霊夢を見送り屋敷へ入る
朝の空気が永遠亭に流れている
ちょうど出てきたチビイナバに鈴仙の病室に案内して貰う
部屋に着くとちょうど永琳が出て来たところだった
「永琳、鈴仙の様子はどうだ?ひどいケガなんだろ?」
「まだ眠ってるわ、でも傷は全部塞いで治療したから後は目が覚めるのを待つだけよ」
「そうか、よかったよ」
「さて・・・あの未熟白黒魔法使いに何させようかしら」
静かな怒りをにじませながらニヤリとする永琳
なんとまあ・・・女は怒らせると恐ろしい
ついさっきもそうだが・・・
「薬草や毒草、毒キノコなんかをどれだけ持ってくるというお仕置きならどうだ?あの子は魔法使いだし、これからここは病院のようになるんだから薬は多い方がいいだろう?彼女ちょうど魔法の森という瘴気の濃い場所に住んでいるようだから、珍しい植物もあるかもしれない」
そう言うとマジマジと顔を見られた
「何所でそんな・・・てかいつの間に・・・」
「さっき博麗の巫女の霊夢から聞いた、今後のことも決めておかないといけなかったからな」
「しまったわ・・・忘れてたわ・・・」
額に手を遣りやってしまったという感じだ
本当に頭の中から抜け落ちていたのだろう
「そうね・・・最初はそうそう売れたり患者が来ることはないでしょうけれど・・・備えは必要ね・・・分かったわ影陽の意見で行きましょう」
「それが終わってもお金を払えば持って来てくれそうだがな」
「そこはそうなってからね」
一応朝なのだから何か食事を作ろうと台所へ向かっていると・・・
「あら・・・・」
「おやおや・・・」
妹紅と輝夜が廊下の端で仲良く寝ていた
部屋までたどり着けずに寝落ちしたのだろう
「二人は一晩中起きていたから仕方ないわね・・・」
「そうなのか・・・仕方ない部屋まで運んで寝かせるか」
そんな話をしていたら、てゐもチビイナバに運ばれていた
あっちも寝落ちしたようだ
永琳と小さく笑いながら二人を運ぶ
面倒だったので一つの布団に二人とも寝かせて放置してきたが
「永琳は寝たりしなくて大丈夫か?」
二人で餅をつまみながら永琳に尋ねる
「ああ・・・私はちょっと寝落ちしちゃってたから・・・」
「そうか・・・」
影陽はなんとなく自分のせいかな?と思った
彼女のことだから私の様子をずっと見ていたのだろう
あの結界の準備をしながら
今更ながら申し訳なく思ってくる
「申し訳ないなんて思っているんでしょう?影陽?」
こっちの心はすっかり読まれているらしい
苦笑するしかない
「あなたが帰って来たのなら私はそれだけでいいわ。」
そう言ってお茶をすする
少し顔が赤い気がするが気にしないでおこう
二人の時間は静かに流れていった
魔理沙がアリスとともに永遠亭に来るまで