東方魂探録   作:アイレス

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久しぶりにこんなに長いものを書いたな


第81話

次の日

とてつもなく騒がしく、忙しかった

 

 

 

幽香は完全にあのまま寝ていたから布団に寝かせるのが大変であった

寝かせながら、妙なことを考えてしまう

タイムマシンがあったら

優華と別れたあの時に行くだろう

そんなことだ

 

客間から出て少し、

酒が飲みたくなり酒を持って中庭へ行くと、治療を終えた永琳がいた

 

「あら?一人にしてよかったのかしら?」

 

「ぐっすり寝ているよ、そっちも終わったのか?」

 

「ええ、なんとかね。あんな治療は二度とやりたくはないわ、疲れるもの」

 

「そんなにか」

 

「そうよ、腕とか足、翼の骨ほぼ全部ボキボキよ」

 

「うわぁ・・・・」

 

「キチンと治しておいたわ」

 

「ありがとう、永琳」

 

お礼を言いつつ永琳の分の酒を杯にそそぎ手渡す

 

「どういたしまして・・・・それにしても・・・」

 

酒を受け取りつつ永琳は呟く

 

「ん?」

 

「なんか・・・家族にたとえると・・・とんでもない人ばかり、ここにいる気がするのよね」

 

「・・・・なんとも言えん・・・」

 

いわれるとその通りだ

私と永琳は十数億年生きた人物

輝夜のため、月から離反

新しく、長女的な立ち位置にいるのは・・・これまた数億年の生きた元妖精の妖怪、風見幽香

父親的な影陽の連れ子?

次女は・・・輝夜?

月の姫で不老不死

永琳が犯した罪をかぶせられ、地球に追放された・・・

三女は妹紅、元貴族の娘、輝夜への復讐のため不老不死の薬を飲む

数百年前、竹林で拾った

いや・・・年齢を考えないなら妹紅と双子の姉妹もありか?

仲いいし

咲夜は・・・重いが・・・理由があって離れ離れになり、再会できた四女?

・・・・ダメだあまりいいものじゃないぞ・・・

ていうよりカオスだ・・・

原因ほとんど私と永琳のような気がしないでもないが・・・・

 

「・・・永琳・・・とんでもない過去とものすごい人物しかいないな・・・」

 

「・・・そうよね・・・私のせいもあるけれど・・・」

 

何とも言えない沈黙が生まれる

しでかしてきたことと、今の状況に困惑が出てきたのだ

カオスすぎないかと

そういえば、紫がなんか泣きついていたな

バランスがどうのこうの

この、カオスっぷりのせいか?

今更ながら思い至る

よく考えると、なんだかんだ言いながら各陣営と仲がいいのだ

だが、今更だ

 

酒をあおりながら考える

今更なのだ、本当に

だが、なぜだろう?

とてつもなく嫌な予感がするのは

 

「そろそろ寝ましょう?明日はお客さんが来るのでしょう?」

 

そうだった

そういえば稗田阿求とそんな約束をしていた

すっかり忘れていた

幽香のことでいっぱいになっていた

 

「そうだったな、すっかり忘れていた、ありがとう永琳」

 

「そんな気はしてたわ、お客が来るのにお酒を出すなんてありえなかったしね」

 

なんとまあ・・・

自分で自分を呆れつつ、酒を片付ける

 

さて・・・明日はどうなることやら

どうせなら、平和な日常がいいな・・・・

 

 

 

と思っていたら

大騒ぎだ

次の日の昼前に稗田阿求がやってきた

射命丸はまだ起きそうもなかったので、鈴仙とてゐも集まっていた

そこで、幻想郷縁起に書くことを聞かれていたのだが・・・

幽香が乱入した

 

正確には、寝ぼけた幽香が部屋に入ってきて阿求の膝で二度寝しただけだ

稗田阿求の顔が面白かったとだけ言っておく

その後はとてもじゃないがお話にならなかった

幽香のことかなり恐れていたしな

それと、義理の親子だと言うと距離を一気に取られた

最低限のことだけをまとめて帰ろうとした

だが、その腰に幽香が抱き着いて放さない

力を込めていなかったし、抜け出そうと思えば抜け出せたのだろうが

恐ろしくてできなかったらしい

幽香を起こして、助け出した

そのことを幽香は謝ったのだが、稗田阿求はものすごい勢いで逃げた後だ

しょんぼりしていた幽香を慰めるのが大変だった

なんか、妹紅も輝夜も手伝ってくれた

 

しばらくは、幽香のコミュニケーション不足を何とかしよう

そう思った

他人と話すことがほぼなかったせいで、うまく話せないのは問題だった

誰か、普通に話せそうなのを見繕って連れてくるか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無限とも言える円柱状の空間の中心に彼はただ一人存在する

中心には彼のデスクがおかれ周りには無数の本棚が存在し全て埋まっている

そこには本棚に囲まれた男性が一人座っているだけだ

 

「相変わらず、退屈なことをしているのね?あなたは」

 

そこに、女性の声が響く

その声に男性が不快そうな顔で声のした方に顔を向ける

 

「何をしに来た、アスタロト」

 

「・・・その名前は別の奴でしょう?私の名前はそんな名前じゃないわ」

 

威圧が空間を圧する

 

「ここで暴れたらどうなるかわかってやっているのか?それと、地位はどっちが上だ?」

 

「っち、うるさいわね・・このくそ管理者」

 

そう言って威圧を引っ込める

 

「で?何の用だ」

 

「ここにいるんでしょう?始まりの混沌が」

 

「ふむ・・・確かにいるなそれがどうした?」

 

「ばか!?さっさと連れ戻しなさい!今大混乱なのは分かっているでしょう!?」

 

「どうでもいいな」

 

「だからこのくそ管理者は・・・それに常闇様まで消えたのよ!?分かって言ってるの!?」

 

「どーでもいいな、それ、それが混沌様がおられる世界だ、どうせ行く気なんだろう?止めはせん」

 

「分かっているじゃない!じゃあね!」

 

そう言って、彼女は光の弾となり、本の中に消えた

 

「行ったか・・・ちっ面倒な・・・まあ、無理だろう、もう混沌様はおられない、魂の中身は別の存在だ・・・それが、ごみの管理者の魂も混ざっているのだから面白いものよ・・・そこは、お前の墓場となる世界だろうよ、愛と美、戦、豊穣の神イシュタルよ」

 

 


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