鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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第8話になりました。

前回よりはじまった艦娘個別編
今回も夕張と白露型3人のお話しです。

タグに「ツーリング」「グルメ」「観光」を追加しました。


で、本日予定していたツーリング
予想外の大雨で中止となってしまいました orz
まぁ天候はどうしようもないから仕方がないですね。



それでは、つづきをお楽しみください。



8:旗艦夕張、出撃します!その2

由良神社を後にし、次は宮津経由で天橋立に向かう一行。

右手には日本海を見渡せるステキな道にでて、夕張は少し心躍っていた。

 

 

「ふだん見慣れた海も視点が変われば、見た感想も変わってくるわね」

 

 

多少クネクネした国道をスイスイクリアしてゆく。

すると対向車線にバイクの一団が現れた。

 

 

『旗艦夕張より伝達、対向バイクに挨拶よ、思い切りブチかまして』

 

『『了解』』

 

 

夕張を筆頭に、全員バイバイと元気よく手を振る。

対する一団も元気に手を振り返してきた。

 

(注:電ちゃん「これはツーリングでよくある事なのです!」)

(注:響ちゃん「そうだね、お互いの安全を祈る挨拶だね」)

(注:暁ちゃん「返事がなくても泣いちゃダメよ?レディ失格なんだから」)

 

 

 

こうなると気分も一気に高揚します!てなもんです。

意気揚々とトンネルを抜けると、天橋立が見えてきた。

 

一行はお土産屋さんの連なる通りを抜け、回転橋にさしかかる。

この橋は船舶が通る際、90度回転するという珍しい橋だ。

 

 

『ココからは徐行運転ね』

 

『『了解』』

 

 

夕張が指示を出す。

天橋立は徒歩、自転車で通り抜けるのが普通であるが

夏の海水浴シーズンなどを除けば、125㏄未満のバイクも通り抜け可能なのだ。

 

(注:雷ちゃん「筆者もよく通り抜けてるわ、一度砂にタイヤとられて転んでるけどねw」)

 

 

 

 

 

 

 

橋を渡りきると左手に茶屋が見えてきた。

 

 

『旗艦より伝達、ちょっとここで小休止するわよ』

 

『『了解』』

 

 

 

 

 

「ちょっと手がつめたいっぽい~」

 

 

夕立は手を摩りながら言う、じっさい少し寒そうだ。

 

 

「それじゃ、ここでお汁粉でも頂きましょうか」

 

 

夕張がそう言うと、白露型姉妹3人は目を輝かせた。

 

 

「お汁粉いいわねぇ」

 

「うん、ボクも食べてみたいかな」

 

「ぽいぽい~♪」

 

「はい、じゃあそこの長椅子に座ってて、注文してくるわね」

 

 

 

流石に旗艦歴が長いだけあって、こういった行動力を見せる夕張は流石である。

ここには他にも観光客の人たちがたくさん休憩しており、白露型姉妹を見て目を見張る。

そりゃあそうだ、夕張もそうだが、こんな美少女めったにお目にかかれない。

ひとりの老婆が話しかける。

 

 

「お嬢ちゃんたち、どこから来たんだい?」

 

「舞鶴からです、ボク達ツーリングの最中なんだ」

 

「そうかい、若いのに立派だねぇ、気を付けていくんだよ?」

 

「ありがとう、おばあさんもお気をつけて」

 

「あいよ、ありがとねお嬢ちゃん」

 

 

時雨が対応して別れを告げる。

ふだん大人しいけど、しっかりしたモノだ。

 

 

 

そこへお盆にお汁粉X4をのせた夕張が返ってきた。

 

 遠征 成功 

 

「はーい、みんなお待たせ」

 

「「やったー」」

 

「「いっただきまーす」」

 

 

春先とはいえ、バイクで風を切ってはしると想像以上に寒いもの。

あたたかいお汁粉は体に染み入ることだろう。

やはり4人とも若いだけあって、甘いものには目がない。

ハフハフいいながら食べている。

 

 

 

行儀よく食べてる時雨が皆に言った。

 

 

「赤城に相談して正解だったね?」

 

「そうね、赤城さんのグルメ情報は間違いなしね」モグモグ

 

 

答える夕張、ちょっと口をモゴモゴさせている姿は端から見て可愛い。

なにを隠そう、赤城はツーリングで行った先の情報(主にグルメ)を詳細にメモしているのだ。

 

 

 

「やっと落ち着いてきたっぽい~」

 

「ほんとね、あったまるわ~」

 

 

夕立と村雨も満足げだ。

ところでこの二人、実は双子で性格は違えど、見た目は結構似ている。

夕立は子供っぽいけど、いざ抜錨すると、軽巡旗艦もびっくりするような働きをする。

村雨は戦闘面ではごく普通だが、遠征任務ではピカ一の実力を持つ。

 

 

 

「さあ、そろそろ出かけましょうか?」

 

「「はい」」

 

 

 

みんなバイクに跨り、夕張を先頭にトコトコ走り出す。

長く続く松林をぬけてゆきつつ、右手に見える砂浜と海の景色を堪能する。

最後尾の夕立の隣に、元気に走って追いかける男の子がいた。

 

 

「お姉ちゃん、そのバイクかっこいいね?」

 

「えへへ~そうでしょう?」

 

「ぼく大きくなったらお姉ちゃんみたいなバイク買うよ!」

 

「約束っぽい!」ヒダリコブシ

 

「うん、じゃあねー!」ミギコブシアワセル

 

 

そしてその場で立ち止まり、大きく手を振り見送る男の子。

普段お姉ちゃんなんて言われる事のない夕立はやや興奮気味だ。

 

 

 

『旗艦より伝達、松林を抜けたらすぐにお土産屋さんの前だからさらに徐行運転ね』

 

『『了解』』

 

 

 

夕張の言葉通り商店の間を抜け、国道を右折。

再度北を目指して走り出す。

 

パィィーン

 

ココからは交通量も少なく、気持ちよく走れるルートだ。

また右手に日本海を眺めるカッコでトコトコ進む。

この海からふきつける風はやはり冷たい。

こんな事なら夕立たちのバイクにグリップヒーターを

つけてあげるべきだった、と夕張は少し悔やんだ。

 

 

 

それから数十分、快走ルートをクリアし、岬に差し掛かる。

ココからは断崖絶壁を見下ろす形で、峠道を走る事となる。

普通なら多少は怖がるものだが、流石に数々の戦場を駆け巡った水雷戦隊

こんなものは夜戦にくらべたらへっちゃらだった。

 

スイスイとコーナーをクリアしてゆき、いよいよ今日のお楽しみの漁港が見えてきた。

道端にはのぼりがたくさんかかげてあり

 

 漁港めし 

 

とそれぞれに書かれていた。

 

 

 

「やっほー!ついたっぽーい!」

 

 

 

そこはほんとに漁港で、その一角が屋根付きの食事処となっていた。

となりの掘っ立て小屋に入り

 

 

「4名で予約した夕張です」

 

「あー、赤城さんのお友達ね、ようこそ。食事は2名分ってきいてたけどそれで良いの?」

 

「はい、私達そんなに食べれませんし…」

 

「残ったら包んであげるから、遠慮なくおあがりなさいな」

 

「あ、はい、わかりました、それじゃあ4人前お願いいたします」

 

「はい、ちょっと待っててね」

 

 

 

ここはバイク乗りの間でも有名な漁港の定食屋さん。

なんといっても売りは新鮮でおいしい魚料理とそのボリュームだ。

成人男性でも食べきるのはかなりしんどいくらい出てくる。

 

刺身、てんぷら、焼き魚などなど。

メニューはひとつしかなく、ボリュームのわりにお値段控えめでとても嬉しい限り。

数年前までは予約は必要なかったが、最近は事前予約が必要になっている。

 

 

「は~い、おまたせ」

 

 

おかみさんが持ってきたお盆には、鎮守府でよくみかける赤城盛そのもののボリュームの料理があった。

 

 

 

「すごいっぽい!」

 

「これはさすがに一人じゃムリね」

 

「ボクだってこれは無理かな」

 

「あはは…あとで感想聞かせてね?」

 

 

四人はわいわいと楽しく昼食の時間を過ごし、半分を食べ終える頃にはくるしげな表情になっていた。

 

 

 

 赤城はやはりすごい 

 

 

 

みんなの心がひとつになった瞬間だった。

 




はい、第8話終わりました。
夕張よりなんか白露型が目立った印象ですが
まぁなんていいますか、白露型最高!

あーいえ、夕張の活躍もまだまだありますのでこうご期待ですよ?



【キャラ紹介】その9:駆逐艦時雨(艦娘)書類上は19歳 1代目

 白露型の次女、おさげと簪風の髪飾りが特徴的。
 彼女は数少ない初代艦、初期の激戦を潜り抜けた古強者。
 ふだんは無口だが、主張すべきことはハッキリ言う。
 扶桑型姉妹と大の仲良し、山城に至っては本当の姉妹のように振舞っている。
 趣味はポエムと読書、編み物といった風にとても女の子らしい。
 山城といっしょにクロちゃんというネコを飼っている。

 愛機:KSR80 パールホワイト 時雨ホワイトカスタム



【キャラ紹介】その10:駆逐艦村雨(艦娘)書類上は18歳 2代目

 白露型の三女、若さに似合わずワガママボディ。
 初代村雨は大怪我をして廃艦処分(退役)彼女は2代目。
 明るく垢抜けた性格で、本人にその気はないが誘惑光線を常に放っているこまった子。
 だれとでも仲良く、こっそり運営してるブログは大人気。
 よく神戸などにバイクで出掛けてはショッピングを楽しんでいる。
 趣味はシューティングゲーム、弾除けの女神とか言う字名があるとか。

 愛機:KSR80 コーンイエロー 村雨イエローカスタム



【キャラ紹介】その11:駆逐艦夕立(艦娘)書類上は18歳 1代目

 白露型の四女、小動物的な可愛さが売り。語尾にぽいが付く。
 数少ない初代艦で武勲艦、重巡でさえかるくあしらうおっとろしい子。
 喜怒哀楽が激しいが、基本的に子供っぽいので子供たちに大人気
 ものおじしない性格で、気の向くままふらふら走り回ってる。
 猫のクロちゃんとは相性が悪いが、おやっさんのタロー(犬)とは大の仲良し。
 趣味は格闘技全般、八極拳も使えるとかという噂も?

 愛機:KSR80 赤黒 夕立デビルカスタム



本文とあとがき一部修正しました。

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