東方魂探録   作:アイレス

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投稿ですよーっと


後書きにある報告があるので


第47話

とても静かな朝だった

いや、朝というには少し遅い時間だ

普通なら起きている時間帯

それに誰かが必ず起こしに来ているだろう時間だった

 

だが誰も起こしには来ず

自然と目が覚めるまで寝続けていた

ふと何かがおこる予感のような物だろうか?

誰もがそれを感じているから起こしに来なかったのか

それは分からない

だが

 

このぬくもりが永遠に続くのもいい

そう思っている自分がいる

 

光淵はそっと手を

傍らに眠る彼女に

永琳の頬に当てる

なぜそうしようとしたのか自分にも分からない

相手の体温が分かるぐらい体は密着しているのに

本当に分からない

 

ピクリと永琳が体を動かしうっすら目を開け顔がこちらを向いた

 

「おはよう、永琳」

 

そう声をかけると永琳はすがりつくように抱きつき

顔を光淵の胸元にすりつけた

こんなことをするような彼女では無いはずだ

 

「どうしたんだ?永琳?」

 

軽く抱き返しそのまま戸惑いながら尋ねる

だが何も言わない

ただ抱きつき黙っているだけだ

そんな状態でしばらくそのままだった

 

「ごめんなさい、影陽」

 

「なんで謝る?何もしてないだろう?」

 

「・・・・イヤな予感・・・というのかしら・・・?なぜだかもうあなたとこんなことが出来ない気がして・・・」

 

なにも返す言葉が出てこない

そんなことが起きそうな予感のような物が彼にもあった

二人はただ無言で抱き合っていた

 

 

 

 

そんな二人の様子を襖の間からコッソリ覗く者が4人

起こしに来た妹紅と輝夜、てゐ、鈴仙だ

部屋の前に来たのはいいが

少し覗いてみると入りがたい雰囲気を醸し出す二人

これ以上見るとなんとなく身の危険を感じ襖からは離れたがそこで何もできずにいた

輝夜が鈴仙を連れて行く

どこへ行くのかなんとなく残された二人は分かっていた

そして自分たちが任されたこと

一回ぐらい、いやてゐの分も含めたら2回はリザレクションするかもしれない

だが、場所を何をするのかを知っているのは永琳と光淵、そして輝夜ぐらいだから仕方ない

妹紅はそう思った

ついでにてゐも食事の準備のため下がらせた

さすがに今いたずらを行うことはしないようだ

里ではなんだか、兎師いやウサ欺師なんて言われているが

今の状態でそんなことしたら

えらい目に遭うだろうことは明白である

てゐも大人しく指示に従う

 

残った妹紅は一人

廊下で正座し二人が出てくるのを待った

 

 

 

数分で二人は出てきた

普通なら着ないような着物姿だ

そもそも永琳起きている服は光淵のものだろう

髪を下ろしている永琳を見るのは妹紅も初めてのような気がした

 

「妹紅?そこでいったい何を?」

 

永琳が不思議そうに尋ねてくる

妹紅も不思議な顔をするがすぐに態度を改め頭を下げる

 

「八雲様、八意様、婚姻おめでとうございます。代表してお祝いの言葉を申し上げさせて戴きます。」

 

あまりのことに二人は戸惑うしかない

朝起きたらこんなことを突然言われたのだから仕方ないだろう

 

「餅の準備も出来てますのでどうぞこちらへ」

 

・・・・二人はある結論にいたった

 

そういえば平安の時代だと貴族はそんな感じの結婚だったなぁ・・・と

 

そして二人とも諦めた

もういいや

このまま進めてしまおうと

 

 

「妹紅そんな堅苦しい言葉は使わなくていい。いつもどおり話せ、気持ち悪い」

 

「そうね、普段通りでお願いするわ。」

 

二人の意見は一致した

 

「そうか?じゃあいつも通りにする」

 

妹紅はいつもの口調に戻る

 

「それで?なんでいきなりこんなことに?」

 

永琳が尋ねる

 

「二日前から準備してた。やっと二人がくっつくのかーとか思いながら。鈴仙は蚊帳の外だったけど」

 

察しがいいのか悪いのか

結婚まで行くつもりは無かったはずなのだが

まあ、黙っておくことにした

きまずくしてしまうのもあれ悪い気がする

それに輝夜がだいたいの指示を出していたらしい

そのことに永琳は感動していた

 

 

いつも通りの食卓だが

餅が山盛りになっていた

兎たちが調子に乗って作りすぎたらしい

まあ、おいしく戴こう

 

 

 

「永琳と・・・・影陽でいいのかしら?」

 

「輝夜!?なんでその名前を!?」

 

「ごめんなさい盗み聞きしていたわ。」

 

完全に気配を読むことをしていなかった

完全に全てを聞かれていたのだろうか

いろいろと聞かれたくないこともあったのだが

特に夜中

永琳も顔を真っ赤にしてうつむいている

 

「後でおしかりはちゃんと受けるわ。でも先にこっちよ。新婚の二人には悪いけれど・・・」

 

そう言って輝夜が紙を出す

 

永琳が紙を受け取りそこに書かれている文字を読み進める

そして顔色が悪くなる

 

「はあ・・・通り道を塞ぐわ・・・」

 

「一応必要そうな物は準備しているわ」

 

「ありがとう。足りない物はこっちで準備するわ」

 

話はどんどん進んでいく

いつもなら私も加わる所だが今の私は何も出来ない

だが、永琳ならなんとかするだろう

 

目の前が霞んでくる

ちゃんと座っているはずなのに世界が回る

顔面に衝撃が走るのと皿が激しくぶつかり合う音を最後に

私の意識は途絶えた

 




自衛官候補生に合格しました

来年の4月に入隊?になります

さて、それまでに何所まで進めることが出来るのやら

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