ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか   作:もんもんぐたーど

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《ここに百合の花を挿入》


第12話

ダンジョンに駆逐艦を求めるのは間違っているだろうか12

 

「今更なのですが、二つも武器をお願いして良かったのでしょうか?」

 

「多分大丈夫だとおもう。ロキはそういうの甘いから。」

 

武器の依頼を済ませゴブニュ・ファミリアをでた私たちは生活用品の購入のためにオラリオの街中を廻っていた。

 

「ふむふむ……。あ、あの建物は何なのです?」

 

ちょうどあの謎の像が見える位置にいたのでそれにいなづまが気づく。

 

「あれはガネーシャ・ファミリアの入り口になってる像。主神ガネーシャの像、だったと思う。」

 

謎の像、象のお面を着けた神ガネーシャの像はオラリオでもかなりの存在感がある。この自己主張の激しい『アイアム・ガネーシャ』を本拠地とするガネーシャ・ファミリアは団員数が最大級の上位ファミリアなので謎の像だけを見て侮ってはいけない。

 

「大きい像、象さんのお面……はわわ、はわわ?」

 

象と像で混乱状態になっているいなづまを見て昔を思い出す。私も初めて教えてもらったときは"像のお面の象のガネーシャが象の像であれれ?"とか言って混乱したんだっけ。

ちょうどいいのでいなづまの頭を撫でる。撫で心地、撫で易さ、反応。短時間で妹の良さにどっぷり浸かってしまった私にとってなくてはならないものになりつつあった。

 

「……ん。」

 

「それじゃ、いこっか。」

 

頭を撫でられておちついたと思われるいなづまを見て手を繋ぎなおす。頭から手が離れる瞬間の名残惜しそうな顔をしっかり見ておくことも忘れない。

 

「なのです!」

 

ここでもう一つ見逃してはいけない妹可愛いポイントがあるがおいておき、掴んだ手を引きつつ日用品を扱ういくつかの店を回っていく。

 

この街の商店は基本的にファミリアか個人経営で他の街とつながる商会みたいなものはなかった気がする。街の外との取引はギルドがまとめて取り次ぐ仕組みだったような……。

 

と思考がそれたけど、競合する店はそう多くないので私は大体何時も同じ店で同じものを買うことになる。要は何処へ行っても店員と顔見知りなので見慣れないいなづまに結構興味を示してくる。

 

"可愛いお嬢ちゃんだね。"とか"妹さん?"とかまあ予想できる範囲内ではあったけど、いなづまの恥ずかしがりながらも満更でもない感じがかわいいとか、いなづまが容姿だけでも褒められると私も気分が良いと言う発見をした。妹可愛い。私の妹がこんなに可愛いことがあろうか、いやある。……んんん?

 

「……いっぱい買い物しちゃったのです。」

 

ロキ・ファミリア本拠地 黄昏の館が見えてくるところでいなづまは、私といなづまで分けて持っている服などを含む生活用品とちょっとした整備道具を見てつぶやく。

 

「楽しかった?」

 

「はい、なのです。」

 

目と目が合う瞬間s、ってこれ男女の離別を唄っちゃうあれだし0秒から歌詞が始まって消える戦闘糧食肥えた正規空母知らない子ですね。うっ頭が……。

 

「それなら良かった。ロキもニコニコしてるいなづまのほうが好きだと思うし。」

 

「お姉ちゃんは、どうですか?」

 

あ、マズった。後が続かなかったせいでいなづまの視線が少し厳しくなる。

 

「勿論……この瞬間のいなづまもかわいいけど、笑顔のいなづまが一番大好きだよ。」

 

今日一日で同じ間違いを何度かしているが、対処法は一つしか知らない。

 

今は荷物を持っているので通行人を気にしながら腕でいなづまの小さな体を引き寄せる。その間に手をつなぎ替えて、いなづまと私は対面する。

 

多分身長差は30セルチほど。私が1メドル62セルチなのでいなづまはおおよそ1メドル30セルチほどになると思う。それでここまで近づくといなづまとの視線はほぼ鉛直。

強烈上目遣い待ったなし。

 

この上目遣いも良いけど、長いこと同じ姿勢だといなづまの首に悪影響なので腰を曲げていなづまの顔の高さまで降りる。

 

不満と物欲しさを湛えた目が少し開かれた口が私を待っているのが分かった。

 

そっと妹と唇を重ねる。その時間は決して長くなかったけどしっかりと。

 

妹の唇を感じた後、いなづまをぎゅっと抱き寄せる。いなづまは抱き心地が良い。不思議な感覚でもある。少女特有のはかなさや柔らかさと同時にどんなに強く抱いても壊れない丈夫さ、この拘束を今すぐにでも抜け出せる身のこなしが私を妹への抱きつきに強く駆り立てる。

 

ファミリア内の妹分的立場の後輩団員達には無い強さは一層私を妹好きの姉に変えていった。

 

ーーーー

 

アイズお姉ちゃんの許してキス(ラブコール)を受けてこの世界での姉妹愛の過激さ(例外の可能性あり)を感じている電なのです。

 

私はドキドキ、アイズお姉ちゃんは平常運転、ってなんかもう……どっちが許す側なのか分からないのです。

 

結果的に言えばお姉ちゃんどうなの?を一日に何回も使った私の負けとも言えるのですが、正直大満足電になってしまったので多分これで問題ないのです。

 

ふう、今日もなかなかの密度の一日でした。大体行きつけのお店とオラリオの街の行動圏を把握したので買い出しには一人で行くこともできるようになったのです。

 

そういえば、ここに来るときに気になっていた本拠地近くのお花屋さんの名前が分かったのも収穫なのです。『ディア・フローラ』、良い名前なのです。

 

もう今日は寝てしまいますけど、明日はきっと今日よりも良い日になるので期待して身体を休めることにするのです。お姉ちゃんって暖かいですよね……。ふぁぁ……お休みなさい。




この作品は一般的な趣向のみで構成された健全な作品です

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