鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

52 / 57
皆さまおはこんばんちは!
やっと我が鎮守府に加賀さんが着任してくれました、にいやん黒須賀部でございます。
さすがに気分が高揚します!


さて本編ですが、主人公一行を追う天龍旗艦のエリート部隊。
大和達はどう迎え撃つのでしょうか。


それでは第52話はじまります。




52:アニヲタ聖地巡礼編 その10

今オレ達一行は東尋坊をあとにし、進路を東へ変更、航空母艦加賀の艦内神社、白山ひめ神社へと向かっていた。

しばらくは街中の混雑する国道を走っていたが、やがて眼前に広大な平野が見えてくると、田園風景ののどかな田舎道へとスイッチした。

都会では考えられないような、片側一車線だが大型トラックが余裕で走れるほど余裕のある道を山岳地帯へ向け走る。

その山岳地帯の上空には、よく目を凝らすとパラグライダーだろうか、色とりどりのソレが青い空に映えている。

少しわき道にそれる形で県道を進むと、広い駐車場の向こうに赤い鳥居が見えてきた、白山ひめ神社に到着だ。

 

 

ここは加賀を代表する神社といってもよいくらいの敷地面積をほこり、参拝客もそれなりに多く、頻繁に結婚式なども行われている。

オレ達は入って左側の鳥居からやや離れた位置に一列に整列させてバイクを停める。

合計10台のマスツーリングともなると人目を惹く上に、意外と停める場所を確保するのに苦労するものだが、さすが厳かな神社だ、マナーを守っていれば特に問題はない。

幸い今日は観光バスが数台と普通車が十数台の、やや閑散とした雰囲気であった。

 

 

オレ達はバイクから離れ、鳥居をくぐり境内にはいっていく。

神社自体はお伊勢さんや出雲大社に比較するとこじんまりとしているが、その造りは美しく、見るものの心を綺麗に洗い流してくれるような気持ちにさせる。

今回のツーリングの無事を祈願し、その場をあとにする。

 

 

さてと、とオレは足早に土産物店に向かう。

ここの加賀産梅酒は絶品であり、ツーリング仲間にふるまった際も大好評だった。

ぜひ艦娘の皆にも味わってもらいたく思い、3本購入、ついでに加賀のしずくも一本購入し自らのバイクの箱に大事に仕舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、艦娘の皆は安全祈願が終わると、駐車場に戻りこの夕方にでも襲撃してくるであろう刺客の情報をまとめていた。

 

 

「そんな…由良が私達を?」

 

 

大和から告げられた事実に茫然自失となる夕張。

それも仕方が無いだろう、かつて夕張と由良は周りの艦娘からみてもカップルかよ!と言われるほどの仲良しだった。

趣味に全力疾走の夕張と、それを叱りながらも事細かに世話を焼く由良は、親友と言うよりもはや夫婦なのでは?と噂されたりもした。

ただ由良が一時期行方知れずとなり、長門たちと共に奇跡の帰還を果たしてからは、若干疎遠となっていたが…。

 

 

さきほど赤城の索敵機から、天龍、由良、響、電の四人が刺客として接近しつつあり、との報があった。

このまま出発して逃げの一手に出れば、しばらく時間を稼げるだろうが、それでは真夜中に遭遇しかねない。

出来れば相手の得意な土俵上での遭遇は避けたいところであった。

 

 

 

「気持ちはわからないでもないわ、何も由良さんを騙して欲しいとかではないの…なんとか話だけでも出来る状況を作ってもらいたいの」

 

 

大和は夕張の肩に手を置き、やんわりと頼み込む。

しばし視線を外していた夕張だったが、やがて覚悟を決め大和の視線に答える。

 

 

「わかりました、どこまで出来るかわからないですけれど、由良とお話ししてみます」

 

「ありがとう、でも無茶なことはしないでね?」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

オレは大和達の会話をやや離れた位置で聴いていた。

どうやら夕張に重要なポジションが回ってきたようだったが、うん、話し合いで解決できるのならばそうした方が良いだろうと思い口出しは控えておいた。

ただこのまま向こうの好きな場所で襲撃されるよりは、コチラの都合のいい場所で迎え撃った方が好ましいだろう、と考える。

ここからお互いの遭遇するであろう時間など鑑みて…。

 

 

「なぁ大和、一つええかな?」

 

「はい?にいやん、なんでしょう」

 

「こっから千里浜まで行って、砂浜で迎え撃つってのはどうやろか?幸い移動時間を考えても天龍達とハチ合う丁度くらいのタイミングでいけそうやし」

 

「???」

 

 

イマイチ理解が追いついていない大和。

千里浜とは石川県にある全長約8キロの砂浜で、波打ち際までバイクや車で進入可能な有名ツーリングスポットだ。

幸いこの時期は海水浴客も居ない上、民家からも離れている。

最悪ドンパチになっても被害は出にくいだろう。

 

 

「バイクでも進入可能な砂浜でな、目の前は海やし、いざとなったら海上で迎撃ってのも可能かなーと思ったんや」

 

「なるほど、海の上ならまだ対処しやすいと思います」

 

「じゃあ早速移動して、早めに準備整えよか」

 

「そうですね…皆さん集合して下さい!」

 

 

大和の号令一下、全員が集まり迎撃ポイントとその陣容を説明する。

ひととおり聞き終えた武蔵が任せておけ!と言わんばかりに答える。

 

 

「ふむ、了解した姉上、天龍の側は私と金剛達で抑える」

 

「私大和が旗艦のチームは由良さんの方を担当しますね」

 

「よし、作戦も決まった事だし、いざ出陣だな!」

 

 

オレ達はそれぞれの愛機にまたがり、一路千里浜を目指し移動を開始した。

 

 




短いですけど今回はここまでです。
バトルさせたいのですが、納得いくような場面を妄想出来ずにいます(汗

次こそ千里浜にて決戦!といきたいものですが…。
あ、次の更新は今週末の予定です。




では次回もお楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。