人里を妹紅に連れられ影陽は歩いていた
あまり人里が好きではないので店などの場所がよくわからないから妹紅に連れてきて貰っている
「悪いな妹紅。仕事があるのに」
「いいよ、寺子屋は今は休みだし、竹炭も今日の分は完売しているからね。」
「そうか」
最近は妹紅は寺子屋で人気らしい
まあ・・・なんだかんだで歴史の当事者なんかに会ったこともあるようだから
その話しも子供に取っては楽しみなのだろう
慧音自身は・・・悔しがっていたが
時々輝夜も教えに行っているようだが・・・そっちも慧音より人気らしい
まあ・・・かぐや姫本人だしな・・・
「そういえば・・・なんで影陽はあんまり人里に来ないんだ?それなりに患者も来ているから顔見知りはいるだろうに」
「ん?ああ・・・実際のことを言うとあんまり人が・・・人間が嫌いと言うかな」
「そうなのか?普通に接して・・・そういや妖怪とは親しく話していたりするが人とはあんまり話してなかったな」
「元人間だが・・・どうも自分は妖怪よりな感じだ」
肩をすくめながら言う
「どうしてもね・・・ああ、個人だとそうでもないよただね、集団になると苦手だし、サイコパス的な考えの人間や独善的な人間が出てくるとダメなんだ」
「そういうもんか・・・ん?じゃあ妖怪はどうなんだ?」
「嫌いじゃないな、自然の中から生まれた者もいるし人の恐怖などの感情から生まれた妖怪、空想から生まれた妖怪様々いるが話すと楽しいからな、まあ、話の通じなくて襲うヤツもいるがそれはその妖怪の性だしな人を襲ったり食ったりすることは人が食事するのと変わらないしな」
「なんか・・・寛容だな・・・」
「目の前で人が襲われていたら助けるさ、だが頼まれても退治にはいかないな対策ぐらいはしてあげる程度だ」
あっさりとした反応しかしない
周りにいるそれを聞いた人達は凝視していたが
「親父・・・それはここで言うことか?」
「しらん、妖怪が人を襲うのは生活の一部、人が食事するのと同じことだ。そこに手を出すことの方がおかしいだろう?まあ、幻想郷のルールに抵触しない限り、だけどな!」
虚空から禍々しい深紅の槍を取り出し片手で一回転させ門に向かって投擲した
人里の大通り
その端で下級の雑魚妖怪が人を襲おうとした瞬間
深紅の槍が妖怪を貫きそのまま門の柱に突き刺さる
貫かれた妖怪は声一つもらすことなく消滅した
「お見事、さすが」
「あの槍を使えば簡単だ、まああの槍の力使ってなかったが・・・」
「ちなみに能力は?」
「必ず心臓を刺し貫く」
指を鳴らすと槍は勝手にまた虚空へ帰ってく
妹紅もとんでもない能力の槍に顔を引きつらせる
「それで?妹紅、酒屋はどこかな?この後紅魔館にも行くから少し急ぎたい」
「へいへい、そこだよ酒屋は」
「ありがとな、ここまででいい」
「あいよ、お土産期待しとくよ」
軽口をたたきながら妹紅は元来た道を戻りはじめる
その姿を見送って影陽は酒屋に入っていった