魔理沙が帰った後、霊夢は境内の掃除をしていた
いつものことだが
そんなときガサリと近くの藪がゆれ、兎の耳を持つ青い髪の少女が倒れながら出てきた
「ちょっと!?大丈夫!?」
ここで一目で妖怪とわかる相手にも声をかけ、抱えるのは霊夢の美点か
仕方がないから、そのまま自分の布団に寝かせて、永遠亭に行った霊夢だった
「いや?うちの兎じゃないね、なり立てじゃないかな?」
「そう、ならいいわ」
「治療はいいのかい?」
「大丈夫でしょう、なんかあったら、連れてくるわ」
そう言って、霊夢は帰った
「だそうだよ、師匠夫婦」
「やれやれ・・・」
「とんだお客だけど・・・一応呼びかけましょうか、確認のために」
「月の兎だたら利用するんだろ?」
「当り前よ、連絡手段が確保できるしね」
永琳はそのまま月を見上げた
晴れ渡った夜空に月が明るく世界を照らしていた
「・・・ここは・・・?」
目を覚ました、玉兎
よかった・・・なんとか地上に・・・!?
あ・・あれ!?羽衣がない!?
バタバタと周りを探し始める
そして、灯台下暗し
枕のすぐそばに置いてあった
「よかった・・・・」
(玉兎・・・××の罰を請け負う者よ)
ありえない声を聴いた
あの御方の発音は地上の者には、発音できないはずだ
玉兎は、声に導かれるまま、羽衣を抱え神社を飛び出した
霊夢が帰って来たとき
もう神社は物抜けのからだった
霊夢は少々憤慨したが、よく考えてみれば起きたら神社であった方が妖怪にとっては恐ろしいだろう
そう納得して、霊夢は空いた布団に身をおさめた
玉兎は霊夢が訪れていた、竹林に来ていた
そこに、赤と青の特徴的な服を着た、長い銀髪を束ねた人物がいた
「貴女はいったい・・・?××様の発音は地上の者には・・・」
「その名は地上では、嫦娥と呼ばれていますから」
少々たしなめられる
そして
「私は八意××、聞いたこ・・・」
「や、八意様!?遥か昔、月の姫を連れて逃亡した!?」
大声で驚かれた
「なんという・・・なんという幸運!」
何故かはわからないが喜んでいるようだ
「幸運?どういう事かしら?」
話を聞くと、鈴仙と同じく逃げてきたらしい
罰として、薬をつき続けることに嫌気がさした
そして、そこで耳にしたのが、革命のうわさ
それを行っているのが、八意様ではないかと
「それで、幸運ね・・・悪いけれど見当はずれね、私は月の都などもうとっくにどうでもいい存在よ」
「そんな・・・」
「もう一つ言ってしまえば、あんな、都滅びてしまっても私は構わないわ、弟子さえ無事ならね」
「・・・・」
「貴女、すぐに月へ帰りなさい、月の羽衣、それを使って来たということは、未練があるのでしょう?」
「・・・いいのですか?私は八意様の居場所を・・・」
「それを言うのはあなた次第でしょう?いう必要があるのなら言っても私は構いません」
「・・・・しかし・・・私はすでに逃げてきた身です・・・簡単に月には・・・」
「これを」
永琳は、一つの手紙を手渡す
「これを、そこに書いている人物に渡しなさい」
そこに書かれている名前を見て、驚愕した
「綿月様にですか!?無理です!私ではとても」
「大丈夫です、あの子たちなら近づく機会はいくらでもできるでしょう、その時に私の名を出しなさい、それであなたの罪も帳消しとなるでしょう」
その日、空へ上る流れ星が幻想郷で見られた
「上手くいったみたいだな」
「ええ、いい子で助かったわ」
「で?何を書いたんだ?」
「あの子の身の保証、これから起こることの予想と推移、ってところかしら」
「紫もかかわっているんだろうなぁ・・・すまんな・・・」
「構わないわよ、あの性格だとあきらめも悪そうだし、まあ今回は見積もりは甘くして二人には送ったわ」
「おや、卒業試験かな?」
「どちらかと言えばちゃんとできるかどうかの抜き打ちテストね」
「はは、それはひどい、それで予想は?」
「義妹に出し抜かれるに1票」
二人は笑いあい
その笑い声は、夜の闇に消えていった