「終わらせる?それはこっちの台詞よ?そっちが偽物の月をどうにかして欲しいわね」
「あれは月が沈むまでは消すことも出来ないわ。それにあの結界がいつまで持つか分からないわ」
「それが分からないわ。いったいなのためにこんなことをしたのか」
紫は黙ったままだ
「まあ、誰にも言わないというのであれば説明するわ。でも、こっちの要求は呑んで貰うわ」
「それは理由とここの管理者次第よ。それでいいわよね?紫」
「ええ、今のところはね」
話を聞いてからそこら辺は考えるようだ
まだ、どう転ぶかは分からないが紫もまだ判断できないようだ
どうも二人には妙な確執があるようだがそれは当事者にしか分からないことだ
そして彼女から詳しい話が話された
話されたものは何とも言えないものだった
そもそも月に人が住んでいるなんて信じられないことだった
そして彼女
永琳と輝夜はそこから逃げてきた罪人だとか
特に永琳は重役の地位にいて輝夜の逃亡を助けるため一緒に逃げたらしい
追手が追いかけてくることが分かったため今回月の通路をふさぐためこのようなことになった
ということだ
だが、本当はそんなことは必要ないのだ
なぜなら博麗大結界によって隔てられているからだ
そんなことをさずとも月の使者はここへ来ることはできないのだ
まあ、数千年ここにこもって、いれば分からない話でもない
博麗大結界のことを話すと永琳達はどこか気が抜けたような雰囲気があった
「そう・・・良かったわ・・・」
永琳はそう呟いた
「安全が確保されているのなら私たちは特に何もないわ。ここに住んでかまわないというのであれば私たちはそれなりの対価は出しましょう」
まあ、隠れ住んでいてようやく自由に動けるようになったそうだから
だが、それを決めるのは
紫の役目なのだ
確実に一勢力分の戦力はあるひょっとすると紅魔館よりも強いかもしれない
戦ってもいないから分からないが
「そうね・・・元月の民とはいえ・・・逃げてきたようだし・・・許可しますが・・・人里に対して医療などの対策をお願いしましょうか。」
落としどころはそこらしい
だが、いつもの紫の感じとはどこか違うのだ
まだ何かするつもりなのだろうか?
「では、決まりね。そちらの能力は解いてもらえるかしら?こちらの結界は朝日とともに消えることは約束しましょう。」
「もう、解いていますわよ?月の賢者。後はゆっくりといつも通り時が進むだけです。」
「そう・・・でもこちらは待つことは出来ないわ。輝夜、お願いできるかしら?」
「いいわよ?」
今まで一歩下がって話を聞いていた輝夜が動き出す
なにか能力を使うつもりなのか
身構えた瞬間
月がものすごい速さで沈み始め東の空が明るくなり始める
咲夜の能力によく似ている
だが、彼女の能力とは次元が違う
彼女はあくまで自分の時間を操っている
だが輝夜は周りの時間を操っている
周りのみんなも驚いているようだ
そして永い夜が明けた
「ふう、さすがに疲れたわ。永琳寝てきていいかしら?」
なんとも言えない
ものすごいことをしたはずなのに
そう思えないのはなぜだろうか?
その時屋敷の奥から誰かが出てきた
そこにいた全員が入り口を見て驚いた
屋敷の住民も驚いたのが不思議だったが私たちはもっと驚いた
なぜならそこに
八雲光淵がいたから