東方魂探録   作:アイレス

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第91話

静かな永遠亭を影陽を先頭にに進んでいく

静かにしている理由は、魔理沙や永琳が寝ているためでもある

 

が、追加で客が来た

 

紅魔館勢だ

それも普段外に出ないパチュリーや門番である美鈴も一緒だった

普通に家の中にまで入ってくるのだから呆れるしかないが、咲夜はそれとなく止めたようだ

 

「お兄さん・・・魔理沙はどこ?」

 

一度紅魔館で見たことのあるレミリアの妹、フランドールが広袖をつかみながら聞いてくる

 

「お前たちも魔理沙のお見舞いか?」

 

「そうよ?それ以外ないでしょ?」

 

確かにかまわないのだが・・・

お見舞いも普通なのだが・・・

意識が回復していないことには気をかけてほしい

それと、ここが昨日あたりまでごった返していたことも

 

昨日、やっと幽香が目覚めしっかりとした足取りで帰って行ったのだが

呆れた回復力だ

キチンとした治療はしていたが、起きてすぐに普通に歩いて帰って何の支障もないとはこれはいかに?

という状況だった

完治したことはいいことだが・・・

 

 

「ほかにも見舞い客がいるからな、静かにしろよ」

 

少々うるさいことで有名な紅魔館組だ

祈るしかないだろうが

 

 

 

「あら?レミリア達だったの」

 

レミリアを連れてくると待っていた紫たちがこちらを見て、紫が声をかけた

 

「紫か・・・ん?そっちは誰だ?」

 

レミリアが魅魔を見ながら訪ねる

 

「私かい?私は魅魔、悪霊さ」

 

「悪霊ねぇ・・・なんで悪霊がこんなところに?」

 

パチュリーが反応し尋ねる

 

「一応、魔理沙の師匠だからね」

 

少し苦笑気味に魅魔が答える

 

その言葉で紅魔館勢の口があき、驚愕をあらわにする

 

「「「「魔理沙の師匠!?」」」」

 

大声が永遠亭に響き渡った

 

 

 

 

 

「それで大声を上げたわけね」

 

永琳が色の悪い顔を歪め、右手で頭を押さえながら理解する

先ほどの大声のせいで起きたらしい

先ほど声を上げたメンツはとても申し訳なさそうにしていた

 

影陽も謝り続けていた

後で、ゆっくり寝かせてくれとも頼まれたが

 

そして、ようやく魔理沙の部屋にたどり着く

 

「ここだ、みんなしず・・・・」

 

扉を開けた影陽が黙る

 

「どうしたの?」

 

永琳ものぞき込んで黙った

 

「二人ともどうしたのよ?」

 

紫が二人を押しのけて・・・また黙った

 

「おい!紫、どうしたんだ」

 

魅魔がのぞき込んで

 

「魔理沙!?目が覚めたのかい!?」

 

その言葉で影陽や永琳、紫を除く全員が魅魔を押して中になだれ込んだ

そして、魅魔を除く、全員が見て、最初に思ったことは・・・

 

 

誰だこれ!?

 

 

である

魔理沙と言われれば確かに魔理沙なのだが・・・・

背が伸びて、肉体的にも成長したからか?

不思議な魅力が魔理沙からにじみ出ていて、差し込む日の光で金髪が美しく輝いて見えた

そして、なぜかこちらを向いたまま動かない何処か儚い表情がさらに魅力的に見えた

 

「みんな・・・?魅魔様?」

 

小さく首をかしげながらつぶやくような声が聞こえた

 

「私は・・・生きているの・・・?」


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