昨日、農薬散布用ヘリみてたらエアーウルフのテーマが脳内再生され
止まらなかった、にいやん黒須賀部でございます。
さて、今回は本筋に戻り、聖地巡礼編をお届けします。
ハーレムルートに入ったワケですが、どうなりますやら。
では第46話はじまります。
舞鶴若狭道、まずは敦賀インターを目指し、早朝から出発したオレ達一行。
小休止から再出発、今は片側一車線区間をクリアし、小浜辺りをのんびり流していた。
のんびりなのは巡航ペースのみで、オレの脳内は同行する艦娘達の所為でテロでも起きたかの如くパニックになっていた。
(は?あの赤城がオレを愛してるって?ウソでしょ??)
(オマケにグラーフとろーちゃんまで…大和だけでも現実味が無いってのに、ナニコレ?珍百景???)
(待て待て落ち着けオレ。きっと彼女たちは何かトンデモない勘違いをしているに違いない!ぜってーそうだ)
(とりあえず、今回のツーリング中にキチンと確認しておかないと…うん、そうしよう)
なんとかパニックな脳内を抑えて、運転に集中することにした。
そんなオレにはお構いなく、艦娘一行はなにやら楽し気に会話を続けている。
『姉上や赤城はともかく、グラーフまでとは気が付かなかったぞ?』
『ふふ、それは表には出さないように気を付けていたからな』
『武蔵~、ろーちゃんスルーは良くないですって』
『あははは。すまん、ろーちゃんも表明していたな、許せ』
『呂はよく世話してもらっていたからな、解らんでもない、が、この件ばかりは譲らんぞ?』
『こう見えてもろーちゃん凄いんですって、ツェペにも負けないよ?がるる~』
『可愛い顔して肉食系なのね?だからあんなに焼肉も上手なのかしら?』
うへー、赤城はすぐに食べ物ネタに持っていくなぁ。
そう思いつつ、そこでやたら静かなメロンちゃんが気になった。
さっきは盛大に咳き込んでいたハズだが、今は自然に隊列を乱すことなく走っている。
夕張は会話に参加するでもなく、独り物思いに耽っていた。
(ぇー、赤城さん告白されてもバイクが恋人(笑)って言うって聞いてたのに…)
(そこにグラーフやろーちゃんまで…大和さんは以前話してくれたから知ってたけど…)
(みんな物好きって言うか…でもなんだか…わたし面白くないって感じてる…)
(なんでだろう?)
夕張はそのまま敦賀インターを降りて次の休憩ポイントのコンビニに入るまで、ずっと無言で考え続けていたが、結局なっとくする答えは出てこなかった。
「大和、この次の交差点で左方向、海岸沿いの県道へ入っていくからな」
「はい、それは了解ですけど…なにかあるんですか?」
「ここからの景色は結構見応えあるんや、あと、途中で朝飯にしよ。オススメの定食屋があってな、焼き魚定食が絶品やで!」
「まぁ、それは楽しみね」
「朝早いけどな、もうすぐ開店時間なんや。こっち方面に走りに来た時のオレの定番食事処ってワケ」
「〇〇軒ですね?私もあそこの魚定食は好きですよ」
「おぉ!赤城も知ってたんか!?嬉しいなぁ」
「早朝営業されてますし、重宝するんですよね」
「そうそう!」
「ふむ、私もそろそろ腹が減ってきたところだったしな、楽しみにしておこう」
「武蔵ちゃんは魚介類が大好きだものね」
「ああ、少しばかり味には五月蠅いぞ?」
「大丈夫、期待しててええで。絶対気に入るから」
さすがソロツーマニアの赤城は知っていたか。
ここ越前海岸あたりはカニやホタルイカで有名だが、魚系も絶品揃いなんだよな。
それにこの朝早い時間は混雑もしないし、海岸線の景色を眺めながら気持ちよく走れる、バイク乗りにはオススメだ。
オレは皆の反応に気を良くして、さっきのパニック状態は完全に忘れていた。
一方、コンビニの裏手にこっそり駐車した金剛たち一行は、影から大和たちの姿をのぞき見していた。
サングラスを掛けた黒い革装備の美人4人が挙動不審なマネをしていたら、目立たないハズがない。
家族連れの旅行客だろうか、幼稚園児くらいの女の子が金剛に話しかけた。
「おばちゃん、何してるの~?」
「お姉さんデース!」
慌てて金剛の口を押える妹三人。
女の子は涙目になってフルフル震えている。
「oh、ソーリーね、お姉さんが良いモノプレゼントするから許してくだサーイ」
金剛はそう言うと、懐から飴玉を出し女の子の手にのせてあげた。
すると女の子は嬉しそうに受け取って、ペコリと頭を下げた!
「ありがとう!」
金剛は満面の笑顔でウンウンと頷いている。
女の子は両親の元へ駆けて行きながら
「おかあさーん、知らないおばあちゃんにアメちゃんもらったのー」
「だから、お姉さんデース!!」
「あれ?何かしら?」
何か大きな音がコンビニの陰から聞こえた夕張は、不思議に思ってソチラへ足を運んだ。
「ひえー、マズいですお姉さま、夕張ちゃんに気付かれてしまいました!」
「ここは艦隊の頭脳であるこのワタクシにお任せを」
「「(ぇ?脳筋の間違いでは?)」」
麗しい姉妹愛(?)を見せつつ、ここは霧島に一任することにした金剛たち。
霧島は頭にタオルを巻き、どこから取り出したのかハリセンを手に、表へ出て行った。
夕張は陰から黒づくめのヤ〇ザなお姐さん(?)が出てきてとても驚いた。
「そこの可愛いお嬢さん、メロンの叩き売りしとんやけど、お一つこぅたってつかぁさいや?(訳:お一つ購入してくれませんか?)」ゴゴゴゴ
「ぇ、遠慮しておきます!!」
夕張は冷や汗をかきながら見事な回れ右をすると、大和たちのもとに小走りで駆けて行った。
一仕事やりきった感を醸し出しつつ、姉妹の元へ戻る霧島。
ソレを見た金剛は
「オゥ…なにはともあれ結果オーライデース…」
と言いつつ、我が妹ながらなんてガラの悪さだろう、と少々悲しくなっていた。
オレ達は予定通り、海岸線沿いの県道に入り、左手に日本海を眺めながらほぼ直線の快走ルートを流していた。
朝日に照らされた海はとても綺麗で、ついつい鼻歌でも、といった気分になってくる。
そう思っていたら、なにやら無線に誰かの歌声が混じっていることに気が付いた。
『~♪』
ミラーで確認すると、赤城が親指で夕張を指しているのが確認できた。
メロンちゃん、無線のスイッチオンにしたまんまだよ!(笑)
その歌は聴いたこともない、もしかしたら夕張のオリジナル曲なのだろうか?
しかし、とても美しいメロディーで、尚且つツーリングの気分を一層盛り上げる内容の歌詞だった。
段々と調子に乗ってくる歌声に、皆肩を震わせてる様子がミラーでも判る(笑)
堪えろオレ達、こんな可愛い夕張は滅多に見れんぞ!
大和など、しっかり『録音開始した!』と手信号を送ってきた、どんだけ!
『~♪』
だがそのメロディーは、クライマックスを迎える直前で途切れてしまう。
『………ハァ…皆恋してるのね…私には良く解らないよ…好きな人だなんて、なんかのけ者みたいで寂しいよ…にいやん』
『………にいやんだったら何か教えてくれるのかなぁ…』
待てメロン、なんでそこでオレの名前が出てくるねん!
オレは慌てて、しかし悟られないように、ややワザとらしく通信を送る。
『あー、皆、そろそろ右手に定食屋が見えてくるからな!楽しみにしとけよ、マジうめぇから』
『『りょかーい(笑)』』
返答する声は、なぜか夕張以外は半笑いだった。
はい、なかなか旅の行程が進みませんが
まぁなんて言うか、無計画な筆者でゴメンナサイデースm(__)m
あと、次回更新は2~3日後の予定です。
最近家に籠りっぱなし気味なので、キャンプでもしてリフレッシュしてきます。
訂正:次回は19日(土)の夜、キャンプ場からお届け予定に変更です。
では次回もお楽しみに!
あとがき追記しました。