鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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皆さまおはこんばんちは!
最近ポーラのダメダメダメっこぶりがツボの、にいやん黒須賀部でございます。

今回は番外編3をお届けします。

では早速
第37話はじまります!




37:ロ・ロ・ロ・ろーちゃんルーレット【番外編3】

とても楽しく大成功に終わったお花見の翌日、オレは早朝から愛機のメンテナンスを行っていた。

定期的に簡単なチェーンメンテなど行うことで、ある程度マシントラブルの発生を未然に防ぐことが出来るというものだ。

とはいうものの、我が愛機はトラブルらしいトラブルは今まで一度も発生してないのだが…。

まあ趣味の範囲だ、こういう時間が好き、という側面の方が大きいだろう。

あらかた作業を終え、屋外喫煙所でタバコで一服していると、散歩帰りだろうか?グラーフとろーちゃんが帰ってきた。

 

 

「グーテンモルゲン、にいやん」

「グーテンモーゲン!」

 

「ああ、おはよう、今朝も早いな、でかけてるの気が付かんかったわ」

 

「どうも呂が早起きでな、今から珈琲でも煎れようかと思っていたのだが、お前もどうだ?」

 

「おー、本場ドイツの珈琲ってのも味わってみたいな、頼むわ」

 

「まかせておけ、しばらく待っていろ、ココへ持ってくる」

 

「ああ、すまんな」

 

「ろーちゃんはここでにいやんとお話ししますって」

 

「わかった、しばし席を外すぞ」

 

「いてらー」

 

 

ここへ来た当初より格段に付き合いやすくなったグラーフ、やはり人とは話してみないと分かり合えないものなのかもな。

鎮守府ではとっつきにくい印象しかなかったのがウソのようだ。

 

 

「にーやん、お願いがあります、はい」

 

「なにかなぁ~ろーちゃん?」

 

 

いかんいかん、どうもろーちゃんの相手をするとき、顔が変態チックに成りがちだ、気をつけねばねば。

 

 

「今日はツェペ一人でお出かけするって、でもろーちゃん行きたいところがあって…」

 

「うんうん」

 

「にいやんに連れて行って欲しいです、はい!」

 

 

ろーちゃん、そう言えば我が家で外出手段持ってないのこの子だけだったなぁと思い出す。

田舎では車など移動手段を持っていないと生活がほぼ詰む、その点都会が羨ましい。

ろーちゃんを連れて走るのは構わないが、保護者(?)の許可はとっておかないとあとが怖い。

 

 

「待たせたな、まぁじっくり味わってくれ」

 

 

グラーフが持ってきた珈琲の香りがガレージに広がる。

たしかに香りだけでも美味しそうだ、自慢げに語るのもわかる。

マグカップを手に味わおうとすると

 

 

「まてにいやん、まずはじっくり香りを楽しんでからだ」

 

「わかった」

 

 

やはり拘りがあるのだろう、ココは従っておいた方がいいな、と。

 

 

「グラーフ?ろーちゃんが外出したいって言うんやが、オレが乗せてってもかまわんか?」

 

「ん?別に構わんが、危ないマネだけはするなよ?呂に怪我でもさせたら承知しないからな」

 

「おっけぃ、ろーちゃん?良いってよ」

 

「うれしいですって、ツェペもダンケ!」

 

「ふふ、何かあったらすぐ知らせるんだぞ?駆けつけるからな」

 

「はい!」

 

 

同郷とはいえ、コイツろーちゃんには甘々だな、きっと姉妹がいないからにちがいない。

オレは珈琲を味わいながら、年の離れた姉妹のような二人を好ましく眺めながらそう思った。

 

 

「言うだけあって旨いなコレ」

 

「ふふふ、お前が普段飲んでいるインスタントとは格が違うだろう?」

 

「御見それしました、朝パン食の日は皆にも煎れてやってくれないか?」

 

「ん?そうだな、構わんよ」

 

「だんけ!」

 

「発音がなってないな、ソレでは檀家だ」

 

「…」(´・ω・`)

 

 

タバコで一服したのち、グラーフは自らの愛機GSに跨り、さっさと出かけてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ろーちゃん、こっちも出掛けるか?」

 

「はい!」

 

「ところで、どこ行きたいの?」

 

「んー、山羊観に行きたいかなーって、ツェペが良く連れてってくれる所ですって、はい」

 

「山羊か…近所で飼ってる家あったかなぁ」

 

「1時間ほどかかりますって」

 

「んー?ろーちゃん道わかるかな?」

 

「まかせて、はい」

 

「よっしゃ、メットとっておいで」

 

「はーい」

 

 

元気に走っていくろーちゃん。

もどってくると、その手には可愛いグラフィックが施されたオフメットが。

 

 

「ツェペが描いてくれました」

 

「あいつ器用やな」

 

「ツェペなんでもできますって、はい」

 

「へー、じゃあ行こっか」

 

「はい」

 

 

ろーちゃんは手慣れたもので、ひょいとタンデムシートに乗り込む。

おぉこのつるぺた具合もなかなか…いかんいかん、オレは□リコンではない!

 

 

「では出発!」

 

「おー!」カラカラカラ

 

 

勢いよくアクセルを開け走り出す。

朝の空気はとても気持ちよく、珈琲のせいもあるのか、バッチリ目が覚めた。

オレはろーちゃんの指示に従い、グングン加速して目的地を目指した。

が、行き着いた先は只のダム湖だった…。

 

 

『ろーちゃん、ココであってるの?』

 

『あれ?なんか違うって、はい』

 

『うーん、どっかで道間違ったかな?ちょっと戻るで?』

 

『はい!』カラカラカラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、今度行き着いた先は只のごみ焼却場だった…。

 

 

『ろーちゃん、ココなの??』

 

『おかしいなー』

 

『うーん、もっかい戻ろっか?』

 

『はい!』カラカラカラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に行き着いたのは只の採石場だった…。

 

 

『ろーちゃん、ココじゃないよね???』

 

『んー、違うけど…なんかセンタイモノ?に出てきそうな場所ですって♪』

 

『(いつ戦隊ものなんて観てたんだろう?)』

『また戻るよー?』

 

『はい!』カラカラカラ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に行き着いたのは只の斎場だった…。

 

 

『ろーちゃん?流石にここじゃないよね?』

 

『なんか奇麗なところですって、お花畑が見えますって』

 

『(…オレには見えねぇよ?ソレ魂出ちまってるんじゃあ?)』

『よーし、こうなったらトコトンつきあいますよ?』

 

『おー!』カラカラカラ

 

(やばい、なんかオレちょっぴり楽しくなってきた♪しかしさっきから何の音コレ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、くりかえす事10回。

いい加減どーなってんだ?と、バイクを停め一服してると…。

ろーちゃんのメットに妖精さんがひっついてるのをオレは見つけた。

 

 

「羅針盤の妖精さんかー!?」 orz 

 

 

「索敵値が足りない?ですって、はい!」

 

 

そりゃオレ電探つんでないしね!

 

 

 

結局行き着いた先は、オレが良く通り過ぎるテーマパークの駐車場だった。

ろーちゃんはスパッとバイクから降り、満面の笑顔で放し飼いにしてる山羊の所へ駆けていった。

 

つかれたけど、まぁあの笑顔みたらふっとんだわ。

グラーフが甘やかすのもよく理解できた一日だった。

 




番外編3終了です。
次の更新は少々お時間頂きたいと思います。
あ、あと感想お待ちしてます、気軽に書き込んでね?


では次回もお楽しみに!






あとがき一部追記しました。
タイトル修正しました。

タグに念のため「キャラ崩壊」追加しました。

本文一部修正しました。


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