東方魂探録   作:アイレス

102 / 113
第102話

ああ・・・もう始まっている

どれだけの速攻だったのだろう?

数時間もたっていないはずであるのに・・・

山の一部が吹き飛んでいたり・・・

白狼天狗がなぎ払われていたり

秋姉妹がそこら辺で倒れていたりと

もうめちゃくちゃだ

 

特に魔理沙の出した被害が顕著だ

まだ、完全に扱いきれていないようだ

まあ、仕方ないかもしれないが・・・

 

「影陽」

 

魅魔がすっ飛んでくる

 

「すまん、魔理沙を抑えきれなかった」

 

「仕方ないだろう。まあ、戦うたびに被害が少なくなっているようだから、まあ、良しとしよう。あとで被害分は働いてもらうがな」

 

「そうさせてもらうよ、私もね」

 

「弟子の責任は師匠も負うってか?」

 

「まあ、そんなところかね」

 

 

爆音とともにまた、大穴があく

 

「ありゃ直すの大変だな」

 

「・・・・・・」

 

魅魔は頭を抱えていた

 

「頭が痛いよ全く・・・魔理沙の奴・・・・」

 

そうも言いながらもどこか嬉しそうな顔をしていた

 

 

 

 

ちょうど山についた時、霊夢は緑色の髪の巫女と戦っていた

あの子が、霊夢に神社をつぶせといったやつか

何ともトンでも発言である

 

まあ、幻想郷の成り立ちを知らず

外の世界でもそれなりの力があった上での言葉なら分からなくもない

ただの馬鹿かもしれないが

 

そして、思い上がり過ぎだ

ここは幻想が濃縮された場所

外の世界であれだけの力があったとは、素晴らしい素質だ

だが、霊夢には遠く及ばない

 

そして・・・魔理沙に二人がかりで戦っている神二人

何処か見覚えがある二人だ

どこで見かけたかは覚えていないが

魔理沙は全く苦戦する様子もなく戦っている

今までの魔理沙なら持たなかっただろうが

今の魔理沙なら・・・・根本から力が違うのだ、とても簡単な作業だろう

魔理沙が力を受け継いで、ランクが下がっていたとしてもこの世界に残留している神なんかに負ける要素がない

しかし・・・・

 

「もう一度、修行のやり直しだな。霊夢と一緒に鍛えなおすか」

 

直下の惨状を見ながら影陽は呟く

 

「そうしてもらえると助かるわ、兄さん」

 

スキマから紫が出てくる

 

そして隣でスキマに腰掛ける

 

「久しぶりだな、紫」

 

「ええ、久しぶりね魅魔」

 

久しぶりに、会ったようだ。

どうも、魔界から帰ってきて会っていなかったようだ

 

たわいもない会話が続く

 

「影陽」

 

永琳が荷物を持って飛んできた

どうやら、治療道具を持ってきたようだ

 

「永琳、治療しにきたのか?」

 

「ええ、たぶんけが人が出てるでしょうし」

 

下の惨状を見ながら永琳は答える

 

ちょうど霊夢と魔理沙、二人とも同時にラストスペルを使用したところだった

 

まあ、規模は魔理沙の方が圧倒的だったが

 

「なにあれ・・・・」

 

「マスタースパークの比じゃないな」

 

「あれは・・・アンガルタ・キガルシュか・・・・あのバカ・・・最高火力使いやがって・・・」

 

「アンガルタ・キガルシュ?」

 

「日本語に訳すなら・・・山脈震撼す明星の薪、女神イシュタルのエビフ山の話があるだろう?あれだ。だいぶ威力は下がっているがな」

 

永琳も魅魔も紫も顔に手を当てる

 

そんなものをよりによって妖怪の山で使うとか・・・・

 

皆が皆呆れたような感じだ

 

 

「そろそろ行くかね」

 

「そうね、行きましょう」

 

「ええ」

 

4人は山の中腹にある神社に向かって降りて行った

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。