東方魂探録   作:アイレス

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第103話

「霊夢、魔理沙怪我はない?」

 

紫を先頭に神社の敷地へ入る

まあ、そこも建物以外見る影もなくボロボロになっているが(主に魔理沙のせいで)

 

「ええ、大丈夫よ」

 

「ああ、大丈夫だぜ!」

 

魔理沙と霊夢が返事をする

ケガは全くないようだ

 

「魔理沙はこっちにきな、お説教だ」

 

魅魔が魔理沙に笑顔を見せながら言う

 

「え!?」

 

「当たり前だ、周りを見ろ!」

 

キョロキョロと見渡す

 

「何かおかしいか?」

 

駄目だこいつ!

4人の意見が一致する

 

「魔理沙・・・あんた・・・大丈夫?周りがめちゃくちゃになってるのほぼあんたのせいなのだけど?」

 

「んあ?・・・・そうなの?」

 

・・・よし、教育のやり直しだ

若干、いや、かなり思考が悪い女神寄りになってきていやがる

 

霊夢も魔理沙にジト目を向ける

ここに魔理沙の全力の教育が決定した

 

「魔理沙、魅魔と先に帰りなさい」

 

「ええ・・・なん・・」

 

「帰りなさい」

 

紫が有無を言わさない口調で魔理沙に告げる

 

「ほら帰るぞ」

 

魅魔が強引に引っ張って帰って行った

 

 

 

「んで、そこの連中と山の連中か怪我してるのは?」

 

「そうです・・・お願いします・・・・」

 

答えたのは射命丸だ

それもかなりボロボロの

 

「・・・大丈夫か?おまえ」

 

「なんとか・・・でも・・・魔理沙さんの一撃・・・きつかったです・・・・」

 

そのまま、地面にべしゃりと倒れこむ

というより妖怪の山で今日警戒についていた者はほぼ全員が集結していた

重傷はいないが、魔理沙の神気に充てられてぐったりしていたり、吹っ飛ばされての打撲などが多かった

中には秋神の二人も含まれていたが

ちなみに椛は、霊夢と軽く戦って、即行避難したらしく無傷だった

そのためけが人の搬送作業を行っていた

 

それにしても最近は椛の危機察知能力がすごい気がする

 

 

 

「おい、そっちの神社関係者、怪我はどうだ?」

 

いまだに転がっていた3人に声をかける

 

それにしても特徴的な3人だ

緑髪の巫女に御柱を持った女性にカエルのような帽子の少女とは

 

「・・・ん・・・ああ」

 

「どうも、ありが・・・・」

 

御柱の女性とカエル帽子の少女が起き上がり・・・

影陽の顔を見るなり目を見開き驚いた表情になる

 

「おまえ・・・・」

 

「あの時の!?」

 

「あ?」

 

「影陽?知り合い?」

 

「いや・・・あまり覚えが・・・いや、ちょっと待て・・・」

 

この二人、どっかで見覚えが・・・・

 

「お前ら、戦争でもやってたか?」

 

「ああ!その時にお前が乱入してきたんだよ!」

 

「置き土産に時代錯誤なこんなものを置いていったしな!」

 

背のちびっこいカエル帽子の少女が何かを取り出す

それは・・・

シュールストレミングの缶だった

 

「・・・・そういえば・・・一つ缶がなくなっていたんだよな・・・そうかその時に」

 

「・・・影陽、なんてひどいことを」

 

「いや、私もほぼ意識ないからな?仕方ないだろう?永琳」

 

少し、奇妙な再会になってしまった

 

 

 

 

 

背の高い御柱を持つ女性は八坂神奈子、小さい方は守矢諏訪子というそうだ

 

「で?そこでまだ寝ている巫女はなんだ?なんか見覚えがあるが」

 

「ああ、うちの風祝、東風谷早苗だよ」

 

全員の治療が済み、影陽、永琳、神奈子、諏訪子は円を組み座っていた

 

霊夢も紫もこれからの事は、また今度ということだった

 

影陽は、少し話がしたいと思い残り、永琳は早苗の様子見と影陽と帰るために残っていた

あとは、純粋に何があったのか知りたかったからだが

 

それにしても・・・記憶をを失う直前とは

この二人もなかなかの場面に出くわしたものだ

 

永琳は影陽の話の内容を楽しく聞いていた

 

 

 

ねえ、神奈子、彼、いい人と巡り会えたみたいだね

 

そうだね、とてもいいひとみたいだ・・・・まあ、私からしてもかなり格上の神な気がしないでもないけど

 

それはそれ、これはこれ、まあ、彼がたぶん一番強いんだから、いいんじゃない?

そんな細かいことは

 

それもそうだな

 

二人に聞こえないよう、とても小さな声で会話する

 

 

「う・・・ん」

 

 

そんな時だ、彼女が目を覚ましたのは

 


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