東方魂探録   作:アイレス

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お久しぶりです


携帯で書いて投稿しようと思っていましたが全く時間がありませんでした

考えが甘かったです

まあ、仕方ないですね

今の生活に慣れなければ


第100話

季節は巡る

 

霊夢たちが、月へ行った寒い冬が過ぎ、春が来て

暑い夏が過ぎ去り、実りの秋がやってくる

 

だが、

どんな季節が来ようとも、永遠亭の動きは変わらない

そこだけが

まるで別の次元のような雰囲気で

静かに時間が流れ続ける

 

もちろん、そこに住む者たちも

姿形も変わることもなく、暮らしている

 

 

いや、少しずつ暮らしには変化は出てきているのかもしれない

 

 

 

「おはよう、輝夜」

 

襖を開けて妹紅が部屋に入ってくる

そして、そこで配膳をしていた、輝夜が首をかしげながら尋ねる

 

「あら?今日は遅い日じゃなかったのかしら?妹紅?」

 

「昨日も遅かったんだが、何か目が覚めてな」

 

「そうなの、珍しいこともあるものね」

 

「あ、おはようございます、妹紅さん」

 

残りの料理を持って、鈴仙とてゐが部屋に入ってくる

 

そして、4人ともそのまま席に着き食べ始める

 

「お師匠は?」

 

てゐがおかずをほおばりながらここにいない永琳について尋ねる

 

「まだ寝てる、と言うよりさっきまで起きていたみたいだ」

 

「また?いくら死なないとはいえ、むちゃくちゃだなぁ・・・・」

 

妹紅がそれに答え、てゐが呆れ声をもらす

 

「影陽は?」

 

輝夜がもう一人のことを尋ねる

 

「永琳に付き合って一緒に研究していたみたいだ、寝ていたよ」

 

「一緒に、でしょ?」

 

妹紅の言葉に、輝夜が付け足す

 

「本当、仲のいい夫婦よあの二人は」

 

「私には、本当に師匠が八意様なのか分からなくなりますけどね・・・」

 

鈴仙が耳をしわくちゃに垂らしながら呟く

 

「たぶん、今までの永琳の方が異常だったのかもしれないわ、影陽と再会したときから、永琳に分かりやすい表情が多くなったもの、それだけ、影陽のことを思っていたのかもしれないわ、それに・・・」

 

鈴仙の呟きに、輝夜が返す

 

「私が知る限り、十数億年の別れを経ての再会よ?」

 

 

「・・・・すいません」

 

「いいわよ、別に」

 

味噌汁をすすりながら、返す

それから先は、特に何もない会話が続いていた

 

結局、永琳と影陽が起きてきたのは、昼過ぎのことだった

 

最近は診療所としての仕事は輝夜と鈴仙が行い、場合によっては妹紅とてゐが手伝うような感じだ

てゐは竹林の偵察、妹紅は竹炭や薬を売りに人里へ行くことがほとんどだ

永琳が出てくるのは、本当にどうしようもないぐらいの患者が来たときだ

 

影陽は、ほとんど行動が分からない

縁側で化け猫を膝に乗せゆっくりしていると思ったら、数分後には、永琳と怪しい研究をしていたり

紫とともに何処かへ行ったり、フラリと数日姿を消すこともある

フラッといなくなった後紫と永琳のコンビに追いかけ回されているが

 

 

部屋から出てきた永琳はどこかつやつやしていて、影陽はいつも通りだった・・・・らしい

 

 

 

 

 

「なんでだよ!?なんで俺が殺されなきゃならないんだ!?」

 

深い森の中、大柄の妖怪が腕を切り飛ばされ、血まみれになりながら叫んでいた

 

「お前は、幻想郷のルールを犯したそれだけだ」

 

鈍色に輝く刀を持った、黒い影のような人物が、その妖怪に静かに語りかける

 

「妖怪は人間を襲い!驚かし!食う!そして恐れられる!それが俺たち妖怪だろうが!」

 

「ここは、義妹の創り出した、妖怪が暮らすことの出来る、いや、幻想のモノが生き残れる最後の場所だ」

 

静かに、その男が語り出す

 

「ここが消えれば、幻想はただ消えるのみ、だからこそのルール、それを守れないヤツに生きる資格など、ない」

 

最後の言葉とともに、その妖怪は空間に押しつぶされ血しぶきが上がる

その様子を見ていた下位妖怪達は一斉に逃げ出した

 

 

「あとは・・・結界の外に占めだした、催眠、洗脳系能力持ちの人間どもに寄生生物共かか、面倒臭い・・・・あの空間ごと消し飛ばすか」

 

「あ・・・あの・・?影陽さん?」

 

「ん?」

 

声に振り返るとそこに大妖精がいた

 

「やっぱり影陽さんですね、どうしたのですか?こんなところで?」

 

「大妖精か、なに、ちょっとした仕事だよ」

 

「仕事・・・ですか・・・」

 

オドオドと飛び散った血の跡をみながら、答える

 

「まあ、気にするな」

 

パンと影陽が手をたたく

どこかで、悲鳴とともに何かが潰れたような音が聞こえた気がした

 

「む・・・」

 

「どうしました?」

 

「・・・まあ、いいか。何でも無い、さて、家まで送ろう」

 

 

大妖精を肩に乗せ、歩き出す

これから起こるであろう、面倒ごとに頭を悩ませながら


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