東方魂探録   作:アイレス

37 / 113
第37話

「へぇ・・・ここが人里?あまり進んでないものね」

 

「そうかね?私からすれば進んでいるよ少しづつだけど」

 

輝夜は不思議に感じていたことそれは重要なことだった

月から届く情報に

地球の技術が月に迫りつつある

そう書いてあった

しかし

この人里はそんなに技術が進んでいるとは思えなかった

しかし今はそんなことを忘れた

せっかく人里に来れたのだ

少しぐらい楽しまなくては

妹紅の後をついて行く

多くの視線を集めながら

 

始めに言っておくと妹紅を困らせる気はあまりなかった

だが、いることで困らせることになった

なんせあの輝夜姫だ

美人だから視線が集まる

それに妹紅も正体不明の美人な炭売りだ

白と黒彼女らの対照的な髪もまた視線を集めている

 

「・・・やりずれぇなぁ・・・」

 

「売れてるからいいじゃない」

 

「確かにいつも以上に売れてるけれどな・・・視線が痛い」

 

「まあね?美人だし仕方ないんじゃ無い?」

 

「自分で美人とか言う奴は初めてだ」

 

「あら?妹紅もだけど?」

 

その言葉に妹紅は顔を反対側に向け俯く

顔が赤いことは気づいているが

そこには突っ込まない

こっそりにやにやしている方が面白い

クスクスと笑っていた瞬間だった

そこら一帯の気温が急激に下がった

いや下がってはいない

下がったように感じただけだ

周りにいた人たちが慌てて近くの店に駆け込む

そして今まで二人を生暖かい目で見ていた慧音が構えをとる

妹紅と輝夜は誰が来たのか

理解し固まった

 

里の竹林に近い出入り口

そこに立っていたのはボロボロで泥だらけの服を着た背の高い男と

同じくボロボロで男に支えられている兎耳をもつ女がいた

二人とも二人を

いや輝夜をものすごく睨んでいた

 

「か~ぐ~や~?」

 

「ぴっ!?」

 

「妹紅・・・取り押さえろ」

 

「あい・・・」

 

「ちょ!?妹紅!?」

 

「すまんな輝夜。親父殿の命令だからな」

 

そういって妹紅が輝夜を取り押さえる

 

「おい、妹紅こいつは誰だ!説明しろ」

 

慧音が妹紅に尋ねる

 

「あー・・・私の義理の親?で輝夜の保護者。輝夜が抜け出したから探しに来たんだろう」

 

「ああ、そういうことか」

 

「さて・・・輝夜見事に屋敷を抜け出したことは一応褒めよう。だがな・・・道にきれいに仕掛けた罠なかなかえげつないモノだったのはやめてほしかったな。帰ったら覚悟しろよ。鈴仙も怒ってるからな」

 

「ちょちょちょちょちょっと!?なんでそんなに怒ってんの!?」

 

「おい・・・・落とし穴の中に竹槍仕込んだり、縄でつり上げて竹槍を飛ばしてきたり誰が引っかかったと思ってる?」

 

「え?光淵じゃ無いの?」

 

「全部鈴仙が引っかかった。つり下げるのとか私も最悪だ」

 

「ああ!鈴仙の下をみ・・」

 

輝夜の顔を光淵の右手が覆う

すると輝夜の頭からミシミシと鳴ってはならないような音が鳴る

 

「あがががっががが。やめっやめていだいいだいいだい」

 

輝夜が悲鳴を上げる

 

「何か言うことは?」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!謝るから!放してぇ砕ける!頭が砕けるからぁ!?」

 

そこまで言ってから光淵は手を放す

 

「さっさと鈴仙に謝る!」

 

輝夜はうずくまり頭をさすりながら

 

「ちょっと・・・待って・・・」

 

しばらくさすったあと鈴仙の方を向いて頭を下げた

 

「すいませんでした」

 

「え、えっと・・・はい・・もういいです。はい」

 

本当に謝ってくるとは思わなかったらしい

 

「帰るぞ。妹紅すまんな巻き込んで」

 

許された

 

「ああ、あんまり迷惑はかけられてないから大丈夫だ」

 

光淵は慧音に向き直る

 

「輝夜が迷惑をかけました」

 

「いや、本当に何もしていないからな」

 

「そうそう、慧音殿」

 

「何かな?妹紅の義父殿」

 

「紅い霧は危険だから気をつけると良いでしょう」

 

「?何のことだ?」

 

「いえ、何でも。では失礼を」

 

輝夜と鈴仙、妹紅も一緒に竹林へ向かう

 

彼らはいったい何所に住んでいるんだろう?

そんな疑問が浮かんだが

すぐに記憶の端に飛んでいてしまった

湖の方から紅い霧が迫っていた

感覚があれは人にとって悪いものであると告げていた

慧音は里の全員に伝えるため走り出した。

 

その日、紅い霧が世界を覆った

 

その異変のことを人は「紅霧異変」と呼んだ




この世界の輝夜は甘やかされてはいません
ニートじゃないです
逆に動きすぎで周りが振り回される感じ
これからの被害者はもこたんかな

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。