動画でウォースパイト嬢のボイス聞いてあまりの英語の上手さにビックリ!
な、にいやん黒須賀部でございます。
梅干し食べて『うぉぉぉ酸っぱいど!』
…お粗末。
謎の少女「レイ」との再会を約束した夕立ちゃん。
このあとどうなってしまうのでしょうか?
それでは第40話はじまります。
舞鶴鎮守府からココ兵庫県南部に移り住んで数日。
夕立はタローの散歩の途中、謎の銀髪美少女レイと知り合う。
彼女はXR-モタードを巧みに操るジムカーナの一選手のようだった。
はじめて見るバイクの挙動に心動かされた夕立は、レイと同じ場所に立つべく動き出した。
【番外編6:RAY-MAX発動!】
謎の少女レイと出会った翌日、夕立は朝から自らの愛機に跨り、陽も上らない内から出かけて行った。
目的地は昨日レイと出会った河川敷にある駐車場。
だが、そこのはレイの姿はなく、彼女が練習に使っていたであろうコーンが置いたあるのみだった。
夕立は仕方がない、とばかりに肩をすくめ、とりあえず自分も練習してみることにした。
おやっさんに聞いたところ、基本は8の字走行と言うらしく、2つ置いたコーンの周りをハチの8の字ダンスのように走る練習法だ。
実際にはしってみると、速く走るのは意外に難しく、夕立は悪戦苦闘していた。
10周を5セット走り終え一息ついたころ、後ろから呼びかける声に気が付く。
そこには昨日出会ったレイが愛機に跨り微笑んでいる姿があった。
「やあ夕立?だったよね?おはよう、朝から頑張ってるじゃないか」
「ぽい?レイ!おはよう!」
レイはバイクから降り、夕立の両肩に触れ
「もっと肩の力を抜いて、柳のようにするんだ」
「ぽい~?」
「そうそう、それを心がけてもう1セット走ってみようか」
「ぽーい!」
実際にレイの助言通り走ると、格段に速度が上がりついついニヤけてしまう夕立。
「すごいっぽい、本当に速くなったっぽい!」
「へぇ、直ぐに実行できちゃうなんてキミ天才?普通頭でわかっててもなかなか出来ないよ?」
「ぽい~///」
レイの賛辞に照れる夕立。
実際レイの賛辞を受けたのが健全な成人男性なら、一発でメロメロになりそうなほど彼女には魅力があった。
「しばらくそれで練習っていうのが本当だけど、キミならいきなり行けそうだ」
そう言うと、レイは普段自分が練習用に配置している通りにコーンを置く。
「初めにコースを覚えてもらうよ?ボクのあとについて歩いてみて」
「ぽーい」
しばらくレイの後について大人しく歩く夕立だったが、途中で「覚えられないっぽい!」と言い出した。
「まいったな、本当にキミは本番タイプなんだね?」
「じゃあボクがゆっくり走るから、キミもマシンに乗ってついてきて」
「りょうかーい」
レイは言葉通りゆっくりと綺麗なライン取りではしっていた。
夕立も寸分たがわずレイの走ったラインを辿る。
3周ほど走り「大丈夫?」と尋ねるレイに大きくサムズアップする夕立。
「それじゃ本番いってみようか、まずはボクが走ろうか?」
「夕立がはしりたいっぽい!」
「オーケー、じゃあ合図したらスタートして」
「ぽい!」フンス
ストップウォッチを片手にスタンバるレイ。
右手を大きく上げ、夕立をみつめる。
「用意…スタート!」
パィィィン
夕立はアクセルを開け、スムーズにスタートする。
ややぎこちない場面もあったが、特に問題なくゴール。
「1分42秒13か…キミ本当にジムカーナは初めてかい?」
「ぽい?」
「普通1分40秒台で走るには、日々の練習が必要なんだ。イキナリこれとは恐れ入ったよ」
「ぽ~い♪」
「これならキミには期待できそうだ、ちなみにボクの最速ラップは1分37秒ジャスト、どう?あと5秒縮めることが出来るかい?」
「やってみるっぽい!」フンス
俄然やる気の出てきた夕立は、再度走ってみる。
結果タイムは1分40秒04、2秒も縮まっている。
「どうもボクはとんでもない友人を作ってしまったみたいだ」
「そうなの?」
「ほんと、キミは面白い子だね」
「もう一回走ってみてよ?もしかしたらボクの最速ラップ、抜かれてしまうかもね」
そう言うレイは、しかしとても楽し気に夕立をみていた。
まるで新しい目標をみつけたかのように。
パィィィィン
「1分37秒05…すごい!ボクとコンマ05しかかわらないよ!キミはバケモノだね!」
「うぇーヒドイっぽい、可愛い夕立ちゃんにバケモノ呼ばわりはダメっぽい」プンスコ
「ごめんごめん」
そう言いながらレイの瞳には炎のような揺らめきが伺えた。
どうやら闘志に火がついたようだった。
「よーし、じゃあボクも走るかな…キミのお陰で本気を出したくなってしまったよ」
「今回特別にボクのとっておきを披露するよ、よく見ててね、笑えるから」
「ぽい?」
レイは自分の愛機に跨りエンジンに点火、スタートラインにバイクを停める。
彼女は愛機をなでつつ、夕立に「合図してね?」と言ったのち、小さな声で呟いた。
「フェイ、………〇×□▽…発動準備」
『………』
「…ぇ?今なにか見えたっぽい?」
夕立は目を擦った(今レイのバイクに見えたのは…黒い妖精さんっぽくなかった?)
いやいやいや、妖精さんなワケがない、そんなワケが…。
夕立は頭を振り気を取り直してから、スタートの合図を出した、その時。
「フェイ、RAY-MAX発動!!」
『レディ!』
レイとそのバイクは、白く揺らめき、淡い光を放つと、ものすごい爆音とともに目の前から消えた!
冗談のような速度で走るレイ、5秒縮めるとかもはやそんなレベルではなかった。
あっという間にコースを走り終え、夕立の前に停車するレイ。
彼女のバイクはそこで、各所からプシューっと排熱を行っていた。
「どうかな?コレがボクのとっておきさ。流石に大会じゃこんなの使えないけどね」
夕立は茫然自失でレイを眺めていた。
その手にもったストップウォッチには0:32:00と表示されていた。
ここまで出鱈目だとギャグですけどね。
大目にみてやってつかぁさい。
では次回もお楽しみに!