東方魂探録   作:アイレス

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第97話

「どうやら、ロケットは完成したみたいだな、永琳」

 

「ええ、これから確認に行こうかと思うけれど・・・」

 

「ついていこう、というより私の能力で行く方が楽だな」

 

「お願いするわ」

 

「そだな、娘のためにも、頑張らせてもらうとしよう」

 

「そうね、鈴仙ついてきて」

 

「はい!」

 

「行くぞ」

 

影陽と永琳、鈴仙は影陽の能力で、紅魔館のロケットの元まで一気に移動した

 

「・・・すごい能力ですよね・・・ほんと・・・豊姫様にも匹敵しそう・・・」

 

「豊姫の能力は影陽の劣化縮小版みたいなものよ、こっちが本家と言いてもいいわ」

 

「そ・・・そうなんですか・・・」

 

「無駄話はそれくらいにして・・・・全くとんでもないもの作ったな」

 

そこには木製の三段ロケットが鎮座していた

 

中には、それなりの時間暮らせそうなモノが揃っていた

 

・・・はっきり言って自分の知っているロケットとは程遠い

 

鈴仙も呆れ、笑う

 

「・・・ほぼ完ぺきね・・・・これならたどり着けるでしょう」

 

永琳の言葉は衝撃的だったが、行けるのなら行けるで構わないが・・・

 

「住吉三神を推進力にね・・・こりゃ霊夢も行くんだな」

 

「そうでしょうね・・・予想の範囲内だけど」

 

永琳は、懐から一枚の布、月の羽衣の一部をロケットの先端に張り付けた

 

「あれで、月にまで導いてくれるでしょう」

 

「霊夢が行くのなら、魔理沙もだな、天空の女主人も行くんだこれは見ものだな」

 

「あ・・・」

 

「・・・魔理沙の事、忘れていたのか・・・?」

 

「・・・・心配になって来たわ・・・いろんな意味で」

 

「奇遇だな、私もだ」

 

永琳が魔理沙を計算に入れていなかったせいで不安になった二人だった

というよりも、魔理沙のことを考えたくなかっただけとも言えるかも?しれない

 

 

 

 

 

 

 

「私たちもパーティーに招待されるとは思わなかったわね・・・」

 

「いいんじゃないか?暗躍とはいえ、手伝ったようなものだ」

 

向こうからしたら、ただの自慢か

純粋にお祝いの席だからか

 

永琳と二人、一応パーティーということでそれなりの格好で来たが・・・

周りの大半がいつも通りで悪目立ちしていた

 

「いつもの格好でもよかったな」

 

軍服風の姿の影陽が中身の入ったワイングラスを軽く回しながら永琳に問う

 

「そうね、変に目立ってるわね」

 

薄い蒼のドレスという非常に珍しい装いの永琳が返す

 

輝夜と妹紅は、興味がないとついてこなかった

てゐと鈴仙は永遠亭で留守番だ

咲夜に頼んでワインと何か食べ物を用意してもらうか・・・

そう影陽が考える

 

 

ふと、目を動かすと、霊夢と幽々子が床に座っていた

まあ、なれない洋風なのだから仕方ないかも知れないが

カーペットの床に座り込むのはどうだろう?

 

 

 

「そこだけ、重力でも重くなったのかしら?」

 

永琳が話しかける

 

「あんたも来ていたのね、それにしても珍しい恰好してるわね」

 

「一応パーティーの正装よこれ」

 

「関係ないわ、そうそう、あんたの故郷に行くけど、お土産いるかしら?」

 

「別に何もいらないわ、それと私の故郷は地球よ、一応」

 

そんな話をしていてパーティーは進む

住吉三神の加護があるのに、愛称をつけると聞いて、永琳がぼろを出したり

その愛称は永琳が魔理沙に教えたものになったが(上段から、ミンタカ、アルニタク、アルニラム)

 

 

 

 

そして、数日後、ロケットは、レミリア、咲夜、霊夢、魔理沙、メイド妖精を乗せ、月を目指して飛び立った

 

 

 

 

「着くのはいつぐらいかな?」

 

ロケットを見上げながら影陽は傍らの永琳に尋ねる

 

「満月の夜よ」

 

「様子を行くんだろ?どうせ」

 

「・・・・・」

 

「当りまえか、不確定要素満載だしな、さてさて、紫はどう動くのやら」

 

霊夢に神降ろしの特訓をさせ

この筋書きを立てた、人物の名を出しながら影陽は呟いた


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