東方魂探録   作:アイレス

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危ない・・・
あと少しで投稿できないところだった・・・・


今回は幽香側です


先に言います
皆の知っている幽香さんじゃないです
誰この子?
だと思います



第75話

ああ

なんとこの世は広いのだろう

あれからあの人を探して旅を続けた

あの人が、生きていくために必要なことは全部教えてくれていた

一つ一つ

思い出しながら、実戦し生き続けた

でも

あの人は見つからない

名前も知らない

見知らぬ私を助けてくれた

強くて優しい人

名前さえ知らないが、家族と言える唯一の人

私もそうなりたいそう願っていた

 

だけど

今の私を見たら

どう思うのだろう?

強い妖怪に絡まれ返り討ちにし続け

それでも次から次にやってくる妖怪

それらを倒していくうちに人や弱い妖怪から避けられるようになった

私は襲うつもりなどないのに

 

人に恐れられ自分も人を避けるようになった

人から向けられるあの視線に

恐怖と畏怖、憎しみのこもった目に耐えられなかった

ここ

幻想郷でも同じだった

ここで静かに花を育て暮らしていても

恐ろしいのだろう

寄ってくるのは元同族である妖精ぐらいか

だが、その妖精ですら私を恐れるようになっていた

その時気が付いたのだ

もはや自分が妖精ではなく

妖怪となっていることに

 

それからはもう特に何もせず静かにしていた

ただ、もう恐ろしかったのだ

自分を住処を守ること以外で

誰かを傷つけてしまうことが恐ろしいのだ

 

いつだったか

妖怪の賢者とかいう妖怪もやってきたこともあったが

何もしてこなかった

ただ、必要以上に暴れなければいい

そう言っていた

それからは穏やかな日常だった

一度吸血鬼がこの世界を手にしようとしたときは

面倒であまり乗り気ではなかった

強引に戦場に駆り出された

その後、スペルカード戦という遊戯での争いになったが

紅い霧も、長い冬も、永い夜も

自らの一部のような、植物達にとって辛い日だったが動かなかった

ただ耐えていた

動きたくなかった

自分を見るあの目を見たくなかったから

 

 

1人で過ごした年明けが過ぎてしばらくのこと

ふと、懐かしい夢を見た

あの人と過ごした時間のことだ

遊んでもらった記憶

寂しくて泣いていた時泣き止むまで抱いていてくれた

そして、別れの記憶

私を助けるために、彼は自分の力をほぼすべて使った

優しく微笑んでいた顔

その場面で目が覚めた

 

いつもは少し悪い目覚めであるのに、今日に限って頭がさえわたっている

いいことなのだろうが

少し憂鬱な気分だ

なんで最後にあんな・・・・・

 

幽香は気が付いた

近づいてくる存在に

それは覚えのある

いや、覚えのあるどころの物ではなかった

ベットから飛び起き走って外へつながる戸をあけ放った

そこに、彼がいた

 

髪は最後見たときよりも短かったし、服装も違う

だが、彼だと気が付いた

自分に分け与えてくれた力を間違えるはずがない

なぜ今まで気が付かなかったのだろう?

なぜ、今ここに現れたのか?

妖怪になってしまった自分をどう思うのか?

そんな疑問も不安もすべて吹き飛んだ

 

「優華」

 

そう呼ばれた名前だけで




こんな幽香さんです

だけど・・・激怒したり戦いになると・・・

まあ、このことはまた今度

お楽しみに

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