鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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皆さまおはこんばんちは!
ブラウザ版艦これ、レベルがなかなか上げれなくてムキィー状態の
にいやん黒須賀部でございます。
ぼちぼち行きたいですが、トラック泊地…、イベント海域…うっ頭が…。


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皆さん読んでくださってありがとうございますm(__)m
できましたらこれからも応援よろしくお願いいたします。
それと、感想書いて下されば筆者は喜びます、合わせてお願いいたします。


さて本編は金剛と武蔵、一応和解となりましたね。
残るは先行してしまった恋しちゃってるガール☆の榛名がどうなりますか…。



では第49話はじまります。



49:アニヲタ聖地巡礼編 その7

やっと想いを遂げることが出来た榛名はしばらくにいやんに抱き着いたままであったが、相手がまるで反応を示さないことに気が付き首を傾げた。

 

 

「………?」

 

「にいやん?あれ?気絶してる…?」

 

 

榛名はおもむろにタンデムシートから降車し、にいやんの肩をゆすり起こそうとする。

しかし首がカックンカックンするのみで反応が無い。

コレはいけません、早くおろして介抱しなくては!

ヒョイっとにいやんをバイクから降ろし、ヘルメットをそっと脱がせ道の脇に静かに寝かせる。

いっこうに起きる気配が見えない、榛名は焦ったが、ふいに何かが自分に降臨したかの様にある思いが浮かぶ。

 

 

(コレはある意味チャンスです!既成事実を作ってしまえば!!今こそ接吻するのです///)

 

 

彼の頬を両手で包みこみ、その顔をしばし見つめる。

あ、睫毛が長い、全然知りませんでした!

無精ひげが…お手入れはしっかりして下さらないと榛名大丈夫じゃありませんよ?

そうしてゆっくりと唇を近づけつつ目を瞑る…あと少しです…。

 

 

ガシッ!

 

 

誰かが榛名の両肩を掴んでいた。

 

 

「おいたはソコまでにしておきましょうね?」

 

 

空母艦娘のリーダー、航空母艦の赤城だった。

その表情は柔らかい笑顔であったが、目だけは燃える炎が見えるかのように険しいものだった。

 

 

「榛名は大丈夫です」

 

 

肩を掴まれてなお、接吻の続きをしようと赤城を無視する。

すると彼は後方へズルズルと引きずられていくではないか。

彼の両脇を抱えて奪い去ってゆくのは、軽巡の夕張。

あの子は彼の同僚だったわね、榛名の邪魔はさせません!!

追いかけようとしたが、逆に赤城によって更に引き離されてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝手は榛名がゆるしません!」

 

「どっちが勝手なんですか?とりあえず向こうでお話ししましょうね」

 

 

赤城はそう言うと、榛名をズルズルと道の反対側まで引きずっていった。

そこには愛する金剛お姉さまをはじめ姉妹全員と、大和武蔵姉妹、グラーフ、ろーちゃんがバイクでたどり着き待ち構えていた。

 

 

「オーウ、榛名ぁ、やっぱりこういう事だったデスネ?」

 

「ぇ?ご存じだったのですか?」

 

「まるわかりデース」

 

「///」

 

「大和達からお話しがあるそうデス、ちゃんと聞けますカー?」

 

「…はい」

 

 

榛名は俯き加減で返事をするとペタンと座り込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、にいやんをズルズル引き摺りまくった夕張は、ちょこんと座り膝枕をしてあげていた。

やれやれといった感じで額を拭い、気持ち良さげに落ちているおじさんの顔を覗き込む。

 

(だらしない顔しちゃって…そんなに気持ち良かったのかな…)

 

きっとまたエッチなことでも考えながら気を失ったに違いない。

そう夕張は決めつけ、ちょっと面白く無さそうな顔をする。

私だって負けてないからね?と思ったところで、何故対抗意識を燃やしているのか不思議に感じた。

 

(いやいや、私とこの人はヲタク仲間なだけだよ)

 

そう言い聞かせつつも、なぜか胸がチクチクとする。

いままで味わったことのない痛みに顔をしかめる夕張。

意味不明な体調不良にイラっとして、ちょっと気晴らしに、にいやんを叩いてみよう、と頬をペシペシと叩いてみる。

 

 

「………」

 

 

特に反応は無い。

 

(どうして榛名さんもこんな人を…)

 

少しだけさっきより気分が良くなり、更にペシペシ叩いてみる。

 

 

 

「…う~ん…榛名ぁ…」イラッ

 

 

 

何故か呟く榛名の名前にイラっとしてつい力を入れて叩いてしまう夕張。

 

 

 

バシィーン!!「うあ!………?」

 

 

 

にいやんは薄っすらと目を開けてからシパシパと瞬いている。

 

 

 

「ん~?デカメロン???」

 

 

 

その一言に夕張は更に思い切りにいやんを叩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバシーン!「いてーなオイ!」

 

 

オレは突然引っ叩かれて抗議の声を上げた。

どうやらまた膝枕されているようだった、そして見上げた先には少しムスッとした夕張の顔があった。

 

 

「やっと起きた」ムスッ

 

「…もうちょっと優しく起こしてくれへんかなぁ?」

 

「何度も起こしたのに起きない方が悪いのよ」

 

「ぇー、そうなん?それは悪かった、それとありがとうな、また介抱させちまって」

 

「………///」プイッ

 

 

何故か顔を背ける夕張。

あ、今の表情ちょっと可愛いかも、と思ったが、いらん事言うとまた叩かれるので黙っておく。

目線を下げると…ミニのスカートの奥に見えたのは…今日のお召し物は緑と白のストライプだった。コレは死んでも言わんとこ、と誓った。

 

 

「よいしょ…うおっ」

 

 

オレは立ち上がろうとしてよろけた身体を押しとどめようとした。

支えになるものを無意識で手探りし、そこで掴んだものは…夕張の肩だった。

勢いで堤防に夕張を押し付けてしまうオレ。

顔が接近し身体は夕張の体温が伝わりそうな位のところまで、つまり密着してしまう。

 

 

「す、すまん」

 

「///」カァァァ

 

 

よく見ると夕張の顔は赤く瞳は潤んでおり、口はパクパクと金魚みたいになっていた。

掴んだ肩からは細かく震えている様子が伺えた。

 

 

 

「う、ううん、大丈夫だから…///」

 

 

ゆっくりとオレから離れ俯きながらつぶやく夕張。

しばしそうしてから

 

 

「わ、わたし、赤城さんたちの所に行ってくるね!」

 

 

と、言い残し駆け足で去って行ってしまった。

取り残されたオレは、痛かったのかな?ちと悪い事をした、と反省していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言うワケで共同生活をしている以上、抜け駆け等は禁止事項と致します」

 

 

大和はキッパリハッキリと榛名に告げた。

何それ?とキョトンとした表情の榛名、イマイチ意味が理解できて無さそうであった。

 

 

「榛名は…大丈夫です?」

 

「例外はありません」

 

「納得できません!」

 

「えーっと、貴女だけじゃないのよ…私も、赤城もグラーフも、ろーちゃんだってにいやんに好意を持っています。もしかしたら夕張ちゃんだって…でも相手を決めるのはあの人であって艦娘の側ではないの」

 

「そんな…」

 

「気持ちはわからなくもないけど、理解はしておいて」

 

 

ハッキリ告げる大和に随分としょげてしまう榛名。

そんな妹を見かねたのか、金剛が割って入ってきた。

 

 

「まあまあヤマト、榛名も悪気があったワケではありまセーン、護衛するという意味では間違ったことはしてまセン」

 

「そうでした、何故にいやんを追っていたのかまだお聞きしてませんでしたね」

 

 

大和の言に顔を><こんな風にして金剛が答える。

 

 

「オーウ!すっかり忘れてまシタ!実は…」

 

 

金剛の説明によると、今年に入ってから、海軍工廠で勤務していた元整備員が、立て続けに行方不明になる事件が続発しているという。

それは既に7名を数えており、以前行方知れずとの事だった。

さらに悪い事に、その元整備員は全てが舞鶴工廠勤務者で、妖精さんとコミュニケーションがとれる特別待遇者たちであり、残る元整備員はおやっさんとにいやんの二人だけとなっていた。

おやっさんの傍には古鷹ら重巡がガードに入り、にいやんの側には金剛型四姉妹が監視&護衛に入っていたのだった。

 

 

「私達が同居しているのだから、にいやんは充分守れると思いますが?どうして貴女たちが?」

 

 

との大和の問いに

 

 

「今井提督からの指示デース、ヤマトや赤城は青島提督指揮下デスから…」

 

 

今井提督とは、少将の位にあり、現在横須賀で指揮を執っている50代の男性、2代目赤城の旦那様であった。

そして青島提督とは、中将の位にあり、現在舞鶴で指揮を執る60代の男性で、大和たちをにいやん宅へ送り込んだその人だった。

二人の提督には、その上に田宮大将が総指揮官として存在している。

本来なら西日本しかも近畿圏で発生している事件なので舞鶴側が動くはずが、横須賀からわざわざ出てきたのは訳がある。

青島提督が裏で何か企んでいないか?との中央横須賀鎮守府今井少将の疑惑から、舞鶴には何も知らせず、秘密裏に行動していたのだと言う。

 

 

「舞鶴の元整備員だけが消えるのはオカシイネ、他では一切異変はナッシンデス」

 

「お姉さまの仰る通りです、そして行方不明は偽装で、青島提督の独断で何かが企てられているのでは?と言う判断になったのです」

 

 

金剛の言を霧島が引き継ぐ。

 

 

「そんな事をよくまぁハッキリと暴露できましたね…」

 

「ふむ、姉上、これはちと我慢しようが無さそうだが?」

 

 

暴れたりなさそうな武蔵に若干呆れ顔の大和。

それもそうだ、舞鶴の青島中将は先の深海棲艦との決戦での功労者だった。

そのうえ大和姉妹や赤城は勿論、かつて金剛型四姉妹も青島中将の指揮下に居たことがある。

大和は今井少将とその上、田宮大将にそれぞれ別の思惑があるのでは?と考えていた。

あまりに金剛型四姉妹が任務に乗り気ではなく、あっさり内容を暴露した事が気がかりだった。

若干1名はノリノリでやってきたようではあるが…。

 

 

「とりあえず狙われているであろうにいやんにも話を聞かないといけませんね。夕張ちゃん?にいやんの様子はどうかしら?」

 

 

今しがたコチラにやってきた夕張に話を振る大和。

しかし当の夕張は顔を真っ赤にしたまま、しどろもどろに呟くだけだった。

その様子を目の当たりにし、夕張以外はこう思った。

 

 

 「またあの艦娘たらしか…」 

 

 

にいやんは、堤防に腰かけ盛大にクシャミをしていた。

 




【キャラ紹介】

高速戦艦金剛型一番艦 金剛(艦娘)書類上は24歳 2代目

 四姉妹の長女、英国帰りの帰国子女で片言トークが特徴。
 紅茶と提督ラブの明るい性格、細かい事は気にしなーい。
 戦争初期に姉妹そろって轟沈、彼女は2代目。
 おばあちゃん呼びは禁句、下手したらメガトンパンチが飛んでくる。
 妹たちが大好きで、何かと世話を焼くが、どこかちょっとズレている。
 英国料理は実はあまり好みではない。
 
 愛機:デイトナ バーニングレッドカスタム


高速戦艦金剛型二番艦 比叡(艦娘)書類上は23歳 2代目

 四姉妹の次女、気合パワーは人一倍だが空回り多し。
 金剛お姉さまラブで、愛する姉の為ならば何でもする。
 戦争初期に姉妹そろって轟沈、彼女は2代目。
 金剛からの命で、基本お料理は禁止されている。
 本人はいたってマジメなのだが、どこかやっぱりズレている。
 気は優しくて力持ち、まるでドカベンみたいな子。

 愛機:タイガーエクスプローラー 青&白


高速戦艦金剛型三番艦 榛名(艦娘)書類上は22歳 2代目

 四姉妹の三女、霧島とは双子の関係、物静かで控え目な性格。
 はじめて恋に落ちた相手の主人公にぞっこんラブ。
 戦争初期に姉妹そろって轟沈、彼女は2代目。
 一見マトモそうに見えるのだが、やはりどこかズレている。
 歌とダンスが得意、水樹ソングは全て習得済み、貴方の趣味が気になるの!
 好き嫌いがハッキリスパッと分かれる子、嫌いな物には容赦がない。

 愛機:デイトナ 純白カスタム


高速戦艦金剛型四番艦 霧島(艦娘)書類上は22歳 2代目

 四姉妹の末っ子、榛名とは双子の関係、自称頭脳派だが実は武闘派。
 榛名の恋しちゃってるガール☆っぷりには若干ひき気味。
 戦争初期に姉妹そろって轟沈、彼女は2代目。
 意外と少女趣味で恋に恋してる部分もあったり。
 普段はやや冷たい印象をもたれるが、実は人一倍優しい子。
 メガネを外すとトンデモない力を発揮するとか?ライバルはサウスダコタ。

 愛機:タイガーエクスプローラー メガネっ娘仕様





Twitter始めました。アカウントは「にいやん黒須賀部@kirikoqb773xcub」

今後の更新情報はツイッターで呟きます、ご確認頂けたらと思います。
ご意見ご感想はコチラのハーメルン内かツイッターで頂けますと有難いです。



では次回もお楽しみに!

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