東方魂探録   作:アイレス

70 / 113
第70話

新年新たな年の始まり

それを祝う日でもあるのだが・・・

 

「どうしてこうなった・・・・」

 

影陽の目の前には道端で寝ている者たちがたくさんいた

それも

かなり乱れた服装で寝ているもの

折り重なって寝ているもの

一升瓶を抱いて寝ているもの

誰かに抱き着いて寝ているもの

 

普通なら誰かまともな人が治めたりするのだが

私もいつもなら押さえに入る側なのだが・・・・

いつも以上に飲んだ紫と永琳に絡まれ緑色と青色の物体が頭と腹に直撃してからの記憶がない

紫は・・・・こういう時ははっちゃけるので当てに出来ない

式達もそれに振り回され

アリスも・・・今回は魔理沙にしこたま飲まされたのか

端の方で魔理沙を枕にしてぐったりとしていた

枕にされている魔理沙もぐっだりだが・・・

永琳は・・・すまし顔だが・・・

なんで紫と肩を組んで寝ているのか・・・・

ここに住んでいる霊夢は・・・

ちゃっかり自分の布団で寝ていた・・・萃香を下敷きにして

寝にくくないのだろうか・・・?

 

そして・・・・

今もその直撃した二人が膝の上を占領して動けなかったりする

それは・・・

緑色の髪をサイドテールにして背中に透明な翅を持つ少女と

ショートの青髪で背中に氷の翅を持つどこか見覚えのある少女が

影陽の膝を占拠していた

 

「動けないよなぁ・・・・」

 

ぐっすりと気持ちよさそうに仲良く寝ているのを見るとさすがに起こしにくい

辺りを見回しても起きている者はいない

心配なのは・・・

最近永遠亭のことを知り新聞にして幻想郷中にばらまいた文屋ぐらいだ

そんなことを考えていると

ぱちり

と音が聞こえる

即座に矢を音のした方に速射する

すべて木に当たったようだ

 

「あやや、危ないですよ?光淵様?ただ妖精との微笑ましい写真を撮っただけじゃないですか~?」

 

スタッっと降りてきて話しかけてきたのは妖怪の山に所属する射命丸文だ

一応顔見知りである

 

「お前・・・誇張表現に、重要な情報を隠したまま新聞にして許可もなくばらまくだろうが!」

 

「ん~そんなにきにすることですかね?」

 

「ふざけるな!それで迷惑したやつがどれほどいると思っているんだ!」

 

「さあ?私は知らないので」

 

ダメだこいつ・・・前はかわいげのあるやつだったのにどうしてこうなった

 

「それじゃ私は仕上げるので!」

 

射命丸が飛び立とうとする

 

「待て・・・射命丸」

 

ガチな低めの声にガチリと固まる射命丸

恐る恐る振り返ると

こちらに禍々しい剣が向けられていた

 

「えっと・・・?それは・・・?」

 

「フルンディング・・・北欧の英雄ベオウルフが振るったとされる魔剣だこれを投げつけられたくなかったら・・・カメラを渡せ」

 

「・・・魔剣?・・・・名前からしてイヤな予感しかないんですけど・・・」

 

「射手が健在かつ狙い続ける限り、標的を襲い続ける効果を持つ追尾型魔剣だからなお前がいくら幻想郷最速でも・・・永遠に追いかけるだろうな」

 

「・・・・どうぞ」

 

さすがにそんな物を投げつけられたくはなかったのだろう

素直に渡してきた

カメラは懐かしのフィルムタイプ

カバーを開けフィルムを取り出しカメラを返す

 

「まったく・・・こんどからはちゃんと許可を取れ!今度しでかしたら・・・・」

 

フィルムを放り投げる

そして能力で重力をかけ押しつぶす

 

「今度から相手のことも考えた新聞と見出しにしてくれ・・・いい加減庇えなくなるからな」

 

「・・・・え?」

 

「お前・・・相手を考えず面白そうだと記事書くだろうが・・・おかげで紫や永琳を押さえるのが大変なんだぞ」

 

「えっと・・・・すいませんあらためます・・・」

 

「それでいい、じゃあな」

 

そういうと射命丸は颯爽と去って行った

 

今度妖怪の山に行こう

天魔も死んでしまって新しい天魔に挨拶もいるだろう

墓も参りに行かなければ・・・

あいつの好きな酒何だったかな・・・

 

寝ている妖精達の頭をなでながらそんなことを考えていた

 

 

なお、新聞の一面は妖精の頭を優しくなでている影陽の写真だったそうな

射命丸がどうなったのかは誰も知らない

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。