東方魂探録   作:アイレス

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疲れた
マジで疲れた
こんなに書くのは久しぶりだ
今までの倍近い長さになっています



第40話

いったいどういうことだ?

時代が進んでいない

いや時は流れてはいる

しかし、時代が明治前後で停滞している

よくよく考えれば妹紅の炭、もこ炭(商品名)が売れている時点で気づくべきだったろう

()()()()の空間、重力、時間を統べる者として時間が時代が進んでいることは確実だ

ならばここはいったい何であろうか

まるで世界から切り離されつなぎ合わされたような感覚もある

いったい誰が作ったのだろうか?

それを考えながら萃香がいるであろう場所を目指す。

 

 

 

「あー!疲れた!全くなんなのよ鬼って!」

 

赤い巫女服?のような物を着た脇を出した少女が寝っ転がり文句をたれる

その相手をしていた萃香はケタケタ笑いながら瓢簞をあおる

 

「地上から、この幻想郷から去った存在とは言え最強と言われた存在だからね!そうそう負けはしないのさ!」

 

その話し方に少しいらっとした赤い少女だったが別の者に話しかけられる

 

「よ!お疲れ!霊夢!」

 

「お疲れ様、霊夢。さすがね」

 

一人は金髪で魔女のような感じの少女

霊夢と呼ばれたた少女の友人の霧雨魔理沙

もう一人は怪しいと言うよりも胡散臭い雰囲気が漂う少女

前者と同じく金髪で紫色の瞳持ち紫の服を着ている

一人一種族の妖怪。スキマ妖怪の八雲紫

 

「うるさいわ、魔理沙、紫」

 

「あらあら、ご機嫌斜めね?一応勝ったのよ?そうでしょう?萃香?」

 

紫が少し笑いを含んだ口調で霊夢を励まし萃香に問いかける

 

「まあね?でも完全に負けた気では無いよ」

 

その答えに霊夢と呼ばれた寝っ転がっている少女の顔がゆがむ

彼女は博麗の巫女、博麗霊夢。この幻想郷で起きた異変を解決する役目を負う者だ

萃香の答えは自分に彼女より劣っている部分があると言うことだ

萃香が言葉を続ける

 

「私が何度も挑んで負け続けて勝てなかったのは一人だけさ。まあそこの紫とは戦ったことは無いがね」

 

「・・・そんな話、聞いたこと無いわよ・・・」

 

「言ってないからねぇ・・・懐かしい思い出さ!あいつ一時期妖怪の山を仕切っていたしな」

 

3人は余計に訳が分からなくなってきていた

そんな存在は妖怪の山でも聞いたことが無いからだ

 

「じゃあ、そいつを倒せば貴方より強いと言うことになるのかしら?」

 

話に入ってきたのはコウモリの羽を持つ幼女

以前紅霧異変を引き起こした紅魔館の主

吸血鬼レミリア・スカーレットだ

そばに時を操るメイド、十六夜咲夜もいる

 

後もう一組死者の魂が転生を待つ冥界の管理者西行寺幽々子と庭師兼従者の魂魄妖夢がいたのだが妖夢が酔いが回って倒れ帰ったためここにいない

 

「無理だね、吸血鬼。あいつはただの身体強化だけで鬼と同等いやそれ以上の力を出すんだ。私なんかに負けているようじゃ・・・無理だね」

 

レミリアが言い返そうとしたとき霊夢か萃香に話しかける

 

「あんたの異変の目的は仲間を集めることだったわよね?なんでその人を集めなかったのかしら?」

 

「場所を知らないからね。あいつは地底に来なかった彼には守るべき家族がいたからね。それに今も生きているかどうか・・・分からないからねぇ・・・」

 

「妖怪なんでしょ?来ているんじゃないの?」

 

「あいつ・・・一応人間なんだ。種族的に・・・そこの妖怪の賢者様と似た妖怪な気はしているけどね」

 

「それは生きては・・・」

 

紫が話そうとしたとき

そこにいた者は気がついた

今まで感じたことの無い感覚が神社への階段を上がってきている

妖気でも霊気でも神気でも魔力でも無い未知のものだ

その中で萃香だけが目を見開いて驚いていた

 

紫がすぐ霊夢と魔理沙を連れ結界を張る

レミリア達も一緒に来ていたパチュリーの張った結界の中に入る

かなり混ざり合いすぎて気持ちが悪くなるようなものだ

 

カツン、コツンと聞いたことのない足音がシンとした境内に響く

そして見えてきたのは黒いだが金のラインの入った軍服を着た青年だ

ここにいる誰よりも背が高い

顔は帽子で隠れてよく見えない

だが帽子についている紋章で紫が目を鋭くする

その紋章はあそこの物によく似ていたから

 

「まさか・・・ここにいるとは思わなかったけれど・・・来てくれてありがとう・・・八雲、光淵。」

 

「「「「「「八雲!?」」」」」」

 

その場にいた全員が紫に顔を向ける

しかし本人は顔を左右に勢いよく振るだけだいつものうさんくささが出ないほど

 

萃香と光淵と呼ばれた二人はそんなこと関係ないかように話を進める

 

「久しぶりだな。萃香、お前が集めていることを知って出てきてしまったよ。久しぶりの地上はどうだ?」

 

「誰もが鬼のことを忘れていて複雑だったが、光淵が来たからね嬉しいさ」

 

「そりゃあ良かった。・・・酒を持ってきてやった。飲むだろう?」

 

「さすが!分かってるじゃ無いか!」

 

光淵が空間を歪める

紫のスキマとは全く違う物だが

物はよく似ている

そこから出てきたのは酒樽だ

二人は周りのことなど考えずに酒を飲みながら話を進める

 

「かすかな能力で気づいてやって来てくれるとは思いもしなかったよ」

 

「最初は全く分からなかったさ今日気が付いてな・・・約束通り酒を持ってきたわけさ」

 

「ははっ・・・確かに地上を去るときそんな約束をしたね。」

 

「約束だからな」

 

「そうだね・・・そういえば・・・嫁さんと娘・・・はどうしているんだい?確か二人は・・・」

 

「言うな・・・あの二人のことは秘密だ面倒なことになる。そして嫁と娘では無いぞ」

 

「おやおやそうかい・・・まあ、光淵の頼みだ言わないことにしよう。(あの二人そんな関係だとか言っていた気がするんだけどな・・・まあいいか)」

 

「そういえば・・・光淵・・・誰かを探しているって言っていなかった?見つかったの?」

 

「いいや・・・でも誰を探しているのかは分かった・・・義妹だ」

 

「義妹?」

 

「ああ・・・かすかだが私が私になる前のことだ。ただの人間であったときの話だな」

 

「・・・今は何者か聞いていいかい?」

 

「ただの人間と言っても・・・それは私では無い。私はその人間の体を奪ったのだ」

 

「なに!?」

 

「意図的にでは無いが・・・う。その人間が母の腹にいるとき私はこの体に乗り移ったのだ。元の魂を阻害せずにな」

 

とんでもない話が話されていた

萃香もその周りにいる者も誰も何も言わない

ただ青年の言葉に耳を傾けていた

 

「ただ、私が強い者でなくこの体の持ち主が平和に人生を過ごしていたなら。私はここにはいないだろう。だがそうはいかなかった。私の力によってこの体は変質した。」

 

彼はそう言って帽子を取る。

短く切りそろえられた一つに留まらぬ変化し続ける髪の色

それが月明かりに照らし出される

萃香からは同じような瞳も見えていた

他の者からは後ろ姿もしくは横顔だけだったが

全員光淵の方を見いていて気づいていなかった

一人、八雲紫が顔を青くして震えていることに

 

「変質したのはこの髪。人の社会で彼はのけ者になった。そこにやって来たのが義妹だ。彼の心の支えだった。彼の実の親が死んでしまい施設に入っても一緒にいた。彼が世界に逃げ出すまではな」

 

「・・・どういうことだい?」

 

「親を亡くしてしばらくして彼は逃げたんだ忘れるために大切だった義妹を一人残してな・・・何度か戻ってはいたみたいだが・・・そして義妹が消えた。」

 

「・・・・?」

 

「何の痕跡も残さず義妹は消えたんだ。彼は大切な者をまた失った。だが彼は探し続けたしかし・・・彼は仕事柄恨みを買い殺されることになる。そして隠れていた私が出てくることになった・・・」

 

これだけでも壮大な物語だ

だが話は続く

 

「私が出てくることにより能力が発現し遙か昔に私は飛ばされた。数十億年も昔、まだ神が地上に住んでいた時代に。」

 

「すまん・・・光淵・・・頭が痛くなってきた。遙かに年上じゃ無いか!?お前!?」

 

「魂だけの年齢なら・・・この体になる前から生きているから・・・もっと上だな」

 

萃香は眉間を抑えている

あまりのことで頭の中が大混乱中だ

そして頭を上げたとき

それに気が付いた

萃香がとっさに光淵を押し倒す

 

光淵のいた部分を何かが横切り神社の柱に突き刺さる

そこには道路標識が突き刺さっていた

萃香が声を荒げる

 

「おい!紫!何しやがる!」

 

萃香が紫を見上げて固まった

そこには怒りの形相で起き上がった光淵を睨んでいた

その雰囲気に皆が飲まれ霊夢も紫の変貌に驚いていた

 

「・・え・・・・せ・・・」

 

「「??」」

 

「私の・・・優しい・・・大切な・・・義兄を・・・かえせ!」

 

そう言い放ち大量のスキマから弾幕・・・いや、武器だろうが何だろうが何でもお構いなしに打ち出される

全員が一斉に逃げ出す

 

「ちょっとぉ!?ゆかり!?何してんの!?」

 

霊夢が転がりながら紫に話しかけるが反応は無い

 

「無理だ!霊夢!完全に目が逝ってやがる」

 

萃香が現れ霊夢をつかんで投げる

霊夢のいた所に剣が刺さる

 

「マジであいつら兄妹かよ!?」

 

魔理沙が霊夢をキャッチし逃げる

レミリア達は咲夜の能力で時を止め逃げていた

その場所に霊夢と魔理沙、萃香が降り立つ

 

「ああひどい目に遭った・・・・」

 

魔理沙が口を開く

 

「全く・・・本当に兄妹とはね・・」

 

「血はつながってはいないみたいだけれどね」

 

レミリアも会話に参加する

 

「紫がああなるのも仕方ないだろう?考えてみろ、なんだかんだ言いながら兄は妹を気にかけていたんだ。そんな兄が別の奴に体をとられ、別人になっていたんだぞ?」

 

萃香が話す。

 

それを聞いてレミリアは理解した

もし、自分の妹の体が知らぬ間に別の誰かの者にされていたら・・・

少し理解できた

 

未だに激闘の音が聞こえてくる

かなり激しそうで時折

爆発音が混じる

 

「光淵は・・・探していたんだがな・・・名前も顔も知らないのに自分が消してしまった彼の代わりに彼のかすれた記憶を頼りに」

 

「あいつはいい奴なのか・・・」

 

「かなりお人好しだな・・・。そういえばあいつ・・・時々人が変わったように戦ったり優しくしてくることがあるんだ。」

 

霊夢が一人神社に向かい歩き出す

 

「お、おい!?霊夢!?どこ行く気だ!?死ぬ気か!?」

 

魔理沙が必死に止めに入る。

 

「うるさいわね。これはもはや異変よ。なら解決するのは私の役目。神社も心配だしね」

 

異変確かに異変だ

だが、この異変は人である霊夢の手に負えるだろうか?

相手は妖怪と訳の分からない人外

それも紫と対等に戦える神話時代から生きる者

普通は放置が正解のものだ

霊夢はどんどん進んでいく

仕方なく皆霊夢について行くことにした

 

 




とうとう・・・出会ってしまいました。
続き・・・仕上がるかな・・・・



受け入れてくれる人・・・どれくらいいるのかな・・・

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