東方魂探録   作:アイレス

106 / 113
ちょっと、はまってしまった百人一首の話
百人一首というよりも和歌が好きなのかもしれない

本編には関係ありません
ちょっと思いついた話を書いただけです



番外小話
百人一首


正月の三が日が過ぎたころ

影陽は深い雪をかき分け香霖堂を訪れていた

 

理由は特にはないが、なんとなく来たくなったというしかない

いや、店主とは最近あってもいなかった

挨拶に行くとも考えればいいものか

 

やがて、こじんまりとした店が見えてくる

その近くで雪かきをしている男性が一人

 

「やあ、香霖、あけましておめでとう」

 

「おや、珍しいお客だ、あけましておめでとう、影陽」

 

「ここ最近顔を見ていなかったし、新年のあいさつもなかったしな散歩ついでだ」

 

「おやおや、見ていくかい?お茶ぐらいは出すよ」

 

「お邪魔しよう」

 

二人でモノの詰まった店に入っていく

 

 

 

 

「それにしても、モノが多いな・・・壊れているものもたくさんあるが」

 

「影陽にはいろいろ教えてもらったしね、なにかほしいものがあったらまけておくよ」

 

「そこはあげるよと言ってほしいものだね」

 

「それじゃ、商売あがったりだからね。まあ、魔理沙はいろいろツケだらけだが」

 

「おや、博麗の巫女はどうなんだ?」

 

「あそこはこの間一括で全額払いに来たよ、金塊で」

 

どう考えても自分が渡した物だろう

というより、いったいどれだけツケていたのか

 

「ほら、お茶が入ったよ」

 

「ありがとう」

 

暖かいお茶で冷えた手を温めつつ商品を見つめる

 

封印されたような危険なものはないようだ

そういった気配もない

少しホッとする

あとは・・・人里のあの貸本屋だろうか・・・

場合によっては・・・強硬手段も取らなけらばな・・・

そんなことを考えていると・・・

 

「ん?」

 

「どうかしたかい?」

 

「いや、少し懐かしいものがあってな」

 

「ん?ああ、百人一首かい?古典的ゲームみたいなものだが・・・何か思い入れでも?」

 

「いやな・・・一時期貴族をしていてな・・・和歌を読んだこともあったなと・・・もう忘れてしまったが」

 

「へえ・・・きみにそんな過去があるとはね」

 

「ふふ・・・妹紅なんかすごいぞ?貴族の中でも重鎮の娘だ」

 

「・・・聞かなかったことにしておくよ」

 

ははっと笑いつつ影陽は美しい入れ物に入った年期物の百人一首を手に取る

 

「これをもらえるかい?」

 

 

 

 

「で?買ってきたわけか」

 

「へえ・・・和歌をまとめた物なのね、だいぶ昔の物もあるようだけど」

 

「天皇の詠んだものとかもあるな・・・これは・・・藤原氏か」

 

「西行法師もあるわね」

 

紫がスキマから出てきながら話しかける

 

「紫いきなり出てくるな」

 

「あら?かまわないでしょう?それに私も少し懐かしいわ、必死にこれを頭に詰め込んだもの」

 

「「「????」」」

 

妹紅や輝夜、永琳に鈴仙は頭をかしげる

学校に行っていないのだから知らないだろう

 

「外の寺子屋みたいなところでは、これをテストで出したりするからな、覚えなきゃならないんだ」

 

「・・・なんだそれ」

 

「まあ、私にも意味があるのか知らんがな」

 

 

その後、なぜか好きな歌を選ぶ羽目になったが・・・

 

まあ、悪くない

永琳が赤くなったり、紫が悔し顔をしたりしていたが

なかなか楽しい時間だった

 

 

 

 




ちなみに彼が選んだものは

筑波嶺の みねより落つる みなの川 
         
         恋ぞつもりて ふちとなりぬる 
                         「陽成院」

あるかないかの思いでさえも 積もり積もって
             今はもう 君のことが愛おしい

大雑把に言ってしまうとこういう歌

ここの永琳にはダイレクトヒットしそう・・・まあ、狙ったのもありますが
私もこの歌が好きです
こういう恋もいいですね・・・

永琳や輝夜、紫、妹紅にはどんな歌が合うだろう?
よさげなものがあれば、教えていただきたいです

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。