東方魂探録   作:アイレス

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30話目か・・・・
今まで書いた小説で一番長く一定期間で投稿できたのは初めてかも

めちゃくちゃな設定でグダグダした小説をいつも読んでいただき感謝です
頑張って完結まで行けるよう頑張ろうと思います


第30話

ふわりふわり

その擬音が合うように静かに雪が降り積もる

竹林の冬とはこんなに静かなのだろうか

風はほとんど遮られ音はしない

時折強い風で揺れることがあるぐらいだ

光淵は屋敷の庭のある縁側で厚着を着てたたずんでいた

 

「あら?こんなところで何をしているの?あなた」

 

「雪を見ていただけだ。」

 

「そう・・・ご一緒させてもらおうかしら?」

 

「かまわないぞ」

 

そう答えると永琳は炊事場のある方へ向かった

しばらくして湯飲みを二つ盆にのせて持ってきて渡して隣に座った

暖かいお茶が冷えた体に心地よい

 

「ここに来て・・・」

 

「?」

 

「ここに来てどれくらいの月日が流れたかな?」

 

「数百年ってところかしらね?」

 

「そうか・・・昔、地球で過ごした時期よりも短いのに長く感じるのはなぜだろうな」

 

「・・・・」

 

そうここは時は流れても何も変わらぬ場所

永遠を生きるもの達の住処

永久不変の屋敷

星が

この世界が滅亡するまで

永遠に変わらぬ場所

変わらぬことほど

退屈で面白くない物は無い

最近は輝夜がちょっとそれでうるさかったりする

 

「ちょっと輝夜を連れ出してこよう。少しはおとなしくなるだろうしな」

 

「でも・・・」

 

「月は探すのを諦めたんだろう?」

 

永琳が目を見開き驚いた顔でこちらを見た

 

「月との交信は自分の部屋でやるべきだろう?あの時保管室に私も居たんだ兎がケガをしたんでな」

 

「あなたの気配遮断を忘れてたわ・・・そうもう諦めたそうよ一応は・・・」

 

「含みのある言い方だな・・・何人か諦めてない感じか」

 

「そう・・・面倒なことにね・・・」

 

確かに面倒だ

月にいるその協力者?

でも個人の部分まで踏み込めないだろう

つまりどうなっているか分からない

 

「確かに困るが・・・ちょっと連れだそう。あまり我慢させると後が大変な気がするからな。私がついて行く、何竹林の端の方まで行くだけだ大丈夫だろう」

 

「・・・そうね、お願いしようかしら」

 

「輝夜に準備するよう言ってくるよ」

 

ゆっくり立ち上がり、足を伸ばす

 

「何かあったら・・・私のせいだ。責任は負う」

 

そう言い残し輝夜の元へ行く

 

 

「そんなこと了承するわけ無いわよ。責任は半分ずつよ」

 

永琳の呟いた言葉はゆっくり雪景色の中に溶けて消えた

 

 

 

 

「うーん!やっぱり外はいいわね!」

 

永遠亭から少し出て輝夜は軽くのびをしながら話す

外の出るとしても庭ぐらいだったため

結構うれしいのだろう

走り回っている

 

「うう・・・寒いうさ・・・こたつに戻りたいうさ」

 

もう一人案内人として、てゐを連れてきていた

歩き慣れたとはいえ雪が降っていていつもと違う

やはり長年すんで慣れた者は必要だった

 

「夕食はお前の好きな物用意してやるから付き合ってくれ」

 

「分かってるうさ、おいていったら師匠がとんでもなく怒るうさ」

 

そう言いながら輝夜を追いかける

少しはしゃぎすぎだ

 

「おい!あまり先に行くな!何所にてゐの仕掛けた罠があるか分からないんだぞ!」

 

突然輝夜が立ち止まりこちらを振り返る

 

「どうした?」

 

すぐに追いつく

足下にはてゐの落とし穴があいていた

 

「な・・・中に・・・人が」

 

「「はあ!?」」

 

てゐと穴をのぞき込むと白髪で着物を着た輝夜位の女の子が雪に覆われながらぐったりしていた

すぐに穴の中に飛び込み抱きかかえ飛び出す

そしてすぐに脈と体温を確かめる

脈はかすかにある

体温はかなり低いが

 

「すぐに永遠亭に運ぶぞ!」

 

二人とも頷く

 

「先に戻って師匠に説明しておくうさ!」

 

そう言って走って行くてゐ

とりあえず空間から布団を出し

体に着いた雪を払いくるませる

 

「輝夜、背中に張り付いとけ、手を私に回して絶対に離すなよ」

 

「分かったわ」

 

輝夜を背負い少女を抱き上げ足に力を入れ走り出す

瞬間周囲の竹が激しく揺れ雪が舞い落ちる

後には足跡しか残されていない

 

 

 

3人が散歩に出かけて屋敷には私と兎しかいない

静かな永遠亭で薬の研究をする

それがここのところの私のすること

好奇心は尽きない

なんて言う人がいる

しかし長く生きているとそういうことはあまり感じなくなる

この研究ももはや暇つぶし程度だ

楽しさのかけらも無い

今の私は輝夜の従者だ

感覚的には家族のようだが

それは変わらない

私は楽だ

光淵がほとんど輝夜の相手をしてくれる

縁側での会話

それは私にも言えることだ

退屈だ

月からの脅威は低くなったとはいえまだ存在する

だがそれでも

退屈なのだ

 

「ししょー!何所ですかー!」

 

てゐの声が聞こえる

なにやら慌てているらしい

私は慌てて外へ出た

 

「どうしたの!」

 

「あ!師匠!大変です!竹林の落とし穴に女の子がはまってまして・・・」

 

「はあ!?」

 

そんな声が出てしまう

そんなこと一度も無かったからだ

 

「もうすぐ主様が運んでくるかと・・・」

 

突風が吹き目を覆う

目を開けると輝夜を背負い女のを抱いた光淵がいた

 

「永琳治療を頼む。症状は低体温ってところか・・・」

 

「分かったわ治療室へ運んで」

 

やれやれ仕事か

まあ、久しぶりに完璧な仕事をしましょうか

 




とは言いつつも
試験あるからなぁ・・・
どうなることやら

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