影陽が裏の仕事を片付け、永遠亭に戻った次の日の昼のこと
急な来客が影陽の元に現れた
影陽その日もいつものように縁側にいた
いつものようにとは言ったが、庭には白砂や岩が置かれ枯山水になっていたが
まあ、朝起きてすぐに影陽がしたことではあるが
「何のようだ、射命丸」
湯呑をわきに置きながら誰も居ない空間に話しかけると
「さすが、としか言いようがありませんね・・・・影陽様」
上空から目の前に一直線に目の前に射命丸が降り、地面すれすれで停止する
一度、新聞の件で締め上げてからしばらくは引きこもっていたようだが、もう大丈夫なようだ
と思いたいがよく手を見たらカタカタ震えていたからまだ、微妙なのだろう
「天魔様からのご相談です。影陽殿ならご存知かと思われますが・・・」
「昨日の結界の歪みに紛れて何か来たか」
「ええ、神社が妖怪の山の中腹に・・・それと巫女と神が二柱」
「で、土地の事か」
「まあ・・・そういう事です・・・はい・・・」
影陽はめんどくさそうな顔をしながら、ため息をつく
「どうせ、老害どもが五月蠅いんだろう?天魔は、白狼天狗や烏天狗など人数が減少傾向にあるから、その分土地を狭めることができる、その好機と考えていると」
「はい、その通りです。しかし、老害共がまあ・・・・」
「で、私か。私からも口添えがほしいと」
「はい・・・それに、土地の交渉が滞っているせいで相手と少し・・・特に巫女と・・・」
「・・・・・」
珍しく、影陽が会話の途中で黙る
「どうかなさいましたか?」
「射命丸、今すぐ山に戻れ、色々と面倒事が始まるぞ。しばらくしたら私も山に行ってやる」
「え?あ!はい!」
即行で射命丸は飛び立っていった
「はあ・・・・で?妖怪の山の巫女が博麗の巫女に喧嘩を売ったと?実力の差も知らずに?」
影陽が何もないはずの場所に声をかける
「まあ・・・そういう事になるわね、霊夢、ものすごい形相で飛び出していったわ」
そう言いながら、紫がスキマからゆっくり歩き出てきた
「魔理沙は?」
「ついていったわよ、何を当たり前なことを」
ああ・・・ダメだこれは
100%大事になる
今の時期、妖怪の山には豊穣の神でもある秋姉妹がいる
やって来たのがなんの神かは知らないが、絶対に魔理沙に反応する
霊夢なんか相手にしない程度に
「魔理沙は無茶をしないと思うか?」
「しないわね、最近誰の性格かは知らないけれどしつこい相手にはめんどくさそうな態度が増えている気がするけれど」
なら大丈夫だろうか?
そう思うと
「ああ、あとは最初から大技を使うように・・・・」
影陽は最後まで聞かず即座に妖怪の山に跳んだ