今回はかなり短め
全くひどい話だ
つい昨日までは、ただただ暑い暑いと言いながら皆でかき氷でも食べながらだらけていただけだというのに・・・
何が悲しくて、幻想郷から追い出さなければならないのか・・・
まあ、仕方ないのかもしれないが・・・・
影陽は一人高台から見える、都会の様子を見ながら自販機で買った缶コーヒーを一口飲み顔を歪めた
「・・・・暑い・・・暑すぎるわ・・・」
霊夢は神社の縁側の部分に腰を下ろしながらそうつぶやく
実際夏なのだから暑いのは当たり前だ
だが、それ以上に霊夢がイライラしていた
それは・・・・
「いったい!いつになったら雨が降るのよ!」
そう、ここのところ雨が一度も降ったことがない、いや
雲が出たことすらない
日がさえぎられることは一度もなく、昼間中延々と日が差し込んでいた
きっと霊夢でなくとも、イライラするだろう
ぐったりとうなだれていると、珍しく
いや、ここ数週間で初めての風が吹いた
山から吹く強い風
何と言うのだっただっただろう?
誰かが言っていた気がする
・・・ああ、そうだ紫だった
珍しく物憂げな表情で懐かしむような声で説明してくれた
この風、晴嵐のことを
霊夢が顔を上げると、鳥居の下に永遠亭の背の高い兎・・・鈴仙が来ていた
「はあ!?影陽がいなくなったぁ!?」
鈴仙が相談に来たのは、影陽が行方不明と言うものだった
それもかれこれ、3週間は経っているとか
なかなかの異常事態ではある
だが・・・
「紫は何も言ってこないのでしょう?だったら何か用事ができてどこかに行ってるだけじゃ?」
霊夢の意見に鈴仙は首を横に振って否定する
「あの人は確かにふらりと出て行ってはふらりと帰ってくる。けれど必ずその日のうちには帰ってきてた。どこか泊りに行くときは八意様に一言いうか、妹紅、姫様のどちらかに話して行くのです。今回のように誰にも何も言わずに、いなくなることはありません。八意様がものすごく心配して仕事が滞るからでもありますが」
「・・・それ、主人の惚気?なに?心配して仕事に手がつかないって」
霊夢はあの真面目でしっかりとした永琳以外の姿が思い浮かばず眉間に手を当てた
「ま、まあ・・・そういうところもあるんです・・・」
鈴仙も若干苦笑気味に答える
「とにかく!何かの異変の前触れの可能性があるのでお願いします」
「分かったわ、いつでも動けるよう。準備はしておきましょう」
「お願いします。では、私は戻ります。戻って仕事をしないといけないので」
ペコリとお辞儀をして鈴仙は参道を戻り始める
「鈴仙!」
中ほどまで進んだ鈴仙に霊夢は声をかけた
「はい!?」
「あんたのところ!天気はどうなってる?」
「天気ですか?・・・・荒れたり、強風が吹いたりと何だこりゃというか・・・無茶苦茶ですね、一貫性がないというか」
「いつから!?」
「・・・え?・・・・確か・・・影陽様がいなくなった直後あたりでしょうか?数週間前ですかね?」
「そう・・・ありがとう。もういいわ」
鈴仙は首をかしげながら階段を下りていく
「・・・急ぐか・・・もう異変は始まっていたなんてね。全く・・・」
「使えない巫女ね」
仕事が本格的に始まる・・・・
次投稿できるのはいったいいつになることやら・・・