東方魂探録   作:アイレス

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ふう・・・なんとか出来た・・・




第63話

とある日の夜

いや、とある日の夜という言葉はふさわしくない

聖なる夜が正しい

12月24日から25日

俗に言うクリスマスだ

 

この日、幻想郷のとある館で各勢力を招いたクリスマスパーティーが行われることになった

場所は

紅い悪魔の二つ名を持つ吸血鬼、レミリア・スカーレットの屋敷

紅魔館

 

悪魔が聖なる夜にすることじゃない

そう思う

 

だが、幻想郷で常識なんて通用しない

幻想郷の常識は外の非常識、外の常識は幻想郷の非常識なのだ

 

悪魔が吸血鬼が日本の妖怪が外国の宗教イベントを行っていいじゃない

ここは日本なんだもの、幻想郷なんだもの

 

 

 

そんななか永遠亭の縁側で一人

横になっている人物が一人

八雲影陽、もしくは八雲光淵

である

 

あの異変から一月近くがたっていたが未だに体調が優れないのだ

まあ、原因はあの後の異変の後の宴会での出来事のせいなのだが

それも自業自得

 

こってりといろいろと搾り取られ完全にダウンしていた

 

「大丈夫か?影陽?」

 

妹紅がのぞき込みながら尋ねてくる

 

「・・・紅魔館に行くんじゃなかったのか?」

 

「寺子屋でいろいろ貰ってな、輝夜の分も持って帰って来たんだ永琳は輝夜と鈴仙と一緒に行ったけど・・・てゐは?」

 

「知らん、たぶんコッソリ付いて行ってるんじゃないか?」

 

「そうか・・・それにしても・・・大丈夫か?」

 

「大丈夫に見えるか?」

 

「見えない」

 

「わかりきったことを聞くな」

 

「でもなぁ・・・もう一月だぞ?治ってもいいだろうに・・・」

 

「・・・お前な・・・矢や刀に槍、普通の包丁まで持ち出して全身刺されまくるわ、骨が見えない程度に身をそがれるわ、気絶している間に人道的、いや倫理的にもおかしいことされて挙げ句の果てには博麗大結界の半分の保護と管理に供給の役割まで与えられたんだぞ!」

 

その言葉に絶句する妹紅

 

「えっと・・・・そんなことされてたのか・・・・」

 

「ちなみにな・・・・食われた」

 

何をと聞きたくない

とてつもなくイヤな予感しかしない

だが・・・

 

「何を・・・食われた・・・・」

 

「削られた肉」

 

妹紅は顔に両手を当てて天井を見上げる

 

なんとなくそんな気はしていたが

そこまでやるかという思いだ

まあ・・・見るからにいろいろ強くなっていたから

ナニかとんでもないことされたんだろうとは思ったが・・・・

マジで食うとは思わなかった

 

「あの姿を見たときはかなり猟奇的だったな・・・自分の体の一部だった物が食われてるんだから・・・」

 

「やめろ・・・言うな・・・・あの二人が普通に見れなくなる!」

 

 

 

しばらく無言になる

 

「影陽はさ・・・よく嫌いにならなかったなあの二人・・・私ならもう逃げ出してるぞ・・・」

 

「今回は自分のせいだしな・・・それに・・・逃げても無駄だろうし・・・こっちから告白したし・・・今更な気がするからな・・・紫は・・・罪滅ぼし?かもな・・・」

 

「でもなぁ・・・そんなことを言っていても、こんなことされたのになぜか嫌いにはなれないんだよなぁ・・・」

 

「惚れた弱みか?それとも・・・ただ尻に敷かれてるだけか?」

 

「どっちもかもしれん・・・紫は違うけどな・・・」

 

あっちは別らしい

もうとっくにいろいろ搾り取られて既成事実もありそうなんだが・・・

 

「それよりいいのか?行かなくて」

 

「影陽も行こう、そっちの方がいい。」

 

「まだ、だるいんだが・・・」

 

「一応人里の警備の指導もしているだろう?それにそのうちここで医療するかもしれないじゃないか!」

 

「仕方ないなあ・・・」

 

そう体を起こしたとたんだった

 

ドン   ドン   ドン

 

と同じ方向から爆発音が聞こえてきた

妹紅と首をかしげていた

 

突然霧の湖の方面が強く光ると爆音とともに地面が激しく揺れた

 

「うお!?」

 

「なんだ!?」

 

すぐに揺れは収まった

地震ではない

それよりも・・・もっとイヤな予感がする

 

「妹紅・・・あっちは・・・霧の湖だったよな・・・?」

 

「ああ・・・」

 

「紅魔館は・・・何所だったかな?」

 

「霧の湖の畔だな・・・」

 

「「・・・・・・・・・」」

 

「治療道具持って行くか」

 

「ああ・・・」

 

 

 

 

本当に紅魔館が現場であった

あの壮大で目に悪かった紅魔館が跡形もなく吹き飛びクレーターが出来ていた

門も片方の柱を残し吹き飛んでいた

美鈴はその残った方にいたため無傷だったらしい

問題はその他

紅魔館の前の庭で行っていたため破片でケガした者が多かった

館内にいたのはパチュリー・ノーリッジとレミリアの妹、フランドール・スカーレット、それと魔道書を死ぬまで借りに来ていた魔理沙

3人とも図書館にいたため助かった

他はメイド妖精達だが

こっちは全員1回休みになっただけだ

一番屋敷に近かったレミリアと咲夜、近くにいた妖怪達も重傷だったが妖怪は着いた頃にはだいたい回復しかけていた

咲夜は即行で入院

永遠亭に搬送

霊夢は結界で防いでいた

大半が霊夢のおかげだった

永琳達もここにふくまれた

 

 

記念すべき日がなんとも言えない大惨事になってしまった

 

原因は花火

深夜とともに打ち上げる予定だった物をメイド妖精が搬送中に別のメイド妖精が火気厳禁と言われていたのを忘れ明かり(ろうそく)を持って近づいて転び引火

妖精達が運んできていた花火にも誘爆

貯蔵庫まで火が回り近くにあった火薬庫にまで行き

大爆発となった

 

このとき火薬庫の扉はなぜか開いていたらしい

 

なおなぜ火薬庫の厳重な扉が開いていたのかは不明だそうな

 

 

 

 

 

「とんだ災難だったな・・・・レミリア」

 

「ええ・・・今度から花火は別にするわ・・・紫にでも頼んどきましょうかね」

 

「それが一番いいだろうな」

 

永遠亭の部屋で会話をする

 

咲夜が入院のため紅魔館勢は永遠亭に一時的に来ていた

幸い図書館は無事なため早く修復は出来るようだ

あとは魔法使いの技量次第だ

 

「で?扉の犯人は誰か分かったかな?」

 

「分からないわ、完全にお手上げよ、扉も粉々だし。こんなことなら運命でも見ておくべきだったかしら?」

 

「なんだ見てなかったのか?」

 

「運命を見て先に楽しいことを見て後から体験する。楽しいと思うかしら?」

 

「なるほど」

 

「・・・咲夜は大丈夫かしら?」

 

「安心しろ死ぬことは絶対にない、永琳も確実に本気を出しているからな」

 

「そう?いつも通りだったと思うけれど?」

 

「出さざるを得んよ・・・一応血の繋がっている親子なんだからな」

 

 




紅魔館爆発・・・
よくネタで見るから私も


咲夜ネタは・・・・うん・・・

あんまり気にしないで
突っ込まれるときついから

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