ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか 作:もんもんぐたーど
ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているのだろうか16
「ふぁぁ……。」
いつも通りの朝、ではなくみなさんが遠征に出かけた次の日の朝。
いつも私の起きる時間が早いこともあってファミリアがまだ寝静まっているような静けさがあるが、今日はそれにもまして静かなのです。当然同じ部屋のもう一つのベッドは誰も寝ていないかのように整えられ、いや実際に昨晩は寝ていなかったのです。……アイズお姉ちゃん、遠征のメンバーですからね。
顔を洗って朝のランニングから始まり鎮守府にいた頃の早朝トレーニングとほぼ同じ行程をこなす。本拠地内を中心に設定したランニングコースで受ける風はなかなか心地よい。それでも潮風に吹かれたしょっぱいあの空気感がまだ懐かしい。
いろいろなことを思いながら周りを見渡すと遠征に行っていない低レベルの冒険者たちが自主的に訓練している様子も見える。そもそも冒険者に向いていない様なひと、熟練度は高いが低レベルから抜け出せないと思われるひと、何か光るものを持っているひと。これだけ沢山の冒険者たちが居てもレベル2,3とランクアップできる冒険者は一握り……。
早朝トレーニングを終えて部屋に戻る。お姉ちゃんを起こさないと……。
「お姉ちゃ……、あっ。」
ここで起こすべき姉は遠征に行っていたことを思い出す。なんとなく掴もうとした手をすり抜けるような感覚に少しばかり寂しさがある。うぅ……。
朝ご飯を食べた後はダンジョンに向かう。
素材収集系クエストを取り20階層あたりに行く予定になっているのです。
やることは素材収集系クエストをとっておきつつ、
これはこのあたりの回復薬は自家製バケツ-またの名を密造高速修復材-の材料と似た組成なので、ここでも自家製バケツが作れるかもしれないと思ったのです。当然素材が必要なのですが、買うとなると中々値が張るのとバケツを作ろうとしていることがばれるかもしれないということで自分で収集しようという作戦なのです。
細かいことはアイズお姉ちゃんに聞いても分からなさそうだったので、合間を見て調べていましたがやはり実物がないと始まらないのでクエストで集めに行く材料を参考にしつつ収集しちゃいます。
そしてお姉ちゃんが居ない14日間がチャンスとばかりに私は素材集めに向かうことにしたのです。
ダンジョンで20階層以下に一人で潜るのは多分初めてなのです。
通ったことはあるので把握はしているが用心するに越したことはないのです。
想定外はいつでもどこでも存在するから想定外だってお母様、おか……も言ってましたし。ん……?一瞬思考が乱れたが大したことではないと思いなおす。
ダンジョンに潜るに当たっての準備として、艤装の
艦娘の艤装は船の器であり半身なので見た目から想像も付かない大容量。ドラム缶をつければ容量は数倍にも膨れ上がり友軍主力艦隊への補給を行っても余るほどには物資を積載できる。
「ふぅ……。」
その分出し入れがやや面倒になるが戦場では必要ないものや予備の備品も艤装に放り込んでおけるので薬品の調合に使う器具なんかもすぐに使えるものが一頻りそろっているのは幸いだったのです。
出かける前にロキさんに挨拶しないと……。残っている団員の中でレベル5以上は私だけなので何かあったときに何処に居るか分からないと困っちゃいますからね。
「行ってきますね!」
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いなづまとは何者か。
これは次の会合までに一通りの答えを用意しておかなあかん課題や。というのもどうせ会合のときに根掘り葉掘り聞かれるんはもう分かり切ってることやからな。神々は突然現れたレベル5に興味津々やろ。
実はいなづまのステータス表示を
……ここまでの内容だとどれくらいの
はわわ
今回は諸事情でやや短いです。