キャンプでは20:00に就寝しちった、にいやん黒須賀部でございます。
いあまぁ騒がしいグループの所為で、夜中目覚めてしまったんですが(汗
やはり心から堪能するには、オフシーズン狙うしか無さそうですねウボァー(´・ω・`)
さて本編ですが、風雲急を告げる内容になってきましたね。
ハナからやる気満々の武蔵と金剛、彼女たちの勝負の行方は!?
そしてひとりにいやんを追う榛名、無事ににいやんは逃げ延びることが出来るのか!?
では第48話はじまります。
武蔵&グラーフ(+ろーちゃん)に追跡する金剛四姉妹の足止めを頼み
オレは一刻でも早く大和達と合流すべく愛機のスロットルを開けまくる。
しかし、後方を確認するミラーにはオレを追いかけるヘッドライトが1台分映っていた。
白いデイトナ…長い髪が風になびいている、あの髪の色は榛名に間違いない。
そうオレは判断し、意外な追跡者にやや疑問を持った。
榛名と言えば金剛型四姉妹の中で、唯一控え目な性格で、いつも一歩引いた所に位置するいわば大和撫子的な艦娘だ。
その彼女が選んだバイクがスーパースポーツ車で、今まさに凄まじい加速を見せオレに追いつかんとしている。
もしかして彼女も大和同様、実は結構お転婆なのかもしれない、と考えた。
一方、当の艦娘金剛型四姉妹の三女の榛名は心穏やかではなかった。
今追う相手、かつて工廠で自身の艤装の整備点検を行ってくれていたにいやんに特別な想いを持っていたのだ。
あれは約三年前の大規模侵攻作戦時、榛名も戦線参加していたが、最深部の深海棲艦守備隊、戦艦棲姫によって手酷いダメージを負っていた。
それは即轟沈してもおかしく無い傷であったが、事前に装備していた「応急修理要員」の妖精たちによって、辛うじて浮かんでいる事が出来る状態だった。
今にも倒れそうな身体にムチうって、なんとか前線基地に帰投を果たしはしたが、榛名はこのまま眠るように倒れれば楽になるかも?と考え、実際に崩れるように倒れた。
が、そこで自分を支える存在に気が付いた。
男性にしてはやや小柄で見慣れた相手、工廠所属の整備員にいやんだった。
普段はややおちゃらけてて若干頼りない印象があり、自身の苦手なタバコを愛飲しているおじさん、正直榛名はあまり好いてはいなかった。
しかし、今私を必死に支えて入渠施設へ運ぶ彼は、普段の印象とはかけ離れて見えていた。
「なんとか堪えろ!もうすぐ入渠場だからな?絶対死ぬな!」そんな風に励ます彼からは苦手なハズのタバコの香りがやたらと匂っていた事を覚えている。
そして何故かその時は、その香りが嫌なものだとは感じていなかった。
「済まんが一刻を争う、失礼するぞ?」と私の衣服をはぎ取り、やさしく入渠ドックに運び湯につけてくれる人。
榛名は薄れゆく意識のなか、はじめて殿方に生まれたままの姿を晒してしまった事を恥じながらも、今まで味わったことのない感情が芽生えてきた事に気が付いていた。
「私はこの人のために、この世に生を受けたに違いない」
いつの日か勝利を!この人の平和のために!
そう想いを胸に秘め、なんとかつかんだ勝利であったが、あの人はすぐに鎮守府をあとにしてしまっていた。
その直後は表には出さなかったが、失意の毎日であった。
それから約一年、もうすぐ予備役になる段になり、ようやく私は希望を見出すことが出来るようになっていた。
自由の身になれば、今すぐにでもあの人の所へ駆けつけることが出来る、と。
そして、突然に提督より今回の任務が与えられることとなったのだ。
「元工廠整備員にいやんを監視、護衛せよ」
私は嬉しさを感じつつも、秘密裏にあの人のそばに居なければならないもどかしさに苛立ちをも感じていた。
だが、隠密行動が露見してしまった今となっては、直ぐに彼の元へ馳せ参じ、その身を守る為そばに控えることも出来るのだ。
そうだ彼のそばに居るのは私こそが相応しい、決して連合艦隊旗艦や一航戦ではない、誇り高い高速戦艦の三番艦である私こそが!
狂おしいほどに押し寄せる感情の波に飲み込まれ、一秒でもはやく彼のもとに、とアクセルを開ける。
任務とは別に完全に私情を挟んでしまっている自分に罪悪感を感じつつも、そういった事に嬉しさも感じている。
「金剛お姉さま、比叡お姉さま、霧島………ゴメンナサイ。榛名は悪い子です…」
榛名はそう呟きながら、彼と彼のバイクに飛びついた。
ついに横に並ばれてしまったオレ。
榛名はコチラに顔をむけながら、なにかを呟いているように見えた、その時。
彼女はその身をコチラに投げ出し、飛びついてきたではないか!
「危ねぇ!!」
だが、彼女はまるでそこに収まるのが当然、といった感じで、オレの真後ろにスポッと着地、タンデムシートに綺麗に収まっていた。
そして力強くオレを拘束してくる、クッ、このままではバランスを崩して転倒しかねない。
しかたなくアクセルを戻し、静かに停車させる。
よく見ると、彼女のデイトナも主が乗っていないにもかかわらず、オレに合わせて静かに停車し倒れる事無く直立している。
オレは榛名に拘束されている手をポンポンと叩きながら、後ろの彼女に語り掛けた。
「降参だよ、ほら手を放してくれへんか?ちょっと苦しいねん」
「………」
「ぇ?何??」
榛名が小声でなにか呟いていたが、ヘルメットを被っているせいかよく聞き取れない。
だが次の瞬間、拘束する手に更に力を込めながら榛名が叫んだ。
「逢いたかった!やっと逢えました!!もう放しません!!!」
「ぐぇ、ギブ、ねぇ榛名さん?タップしてるっしょ?ギブアップだってば…」
オレは気絶しそうになりながら、なんとか現状を理解してもらおうと必死にヤバイですアピールをした。
だが榛名は一人でヒートアップ(?)している様子で、まるでこっちの言うことを聞いていないようだった。
なにか肋骨辺りがミシミシ言ってるような気がするが、空耳っすよねぇ?と他人事のように考えるオレ。
榛名…恐ろしい子っ………。オレはついに気を失ってしまった。
一方、行く手を阻まれた金剛と、先に行かせまいとする武蔵は、お互いに対面しそれぞれ構えをとって対峙していた。
暫くはお互いに間合いを取ったまま動かずに様子を窺っていたが、ついに金剛が凄まじい勢いで間合いを詰めてきた。
「一撃でフィニッシュネ!!」
「なめるなBBA!」
お互いに渾身の一撃を見舞った!と思ったその瞬間、その拳は間に入った大和の両拳に止められていた。
「はいそこまで!二人とも血気盛んなんだから…もう少し穏やかに話し合いができないモノかしら?」
「姉上!?」
「ヤマト??」
「お久しぶりね金剛、武蔵ちゃんの暴言は私から謝るわ、だから拳を収めてくれないかしら」
「………わかりまシタ、貴女に従うデース」
「武蔵ちゃんも良いわね?」
「だが姉上、せっかくの機会なんだ、つづけさせt」
「武蔵?私の言ってることが理解出来ませんか?」ゴゴゴゴ
「…」ゾクゾクッ
武蔵は背筋に悪寒が走るのを自覚していた。
イカン、姉上を本気で怒らせたら私ではどうしようも止められない。
過去に一度、姉上の静止を振り払って突進しようとした事がある。
しかし次の瞬間に私は宙に舞い、すさまじい勢いで海面に叩きつけられていた。
何が起こったのかサッパリ理解できないまま、グハッと息を吐く。
唖然として見上げたそこには、恐ろしいほどの笑顔を作っている姉上が居た。
わたしを諭す声はとてもやさしいものだったが…決定的に普段の姉上とちがっている所があった。
そう、その不思議な体術もさることながら、なにより暫くは「ちゃん」付けで呼んでもらえなくなる。
それだけは避けなくてはいけない!
武蔵は笑顔を引きつらせながら姉に謝罪した。
「す、スマン姉上、調子に乗ってしまった。この通りだ、金剛もすまなかったな」
「解ればいいのよ武蔵ちゃん」ニコッ
ふぅぅ~、よ、良かった…どうやらお許しいただけたようだ…。
武蔵は頭をポリポリと掻きながら、長い溜息を吐いた。
「さて、金剛?できれば色々と説明して欲しいのだけれど」
大和が金剛に質問する、その顔は笑っていたが目は真剣そのものだった。
さっきから足の震えが収まらない、本能が逆らってはいけないと警鐘をならしている、そう考えた金剛は素直に従った。
「オッケー、じゃあ説明しマース。ですがその前に榛名を連れ戻したいデース」
「そう言えば、にいやんを追ったままでした」
「早くしないと取り返しがつかないかもデース」
「どう言うこと?」
不思議な事を言う、と大和が首を傾げた。
「榛名は…にいやんに恋しちゃってマース」
「「ええ!!??」」
金剛以外の叫びがあたりに木霊した。
金剛はじめから知ってたんですね。
さて榛名とにいやん、どうなってしまうのか?
感想お待ちしてます、プリーズ!
では次回もお楽しみに!
本文一部修正しました。