艦これメンテナンス日だったんですね?
全然知らなかったにいやん黒須賀部でございます。
さて、早速後編いきますよ。
第41話はじまります!
レイのあまりのデタラメっぷりに固まる夕立。
まるで現実味がないソレは、まさに夢でも見たかのような気分でしばらく声も出なかった。
「ぇ?今の何?マジっぽい?」
「ね?笑えるだろ?ボクもまさかココまでとは思わなかったからさ、最初は笑ったよ」
レイのバイクが排熱を終え、静かにエンジンが止まる。
辺りはまた静寂につつまれる。
「まあボクも相棒も、3分もたないけどね、コレ」
「…夕立にもどうやるか教えてほしいっぽい!」
「あー…、コレはまだテスト段階だし、人に見せちゃいけないモノなんだ、今回は特別にキミに見せたくなってしまってね」
「ぇー」
「まあまあ、もう少し使い物になったらキミにも教えてあげるよ?」
「ホント?やったー!!」
「おい、見せてしまったのかレイ?」
いきなり後ろから話しかけられ、おどろくレイと夕立。
そこには冬服セーラーを纏った、背の高い少女が居た。
銀髪セミロングの超がつく美人だったが、その目はとてつもなく冷たい眼差しをしていた。
「タキ…バレちゃったら仕方がない、ゴメン」
「…」
タキと呼ばれた少女はかわらず冷たい眼差しでレイをみつづけたまま一言も発しない。
「でも聞いておくれよタキ、この子凄いんだよ、もしかしたらボク達の力になってくれるかも知れないよ?」
「時が来るまでは、少数で行動すべきだと言われてただろう?ソレまでは足手まといだ」
「それは…そうだけど」
「お前、名は?」
「ぇ?あたし夕立」
「…」
「?」
「すまないが今見たことは他言無用だ、守れなければ痛い目に合う事になる、約束できるか?」
「別に言いふらしはしないっぽい、でもその態度、気に入らないっぽい!」
「フン、ならどうする?」
「…こうするっぽい!!」
そう言うと夕立はタキとよばれた少女に突進し、右肘を胸に叩きつけようとした。
しかしその肘はいなされ、同時にタキの右肘が夕立の胸に突き刺さる。
夕立は吹き飛ばされ、地面に転がった。
おかしい、危ないとすぐに察し体をひねり躱したと思ったのに!?
夕立はそう思いながら、立ち上がろうとするが、膝がガクガクと笑いおもうように立てない。
「っ…まさか…八極拳…外門…?」
「粗削りだな?もう少しマジメに精進しておくことだ」
「…」
そのまま夕立はくずおれ気を失った。
どのくらいの時が過ぎただろうか。
目を覚ました夕立は、自分がレジャーシートの上に寝かされ、おでこには濡れたタオルがかけられていた。
「やっとお目覚めだね?夕立、さっきはタキが悪かった、謝るよ」
そう言ったのはレイだった。
謝ると言う割には、あまりすまなさそうな表情でもない。
「…」
夕立はタオルを手に取り上半身を起き上がらせつつ、気を失う直前の出来事を思い出して奥歯をかんだ。
まさかたいして脅威を感じなかった相手に一方的にヤラれるなど、初めての経験だった。
いや、普段の手合わせでは武蔵に散々吹き飛ばされてはいたが。
くやしさのあまり声すら出せなかった。
「ボク達は用事があってね、そろそろ次の場所へいかなくてはならないんだ、しばらくお別れだね」
「…戻ってくるっぽい?」
「うん、夏にはまた戻ってくるよ、少なくともその時まで今日の事は黙ってて欲しいんだ」
「…」
「何も一方的に命令するつもりは無いよ?次会ったときは、今日のタネあかしをしてあげる、ってのはどうかな?」
「ほんと?」
「嘘は言わないよ、守ってくれるね?」
手を差し出すレイ。
夕立はその手を取って起き上がる。
「わかったわ、約束っぽい。ソレとさっきの奴とまた会わせて欲しいっぽい」
「いいよ、タキもそうしたがってたしね」
夕立は、ニカっと笑いながらレイの手を力強く握った。
「面白くなってきたっぽい!」
夕立は1年ぶりくらいに、自分の中の荒れ狂う獣を解き放てる!と心底喜んでいた。
さあ、これからは毎日が忙しくなりそうっぽい!
そう心を震わせ、夕立はレイに別れを告げ、武蔵の元へと帰っていった。
レイに続き謎の少女タキが現れましたね。
とりあえずは番外編のみの登場でしたが、夏を迎える頃には再登場願う予定です。
番外編は以上です。
やっと本編に戻りますよー。
次の更新はいつになるか未定です。
ちょっと時間がかかりそうですので気長にお待ちくださいませ。
では次回もお楽しみに!