東方魂探録   作:アイレス

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やばい
ストック尽きた
筆が進まん
輝夜ところのストーリーで詰まる・・・
しばらく投稿できないかも・・・・


第20話

私は旅をする

記憶を捜す旅を

北から南へ

西から東へ

なんてこともない

平穏な旅だ

時々妖怪がおそってくるが

あの時の妖怪や鬼と比べると

弱い

大妖怪クラスとはまだあったことなどないが

どれほどの物だろうか

ちょっと興味はある

鬼の気質でも混じってしまったのか

妙なことに興味を持ってしまったものだ

歩く歩く

目的地など無く

目的のために歩き続ける

 

答えも無く

助けも無く

ただ一つのヒントも無く

ただ一日を無為に過ごす

人を助けることがあっても

毎日あるわけでも無い

事故は毎日発生しても目の前で発生するわけでは無いように

 

 

「今日はこれまでかな」

 

襲ってきた妖怪を埋め呟く

あたりは夕焼けに染まりなかなかに幻想的な風景を醸し出す

 

「そろそろ奈良の都か・・・」

 

そろそろ遷都で京に移動すると聞いた

 

「あまり京に近づきすぎると萃香に見つかりそうだな・・・」

 

あまり用事が無い限りは近づかないでおくかな

あいつとやり合ったら都が全壊しかねんからな

そんなことで国を混乱させるのはあれだ

萃香の性格を思い出しながら苦笑する

本当にやりかねない

 

ふと、顔を上げると辺りは暗くなっている

山のあたりはまだ明るいがすっかり夜だ

虫の音も心地よい

 

ふと寺らしき影が目に入った

 

今日はあそこに泊めてもらうか

はてさて、良い住職だと良いのだが

 

 

「命蓮寺へようこそいらっしょいました歓迎いたします」

 

「どうも申し訳ない、都まで行くつもりであったが妖怪に襲われましてね。夜になってしまいました」

 

「どうぞ、どうぞごゆっくりしていってください。どのような方が来ても私たちは受け入れますから」

 

なかなかいい住職さんだが・・・

なんだか・・・違和感があるな

この寺自体何かありそうだ・・・

 

「・・・・」

 

「どうかなさいましたか?」

 

「聖殿と申しましたな・・・・ここには妖怪も住んでいらっしゃるのか?」

 

「・・・・なぜそう思われますか?」

 

雰囲気が警戒した物に変わる

住職から出るのは・・・魔力・・・?

 

「懐かしい感覚がしましてな」

 

そう答えながら出されていた水をすする

 

ここから感じる妖気は弱い妖怪そして

何かしらの仏神の力を持つ物

保護施設のようになっているのかもしれない

 

「なに、昔妖怪と暮らしていた時期がありましてね。そのときと似ていまして」

 

「・・・・・」

 

あまり信用されていないらしい

まあ、当たり前だいきなり泊まった相手がこんな話をして

信じる方がどうかしている

 

「光淵といいましたね。貴方を一応のところは信用しましょう。・・・・私の話を聞いてくださいますか?」

 

聞いてくれといっているが有無も言わさず聞かせる気だろう

いつでも飛びかかってくる雰囲気がある

なんか最近肉弾戦の得意な女性多くないか?

そんなことを思いつつ了承し頷いた。

 

 

『人も妖怪も神も仏も全て同じ』と言う絶対平等主義者

それが彼女、聖白蓮の考えらしい

彼女自身そんなことは始めは考えていなかったらしい

きっかけは弟、命蓮の死

死を恐れてしまった彼女は妖力、魔術のたぐいによって若返りと不老長寿の力を手に入れたそうだ

当初、自分の魔力を維持するため、妖怪を助けていたが、人間からの不当な迫害を受ける妖怪達を目にするうち、次第に本心から妖怪を守らねばならないと思うようになったらしい

だからこその絶対平等主義者

という訳か

彼女の人柄から普通の人もこの寺を訪れ慕われているようだ

しかし、

 

「あなたは、良く好かれているようだ。だが気をつけなさいあなたの考え自体は素晴らしいと思います。仏はどうだか私は知りませんが神という者は気まぐれで残酷だ、妖怪は人の畏れから生まれた者や自然から生まれた者。そこの境界ははっきりさせなさい。妖怪も人のようだが人では無いのです。お忘れ無きよう。人からすればあなたのやっていることは悪いことでしょう。あまり目立たぬことは避けたほうがいい。」

 

「間違っていると?」

 

「この世に間違いなど無い、間違いと言われるのは結果主観で見ているからだ客観で見ると間違いでは無いかもしれない。結果が失敗であっても別のやり方ではそこまでも到達しないかもしれない。なんにせよ、貴方の考えだ私が口を出すべきでは無いだろうが・・・少し心配でな」

 

「大丈夫でしょうきっと分かってくれます」

 

・・・考え自体は別にかまわんが・・・

時代が時代なんだよな・・・・

 

「あなたがそれでよろしいのならかまわないでしょう。話はこれまでです。」

 

「そうですか長々と失礼いたしました。どうぞこちらへ部屋へ案内します。」

 

聖のあとをついて行く

未だに周りの目線は消えることは無い

だが襲うことはしないようだ

私だって戦うのは面倒臭い

それに、いつかは共存しなければならない存在だ

むやみ仕掛けるのもアレだ

それに・・・・

イヤな予感がする

朝早く出るとしよう

はんとイヤなことがおきそうだ

 

 

 

朝霧の寺という物はまたこれは美しいと思う

夏にしては妙なものではあるのだが

どうも身に覚えのある妖力があふれている

周りに他の物は居ないことは知っている

皆、堂の方へ行ったのだろう

 

「萃香お前だろう?この霧は?」

 

「やっぱばれたか、さすがだね」

 

耳元で声が聞こえとなりで霧が集まり実体化する

 

「隠す気も無かっただろう?」

 

「いや?光淵だけに妖気を当てていたさじゃないとうるさそうだからね」

 

「お前にそんな配慮が出来るとは驚きだ。で?何のようだ?」

 

「ん?なんとなく」

 

あっけからんと言い放つ

そうだったこいつはそういう奴だ

特に気に入った奴に対しては

 

「私が居ない間に出て行っちまうんだからあってもかまわないだろ?」

 

「別にかまわんが人目に付きそうなところに出てこないでくれ」

 

「あははははは、今度はそうしよう。」

 

笑っているが確実に考えていることは戦うことだろう。

面倒臭いことこの上ない

 

「まあ、いいお前が来たら面倒なことになりそうだ。住職に話をしてくるから外で待っとけ」

 

「おう!」

 

そのまままた霧に紛れる

霧は晴れ日差しが差し込んだ。

 

「・・・聖殿は・・・・お堂だろうか」

 

これから起こることを考えると頭が痛いが・・・

自業自得のような気がする

 

 

縁側を音も立てず歩き、堂の前で一度立ち止まる

 

「聖殿。おられますか?」

 

「はい、いますよ。入ってきてください」

 

「失礼いたします」

 

戸を静かに開け立ち入る

聖は何か書き物をしていたらしい

ちらりと筆などが見えた

 

「申し分けない、邪魔をしたようで」

 

「いえ、私事です。おきになさらず。こんな朝早くに何かご用で?」

 

「ちょっとやっかいごとがやってきましてな、今すぐ立とうと思いましてご挨拶をと」

 

聖が首をかしげる

 

「やっかいごとがやってきた?貴方以外誰も来ていないはずですが・・・?」

 

「こちらの話です。お気になさらず・・・」

 

「はあ・・・」

 

「では、泊めていただきありがとうございます」

 

そう言って部屋から出る

朝食は食べていないが萃香に何か捕らせよう

そう考えながら

 

 

準備をし門のところへ行くと聖が待っていた

見送りに来てくれたらしい

グラデーションのある髪が朝日で美しく輝く

 

「お見送りまでしていただくとは、光栄ですね」

 

「これぐらいはしなければ失礼に当たりますよ」

 

なんとも礼儀正しい人だ

 

「貴方の願いが叶うといいですね」

 

そこに邪魔が入る

 

「なぁ~早く行こうよ光淵」

 

萃香が実体化する

頭痛が増した

 

「は!?お・・・鬼!?」

 

やはりこの反応だ

 

「萃香、待っとけとは言ったがもう一つ人目に出てくるなと・・・」

 

「だって遅いし・・・」

 

「ふてくされるな!」

 

これ以上の面倒ごとなんてごめんだ

萃香の角を掴み持ち上げる

まるで人外を見る目で聖が目を向けてくる

 

そんなこと気にしている暇も無い

適当に能力を使い空間を開き飛び込む

この能力の欠点と言えば

 

何所に出るのかそれがアトランダムというところか

取り出すのは簡単なのに

移動するとなるとランダム

とても面倒臭いがこの場合そんなこと言ってられない

 

 

 

「光淵・・・ここどこ?」

 

「知らんが・・・戦うにはちょうどいいだろ。」

 

「そうかもしれないけど・・・帰らないと行けないんでけど私・・・」

 

「苦労しやがれ・・・あと飯食ってないからな捕ってくるぞ」

 

「・・・怒ってる?」

 

「当たり前じゃぼけ!」

 

むしろ怒らない方がおかしいというものだ

萃香も仕方ないかという感じで付いてくる

ああ、面倒臭い

 

 

彼はいったい何者だったのだろう

残された聖は考えていた

特に最後鬼の角をつかんでなぞの空間に入っていった

その場面だけで突っ込み所がある

鬼をあんなに乱暴に軽々扱うこともそうだが

とても仲がいいように思える

空間もアレだが・・・

 

朝からなんとも驚きに満ちた一日の始まりだ

 

 

 

その日

聖白蓮は魔界へと追放、封印される

妖怪は地獄へと

 

光淵は知りもしない




萃香が引っかき回していったな・・・・


ストーリーのためにまた中学教科書引っ張り出して竹取物語を読む羽目になろうとは・・・

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