東方魂探録   作:アイレス

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これで今年最後!

ふう・・・間に合った・・・



第69話

しんしんと雪が世界を白く染める

新しくなった紅魔館のそば

霧の湖でチルノがはしゃぎ回り

雪女の一人レティ・ホワイトロックを見かけるようになる

人があまり出歩かなくなり

無音と雪が世界を包み込む

影陽達のすむ永遠亭もそうである

襖という襖を閉め切り外に近い部屋は完全に閉め切って火鉢で部屋を暖め

炬燵にこもる

 

訳ではなかった

 

 

締め切っているというのは本当だ

だが部屋を暖めているのは石油ストーブで

炬燵は掘り炬燵で電気式

そしてなぜかテレビが置いてあり

みんなで炬燵を囲って見ていた

八雲家と一緒に

 

「なんでここに貴方がいるのかしらね?それにあなた冬眠するのではなかったのかしら?」

 

「あら?兄さんに誘われたんですもの来ないわけがないわ。それに兄さんのおかげで妖力を博麗大結界にそんなに回す必要がなくなりましたから、冬眠の必要なんてなないわ」

 

紫が炬燵の上の食べ物をつまみながら答える

炬燵の上には幻想郷では手に入らない魚の刺身や菓子などが並んでいる

紫が外から調達したのだろう

外でもそれなりに活動しているのだろう

そうでなければこんなに用意など出来ないだろう

たぶん

 

 

「影陽さんすいませんミカンを取っていただけますか?」

 

鈴仙がかしこまってお願いしてくる

確かに鈴仙の位置からではちょっと遠い

 

「いくつだ?」

 

「てゐも欲しそうなんで2つお願いします」

 

「はいよ」

 

軽く放り鈴仙にわたす

 

「ありがとうございます」

 

キャッチし皮をむきはじめる

てゐは鈴仙のむいたミカンを手に入れようと虎視眈々と狙っているようだ

 

妹紅と輝夜はテレビに一番近い所に陣取り食い入るように見ていた

藍と橙は少し居心地が悪そうにしているが少しは楽しんでいるらしい

特に橙は輝夜に抱えられていたりする

それを藍がうらやましそうに見ていたり

 

なんとも静かだが明るい空間だ

 

今年は

いや、秋からこっちはいろいろあった

月を隠す異変を行い最終的に永遠亭の存在を明かすことになり

病院としてここが利用されるようになり

紅魔館が爆発したり

永琳と咲夜分かれた二人が再会したりと

何かと忙しかった

来年はいったいどんなことが起こるのだろうか?

不謹慎なことだが

少し楽しみだったりする

なにも起きないことが最善なのだろうが

ここでそんなことなど起きないことの方がおかしいのかもしれない

 

テレビから外の寺の様子などが写される

もうすぐ年明けだ

カウントダウンが始まり

0と同時に鐘がテレビから聞こえ出す

 

そこにいた全員が姿勢を正す

 

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」

 

紫が挨拶をする

 

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」

 

返答を永琳が行う

 

「さて・・・博霊神社に初詣に行くか」

 

 

 

 

博霊神社には二人の影があった

霊夢と萃香の二人だ

いつもは侘しい神社だが

今年は影陽が大量の金を出してくれたため侘しさはあまりない

食事もそれなりの物を食べることが出来ていた

だが・・・未だに参拝客が誰も来ないのだ

 

 

「何で誰も来ないのよーーーーー!」

 

「そりゃ霊夢・・・道があんなんだとね・・・」

 

そうここまでの道は獣道といってもおかしくはない道なのだ

だが誰も整備しようとはしないのだ

ちなみに永遠亭までの道は影陽がしっかり整備した

 

「うう・・生活の質はよくなったけれどこれじゃあすぐ元の木阿弥じゃない・・・」

 

「そうでもないんじゃないか」

 

萃香が遠くを見ながら言う

 

そちらを見るとこちらにやってくる影が9つ

その影はどんどん大きくなって

 

「やあ、霊夢、あけましておめでとう。」

 

「あけましておめでとう、霊夢」

 

永遠亭のメンバー達と紫達だった

 

「参拝に・・・来てくれたの?」

 

「初詣だしな、それぐらいはしないと」

 

ボロボロと霊夢が泣き出す

それを見て影陽は

こまめに来た方がいいかな

と思った

その後に紅魔館勢や魔理沙&アリスが初詣にやってくる

そのうち妖精達も集まってのまま宴会になってしまった

幻想郷らしい姿だ

 

さあ、今年はどんな年になるのかな

 

そのまま影陽もその宴会の中に紛れていった




皆様ここまで読んでいただきありがとうございます

これで今年最後の投稿となります
ここまでやってこれたのは読者の皆様のおかげでございます


それとこの作品のきっかけとなった東方狐答録の作者 佐藤秋様
投稿する勇気をくださり、よく誤字報告をくださる 東方幻影人の作者 藍薔薇様

深い感謝を申し上げます


なんだか最終回みたいな流れですがまだまだ続きます
しかし4月より私の新生活が始まるため今までのような投稿は不可能になるかと思われます
頑張って進めようとは思います
今後ともよろしくお願いいたします

皆様よいお年を

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