東方魂探録   作:アイレス

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第94話

魔理沙が幻想郷から魔界に修行に出てほぼ一年

ようやく魔理沙が帰ってきた

なんとか、完全に制御できるようになったようだ

それでも、力を出し過ぎると危険が伴うが

 

魔理沙のいない間にもいろいろ起こった

引きこもっていた射命丸が今までの引きこもりが嘘のように飛び回り

弾幕ごっこを吹っ掛け回り、写真を撮り新聞にするなどだ

他にも、細々したことはあったが・・・・

 

 

 

 

帰って来たとき、魅魔とアリスも疲れた顔をしていた

魔理沙も疲れたような顔であったが、元気に動き回っていた

無尽蔵の体力お化けだったらしいイシュタルらしいといえばらしいのか

 

アリスに聞くと、いくつか魔界の土地がぶっ壊れたらしい

その修復も大変だそうだ

魔界の主はアリスの母親

それも甘え癖のある

だいぶ、抱き着かれるなどして精神的にも、魔理沙に教えるのに肉体的にも疲弊していた

魅魔も・・・悪霊なのにやつれた感じで、うんざりしたような感じだ

 

「お疲れ様、二人とも」

 

そんな声をかけても二人はため息とともに手を振るだけだ

 

二人ともそのまま帰って行った

魅魔はここに家はないはずだが

博麗神社に行って帰ってきたことを霊夢と紫に伝え、神社に居座るつもりらしい

 

まあ、好きにさせる

あんまり関係ないからな

 

 

あの二人と魔界の主及び住人に比べたら私たちの方は恵まれていたのかもしれない

 

稗田家には正しい情報を書き留めるよう要請した

いや、要請というよりも力による圧力とも言ってもいい

 

紫、影陽、天魔、永琳、レミリア、フラン、霊夢、そして抜け出してきた魅魔

そんな者達が揃って、魔理沙の現状報告、及び、真実を伝え、正しく書き記すよう言ったのだ

圧力とも取れる方法で

 

稗田家には、実際にはそれほど危険ではない妖怪を噂だけで凶悪と判断し見もしないで書き記し、人と仲良くしたい妖怪を敵とみなし、書き記したことがある

ここまでするのも当たり前かもしれない

 

 

最終的に、少しだけ会わせたことで納得してもらった

 

 

しかし、人里の者達には理解してもらえない

 

特に、家を壊され、家族を殺された者たちに

憑依されていたから?

不可抗力?

そんなこと関係ないと

 

霊夢は、関われない

本当なら、人里に手を出した魔理沙を殺すのは霊夢の役目だ

下手に顔を出せない

 

結局、人里に魔理沙を入れさせないことにした

霊夢も、悔しそうな表情をしながら同意した

魔理沙を守り、幻想郷を守るにはそれしかなかった

魔理沙が怒り狂えば簡単に幻想郷は滅びるのだ

 

山を破壊しつくすほどの力、と作物に影響する豊穣の力、生命の営みにも影響を与える、天空の女主人の力を得てしまった魔理沙

魔理沙が力のまま暴れまわれば、妖怪の山は消え去り、作物は全く育たなくなり、人は無気力となる

 

魔理沙にはよく言い含めなければいけない

魔理沙は好奇心の塊みたいなものだから

 

 

 

 

 

 

 

魔理沙は、1人夜空を飛んでいた

付き添いはいない

箒を使わず、黄金の弓のようなものに乗って魔理沙は飛んでいた

向かうは、人里の墓地

自分の親の墓

人里には入れないから仕方ない

だが、最低限墓参りはしたかった

追い出した親であっても、自分の親ではあったのだ

人里上空で弓、マアンナを収納し墓地に飛び降りる

人の目から逃れるにはそうしかない

 

霧雨家の墓

そこに自分が入ることは絶対にない

そして、自分の親も入ることはなかった

魔理沙は、花束を墓前に放り投げ、飛び去った

 

 

 

 

「紅魔館で何が行われているのか分かったのか?永琳」

 

「ええ、間違いなくロケットを作ってるわ」

 


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