まあ、いいけど
「騒がしいなぁ・・・」
「いつものことでしょ」
外では殴り合うような音が響いている
そちらに目を向けると着物のような服を着た2人の少女が殴り合いをしていた
遠慮なしの全力だ
とても痛々しいが
2人ともなんだか楽しそうだ
以前は殺すまでやめなかったが今は殺すまで行かない
あれでもじゃれ合っているだけだ
もっとおとなしい時はゲームになるのだ
こんなに仲良くなるとは思いもしない出来事だ
恨みも時間が和らげていったようだ
なにより輝夜の事実を知ったことも大きいだろう
父親は残念だったが
輝夜にも断らなければならないだけの理由があったのだから
それでも始めは
大変だったが
もう一度言う大変だった
なぜかって?
白熱した2人が屋敷にまで被害をもたらしたからだ
おかげで修復する羽目になったのだ
外の人は入れられないのでコッソリ竹林の外へ出て木材を手に入れ運び込む
誰にも見つからずにしなければならないのが大変だったが
イヤなことなどを思い出しながら永琳と手を動かす
今日の夕食分だ
「輝夜と妹紅・・・最近飯の準備してないよな・・・」
「・・・そうねさせないといけないわね。お嬢様だけど覚えといた方がいろいろ良さそうだし」
「てゐは仕方ないけどな」
「まずここに立てないからね」
ジャガイモ人参、タマネギ、肉は迷い込んでカグモコの巻き添えを食らったイノシシ
それと遠出したときに仕入れてきた香辛料
この時代にカレーなんてここでしか作ってない気がする
煮込んでいると背後から尋常では無い視線を感じる
永琳も感じたようで
同時に振り返ると
輝夜と妹紅、てゐが顔だけ出してのぞき込んでいた
「「・・・・・・」」
「「「・・・」」」
匂いがすごくいいからやってくると思ったが思ったよりも早かった
「準備しないやつには食わせん」
小さな声でつぶやく
3人とも大慌てで手伝いにやってくる
1人は匙などをもって行き
2人は私と永琳のやっていた仕事を交代する
あからさまな態度に苦笑するしか無い
永琳と炊事場を出て行く
大切な話があった
「永琳最近通信していないようだが・・・」
「ああ・・・一度探知されかけたみたいでね。それ以降あっちから大切なこと以外は通信なし。あったとしても会話じゃ無くて文字になったわ」
「相手もあきらめが無いなぁ・・・」
「その諦めの悪さは別のところで発揮してほしいわ・・・」
永琳がため息をつきながら答える
私はそれに苦笑で答えた
「えーりん!こーえん!できたよー」
輝夜の呼ぶ声が聞こえる
別に呼ばずとも近くにいるのだが
自分の記憶は取り戻したい
だが
ここにいるみんなをおいてはいけない
それは自分が一番知っていることだ
幸運の兎にも言われたが
今の私の願いは
この平穏が続くことだ
「光淵?早く行きましょう。輝夜に文句言われるわよ」
少しぼんやりしていたのだろうか
永琳に話しかけられた
「ああ、すまない」
そう返しついて行く
これから時々投稿できないことがあるかもしれません
試験があるので