東方魂探録   作:アイレス

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第95話

「ロケットねぇ・・・・・」

 

こんな電子制御装置もないこの場所で

そもそも、そんな物等、幻想郷で用意等出来ない

 

「そこは、魔法でどうにかするみたいね」

 

なんとまあ・・・

まあ、それぐらいしかないだろう・・・

 

「どうして、ロケットをつくっていると?」

 

「咲夜が集めていた部品と資料から分かったわ、どうやらあの、お子様吸血鬼が月に行きたいと言い出したみたい」

 

レミリアか・・・

確かにあのお子様ならやりそうな気がする

 

だが、魔法を利用したロケットで月まで行ける物だろうか?

いや・・・どこぞの宇宙ではポンコツロケットで宇宙を飛びながら物を運ぶ運搬会社もあるから考えようか・・・?

それにしても

 

「永琳、君もアレだな?娘には甘いな?足りないロケットの部費や資料、用意して流していただろう?」

 

「あら、気が付いていたの?」

 

「なんか企んでいるなとは思っていたが、今ので話が繋がった」

 

なんか、かき集めているなぁ

とは思っていたがやっぱり咲夜のためか

 

まあ、咲夜も気が付いている気がするが・・・・

 

実際は咲夜は永琳がよく見に来ていることは知っていたが、用意して流していたことは知らなかったようである

 

 

「それで?あの吸血鬼を使って、月面戦争に介入でもするのか?」

 

永琳は肩をすくめながら

 

「そんなわけ無いでしょう?面倒だわ、まあ、滅びるなら滅びて欲しいけれど、介入するとしたらあの二人を助けるときぐらいかしら?」

 

なんとまぁ・・・弟子思いな師匠なことで

 

「それに、あの吸血鬼には悪いけれどもあの二人が中枢に食い込む足がかりになって貰おうと思うのだけど」

 

なかなか、あくどいことだ

まあ、永琳がここまで信頼するのだからなかなかの人物なのだろう

綿月姉妹とやらは

ん?

 

「そういえば、その二人がいま防衛のトップだと言っていなかったか?レミリアが月に行ったら、咲夜もついて行くんじゃ?」

 

そう言うと、思い出したようで、頭を抱えて考え込んでしまった

通信機器は向こう側が寿命で修理出来ず破棄されたようで

鈴仙が時折受信する電波で推測する程度だ

 

「ん?」

 

窓の外、明るい青空に影陽は流れ星をみた

 

 

 

博麗神社では、紫が霊夢に修行をつけていた

霊夢はめんどくさがりで、無駄に才能はあるため、修行とはほぼ無縁だ

だが、努力しない才能などたかがしれる

大事なときに、その力は発揮できないのが才能という物だ

努力の上での天才は天才には敵わないのに、努力する天才などいたら、たまったモノではないだろうが

 

以前の魔理沙がそうだとも言える

魔法自体、能力があったから扱えただけ、なんとなくで扱えるモノ

だが、難解になっていくほど知識が才能が物を言う

そこを努力で上がってきたのが魔理沙だ

親友の霊夢は努力のない天才だったからかもしれないが

 

だが今は、事情が違う

今の魔理沙は、能力に膨大な量の魔力

それを扱う肉体の質、一年間学んだ魔術知識に、イシュタルの持っていた知識

後天的な理由であるが、魔理沙は天才と呼ばれる立場に、上った

それも、元々から、努力するタイプだ

 

 

帰って来た魔理沙は、霊夢を圧倒した

 

 

かろうじて、霊夢が勝ったが、魔理沙は、勝つために、霊夢を超えるためにさらに努力をする

その差は、すぐに縮まる

 

それに触発されたとも言える、霊夢の修行だった

まあ、紫も思惑あっての修行だったのだが

 

 

「よう!霊夢!修行か?」

 

紫との修行が終わったタイミングを見計らって魔理沙は顔を出す

 

修行のおかげか?

多少の遠慮や慎みが魔理沙に出てきた

 

「いらっしゃい魔理沙」

 

紫が魔理沙に挨拶をする

魔理沙とはなるべくよい関係を続けたい

幻想郷のためにも

霊夢のためにも

 

「また来たの?貴方も暇ねぇ」

 

「うっせ、それで?どれくらい出来るようになったんだ?神卸は」

 

「知っていたの?」

 

「うんにゃ、感覚で分かっただけだ」

 

「そりゃそうか」

 

「それにしても、日本の神様は面倒だよな、御霊分けでどんどん増えるんだから」

 

「魔理沙もやってみれば?」

 

「やめとく、私の場合、下手すると、人格崩壊になりかねないらしいからな」

 

霊夢と魔理沙が仲良く話している様子を見ながら、紫は退散する

ライバルでありながら親友

最高の存在だ

 

ひたと

紫は歩みを止める

私の親友は何所へ消えてしまったのだろう?

あの、私の初めての大切な親友は


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