やっと稲刈りがひと段落してホッと一息からの休息期間が延々いままで続いていた
にいやん黒須賀部でございます(;^_^A
艦これ秋イベントのレイテ前編はE3で沼って終了してしまいました orz
次回の冬イベントは突破目指して頑張ります!!
それと、横須賀にある酒保鳳翔さんでの艦娘忘年会、とても楽しかったです。
お酒もソフトドリンクも豊富にあるお店です、一度足を運ばれてみては?
さて、本編ですが。
陸奥さん登場して物語がどう動くのでしょうか。
では第56話はじまります。
夕日に照らされた陸奥の表情は柔らかく、倒れた天龍を見てもさして驚いた風でもなく、助け起こして砂を払ってやっていた。
長門型戦艦娘その二番艦の陸奥。
頭には特徴的な角にもみえる信号桁を模したカチューシャ、茶色のボブカット、ロケットでも詰まってるのか?な胸部装甲。
余裕のある言動と夜のお店のお姉さんのような雰囲気から、長門の女房役といった位置づけがされている艦娘だ。
天龍と並んでみるとハッキリと判るが、陸奥の身長の高さとプロポーションの良さが際立ってくる、いや天龍も大概良いスタイルなんだけど。
腰の位置が「おまえほんまに日本人か!?」と言いたくなるレベル。有名モデル達も裸足で逃げ出すんじゃねーかアレは。
天龍の汚れを一通り払い終わり、その顔を覗き込みつつ陸奥が語りだした。
「ほら~おねむにはまだ早いわよ?シャキっとしなさいな」
「好きでヘバってんじゃねー!クソッ、武蔵のヤツ、加減無しでヤリやがって…次はこうはいかねぇ!」
武蔵にガンを飛ばしながら毒づく天龍。
当の武蔵はどこ吹く風といった感じで、不敵な笑みを浮かべている。
そして、金剛達は赤城やグラーフに介抱され、特に怪我も無いようであった、うん良かった。
「はいはい、歩ける?肩貸すわよ」
「…ありがとよ…///」
天龍は若干テレながら陸奥の肩を借り、浜辺の木製ベンチまで歩いてから座り込んでしまった。
手助けを終えた陸奥は、くるりとコチラに向き直り、ゆっくりと近づいてくる。
「………」
そんな陸奥に武蔵は油断することなく鋭い視線を送っている。
その武蔵の視線を涼し気に受け流しながら、陸奥は語り掛けてきた。
「あら?私は特にやり合う気はないから、そんなに怖い顔しないで?」
「ふむ…では聞かせろ、なぜこの度の襲撃となったかを」
「んー、そうね…どこから話したものかしら…。とりあえず場所を変えない?」
陸奥の言葉に若干悩んだ顔をする武蔵。
「ん…、姉上!どうしたもんかな?」
「良いんじゃないかしら、陸奥とは落ち着いてお話し出来るでしょうし、ね?」
大和の言葉にニコリと頷く陸奥。
「にいやんも良いわね?」
「良いも悪いも…これは従った方がよさそうやな」
「ふふ、素直なのは良い事ね、物分かりの良い男は嫌いじゃないわよ? それじゃあ付いてきてもらえるかしら、良い所に案内するわ」
そう言うセリフは危険だからヤメテ!むっちゃん!
ほら!大和が凄いジト目でみてるやん!!
で、陸奥に付いて行った先は、金沢のとある老舗旅館。
宿の佇まいからして、オレには決して縁のなさそうな敷居の高さ感、そして閑静さが更にその高級感に輪をかける。
え??ここであってるの???
オレはキョトンとしてると、陸奥は愛機を旅館の脇にある納屋っぽい場所にさっさと収めて玄関をくぐっていった。
皆もそれに倣って後に続く。
ちなみに天龍だけは陸奥の指示で舞鶴に戻っていったのだった。
散々ゴネてはいたが、龍田の名前を出すと渋々従っていたのには吹いた。
流石だむっちゃん、あの手の艦娘の扱いはお手のものだな!
旅館の女将と一言挨拶を交わして、奥にスタスタと進んでいく陸奥。
おぃおぃ、やけに手慣れてるな、常連さんなのか???
そして奥の方の部屋で「どうぞ」と一言。
そこは二部屋を障子で隔てた造りになっている大きな和室だった。
今は障子を外して、更に広々と使えるようになっていた。
部屋の中央には座布団&同じ数の小さいテーブルが並んで…?ん???これではまるで、某グルメ漫画の究極VS至高みたいやないかw
「さあ、みんな好きな所に座って。とりあえず軽く食事をしてからお風呂にしましょ♪」
「なぁ?むっちゃん?そろそろ本題に…」
「もー、慌てる男は嫌われるわよ? 深刻な話でもないし、リラックスして楽しくお話ししたいじゃない?」ウインク
「………///」
うん、まぁそう言うなら…て、痛い!メロン!なんでオレの足踏むねん!!
陸奥の言葉通り、軽く食事を済ませ、今は貸し切りとなっている温泉に浸かっている。
「ふぃ~、いい湯だねぇ♪」
いやはや、旅館の造りも大したものだが、この温泉もこじんまりとしてるとは言え、実に美しくかつくつろげる造りとなっていた。
今日は色々あったからな、疲れた体に温泉!実に有難い!!おじさん大満足ですよ!
しばし温まってから、身体を洗う事にしたオレは湯船からでて洗い場に移動する。
まずは頭をワシャワシャと…クッ、目にシャンプーが入っちまった…。
えーっとシャワーのコックはどこだっけ???
「はいはい、子供みたいに…ここですよ」
「あ、ありがとうございます?」
シャワーで頭を洗い流して視界が開けたその先には…バスタオルを身体に巻き付けた宇宙戦艦が!?
なに??貴女ここでなにやってんの!?
てか、徹甲弾パッド無くても凄いのね!どことは言わんけど!
「女将さんのご厚意で貸し切りになってますし…お背中流しましょうか?」
「は?ぇ?ぉ?」
「勝手は榛名が許しません!!」ババーン
「は?榛名??」
「あら~?見つかっちゃった、テヘ☆」
そこには宇宙戦艦と同じくバスタオルを巻いた榛名が、腕を組んで仁王立ちしていた…貴女そんなキャラでしたっけ?
てか何がテヘ☆だ、大和!お前大和撫子って設定どこいった!?
「うふふ、騒がしいですね、ここはこの赤城にお任せを…大丈夫、舞鶴で一度経験してますし///」
「うひゃあ、くすぐったい!て、赤城さんアンタまでなにやっとんねん!」
そこには宇宙戦艦と同じく(以下省略)
その後、夕張や武蔵、グラーフまで入ってきて大騒ぎになったところに女神むっちゃん登場。
みんなつまみ出されてオレの平穏は戻ってきた。
ありがとうボクらのむっちゃん!
はー、艦娘ってのはどこかネジぶっ飛んでるんかなぁ…。
オレは温泉から上がり、火照った身体を夜風にあたりながら冷ましがてらタバコタイムをとっていた。
そこへ旅館の浴衣姿なのだろうか、風呂上がりの陸奥がゆっくり近づきつつ話しかけてきた。
「相変わらず艦娘にはモテモテなのね?」
「はい?そんなことないやろw」
「提督以外にあんな光景見たことないわよ」
「ぇー、まじかいな…」
オレは至って普通の人間なんですが。
そういや青島提督をはじめ、艦娘の指揮を執る方々はやたらめったらモテてた印象がある。
正直羨ましかったが、そうか、オレも大差なくモテてるのか…実感無いけど。
よくよく思い返したら、大和や赤城、グラーフにろーちゃん、榛名、それぞれ好意を向けられてたな…実感無いけど。
「一本頂けるかしら?」
「あぁ、1ミリの軽い奴やけどええか?」
「ありがと」
陸奥に箱からヒョイとタバコを一本出し手渡す。
ライターを陸奥のくわえたタバコに近づけ火を点けようとした。
「あら?貴方ジッポ使ってなかったかしら?」
「何度か燃料入れ過ぎてな、漏れて火傷しまくったから百円ライターに替えたんや」
「右の太ももの傷跡はソレなのね」
「何気にしっかり観察してるよね!貴女!」
ついさっきの露天風呂の一件で、そこまで確認してたんか、なんつー観察眼や。
しかし、さっきから陸奥の様子が少しおかしいと感じる。
なんかこう、普段と違って少し歯切れが悪いような?
「…あのね、先に貴方にだけ伝えておかないといけない事があるの…」
「はぁ、なんなん?」
「艦娘って何だか知ってる?」
「ん? ん~、過去の艦艇の記憶というか魂?を持って生まれた女の子、かな」
「まぁ大体ソレで正解なんだけどね、もひとつ重要な事があるの」
そこで一旦会話を止め、タバコをふかす陸奥。
はいた煙が春先の冷たい風にのって散っていく。
「私達は…艦娘は…深海棲艦でもあるのよ?」
「あ、やっぱり?」
そうくるかもとおおよその見当はついてたんだ。
なんたってオレは戦時中、深海棲艦と接触したことがあったから…。
【キャラ紹介】長門型戦艦二番艦陸奥(艦娘)書類上は24歳 2代目
最初期から参戦、初の泊地奪回作戦の際、一時期行方不明に。
結果轟沈扱いとされるが、数か月後無傷で帰還を果たす。
ここに出てるのは、帰還後の陸奥で書類上は2代目。
物腰の柔らかい強くて優しいお姉さん、「火遊びはやめてね?」(陸奥談)
武人然とした長門に対しても妹というより姉のような感じ。
愛称は「むっちゃん」特に駆逐艦からの絶大な人気を誇る。
何やらトンデモない力を持っているようだが、奥の手なのか中々見せない。
趣味はショッピングとバイクでのグルメ旅行。各地の老舗旅館は顔パスとか?
愛機:XS650スペシャル陸奥特別仕様 茶黒
では次回もお楽しみに!