわわ……。」
後ろから抱きつかれ耳元で囁かれた甘美な声に腰を抜かした妹とそれを受け止める姉。
その間で手持ち無沙汰なのか混乱しているのかうろうろするエルフ
「とりあえずホームに戻ろう。」
「は、はい。」
ーーーー
ーゴブニュ・ファミリア
ゴブニュは工芸の三神のうちの一柱。三神の中でもっとも優れた技術を持ち魔法の鎚を三振りするだけで完璧な武器を作ったと言われていて、その武器は必殺必中とされる。また同三神の一柱であるディアンケヒトと協力したこともある。戦場の後方でも神速の武器修理で活躍しており、医療にも通じているとされ、食べ物に関して尽きることのない食材や不老不死になる食べ物などを与える存在としても知られており幅広い信仰を集めた。
そんなゴブニュが"趣味と実益を兼ねた"ファミリアを開いた結果がこのゴブニュ・ファミリアであり……
「ウルガ、溶けちゃった。」
「ノオオオオオオオーーー!!」
髭を蓄えいい年をしていたおじさん鍛冶があまりの事態に大声を上げて転げていたとしてもその事実は変わらない。
「整備か、見せてみろ。」
お姉ちゃんは愛剣をゴブニュにわたす。製作者であるゴブニュには分かるのだろう。この不壊属性の剣が
「変に刃が鈍ってるな。何を斬った。」
「溶解液が詰まったモンスターです。」
そう。今回の遠征では未知のモンスター ー溶解液が詰まっていて攻撃に使い、殺されると溶解液がばらまかれるらしいー が登場し分析力の高いフィンさんが不壊属性なしでも溶解液をやり過ごせるアイズから剣を借りたという事なので、実は本来アイズが使っているときよりも劣化はしていないはず。
「元の切れ味を出すには時間がかかりそうだ。代わりの剣を出そう。……遠慮はするな。下手な武器を持たせてもお前ならすぐに使い潰すだけだろう。」
裏から剣を漁り丁度良いものを見つけたゴブニュはアイズにそれを渡した。
「振ってみろ」
「はい」
容赦なくお姉ちゃんは剣を振る。この間実に100ms、投機的実行を疑う反応速度に私は投機的に後ろに跳びお姉ちゃんの剣を回避した。はぁ綺麗なのです。ぶれない重心とそれに支えられて繰り出される剣技の美しさは戦場の芸術なのです。
「今日は変に力んでないな。何があったかは知らんが、良い感じだ。」
お姉ちゃんも思うところがあったのか軽くうなずく。今朝はいい夢でも見たのでしょうかね。思ったよりも今回の遠征で得たものは大きかったということでしょうか。どうもステータスは伸び悩んでいるみたいなのですが……。
あとは、地上に出る前にミノタウロス追いかけたところでしょうか?あそこに