鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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皆さまおはこんばんちは!
にいやん黒須賀部でございます。


台風がなにやら妙にコチラに近づいてきてますね。
直撃しないでほしいものですが。




さて家電量販店へ行くことになった主人公と夕張。
そこに待ち受けるのは…。


それでは第23話はじまります!



23:メロンマークⅡ出ます!

白物家電を買いに行くため、オレは愛機をガレージから出していた。

大事な『しゃんびゃくまんえん!!!』は、左のサイドパニアケースに入れてある。

こいつを失くすとシャレにならないので、オレは油断のならない構え(?)で同行する夕張を待つ。

 

 

「おまたせー」

 

 

そこにはサンドイッチを咥え、オレンジのツナギにメットを持った夕張が居た。

髪はいつものポニーテールではなく、バイク用におろしている。

夕張は器用にくわえたサンドイッチをもぐもぐと食べきり「ごちそうさまでした」と一言いう。

おかしいことに、自身のバイクは置いたままであった。

 

 

「夕張、バイクで行かへんの?」

 

「おやっさんのお店に新車ひきとりに行きたいから乗せて行ってー」

 

「む?」

 

 

実はオレは、いままでタンデムした経験が無い。

まぁ無免許者を後ろに乗せると、カーブが怖いと言うが

夕張はオレと同じく大型二輪の免許持ちだ。

後ろに乗せても、カーブではしっかり体重移動してくれるだろう。が…。。

 

 

 

問題は…今朝のデカメロン伝説だ!!

 

 

 

あんなの押し付けられたら、オレ運転どころじゃなくなっちゃう orz

しかし、そんなオレの苦悩も知らず、夕張はさっさとメットを被り、タンデムシートに収まる。

妖精さんが微妙な表情で『素直に喜べばいいのに』とかぬかしている。

運転しなけりゃソレも良いが、バイクは運転にかなり気を遣う乗り物だ、簡単に言わないでほしい。

 

 

 

「はーい、色々試しにいきましょー!」

 

「ういー」

 

 

オレはなるだけ気のない振りして、意識は外に向けよう。

 

 

ポニュ

 

 

ヤバイ………オレのスパコンが暴走しそうになってきた。

こういう時は何だっけ?

そうそう素数をかぞえるんだ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あー、素数ってなんだっけ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もうやけっぱちになり、とりあえず出発する。

まずはおやっさんのバイクショップまで、そこまでの辛抱だ!

頑張れオレ、リミットは15分だ!!

 

 

その後のオレは、普段早々かっ飛ぶことが無いが、今日だけはフル回転でお店を目指す。

予想より早く約10分で到着、コイツは最速レコードに違いない。

頑張ったぜオレ、燃え尽きちまったけどな…。

 

 

「ありがと」

 

 

夕張はタンデムシートから降り、お店の中に入っていく。

とりあえず降りて一服しようとタバコに火をつける。

やっと一息ついたころ

おやっさんと夕張が外に出てきて、ガレージに向かい、ニューマシンを外に出してきた。

 

黒い外装に所々オレンジのペイントが施してある。

あれ?どこかで見たぞ?と良く眺めてみると…。

 

 

 

つ【NC-750X 黒橙】

 

 

 

色こそ違えど、オレのとまったく同じバイクだった!

いや違う、コイツは新型NC、700ccから750ccに排気量が上がった最新モデル!?

オレはズッコケそうになった。

 

まてまて、これではキミがビルバインで、オレがダンバイン?のような配置じゃないか。

くそー新型いいなぁー、角ばったフロントとかちょいっとカッコ良い…。

オレは指をくわえて夕張のニューマシンを眺めていた。

 

 

 

色はおやっさんにオールペンで仕上げてもらったらしい。

正しくはエンジン回りなどはマスキングして塗ってはいないらしいが。

 

くぅぅぅ、自分専用カラーって事なのか、超うらやましい。

 

 

 

 

 

 

 

先ほどから終始ニコニコ顔の夕張は、早速跨ってエンジンに点火する。

 

 

キュルキュル ギュルーン ドコドコドコドコ

 

 

どうやらマフラーはオレと同じ無限らしい。

そうか、舞鶴でさんざん弄り回してきたのは、自分のニューマシンの為だったんだな、と理解した。

しかし普段の夕張なら、もっと尖った性能のバイクを選びそうだったから、意外といえば意外だった。

 

 

「ちょっとそのあたりを流してくるね」

 

 

そう言うと夕張ニューマシンはゆっくりと国道に出て、流れに乗りながら走り去った。

 

 

ドコドコドコドコ

 

 

 

 

 

 

 

 

残されたオレは、事務所にもどるおやっさんについてゆき質問する。

 

 

「おやっさん、新型でてたんやね?」

 

「おぉ、出てから結構経つぞ?まぁバリちゃん前から狙ってたみたいだったし確保しといたんや」

 

「パッと見、フルオプションのよぅでしたが」

 

「応よ!ナビ以外は全部ついとる、妖精さん込みでな!」

 

 

人のニューマシンと言うのは、とても羨ましいもので、つい自分も買いたくなってしまう。

まぁオレの場合は、メーター一周10万キロ走破してから次考えると決めていたが。

 

 

 

 

 

十数分後。低音をドコドコ響かせて夕張は帰ってきた。

メットをはずしたその顔は、とびきりの笑顔だった。

 

 

「これやっぱ良い、特徴がないのが特徴みたいな?ジムカスタムみたい!」

 

 

お?良い事言うなぁとオレも賛同する。

 

 

「だろ?オール75点みたいなバイクやからな」

 

「気に入ったわ、おやっさん、これもう乗って帰っていいよね?」

 

「おー、ガソリンあんま入っとらんから給油忘れたらアカンで」

 

「はーい」

 

 

折角だからもうひとっ走りするついでに給油もしてくるー、と、また出て行ってしまった。

そしてまた十数分後、燃料を満タンにし、夕張は帰ってきた。

エンジンはかけっぱなしで、跨ったまま夕張はオレに話しかけた。

 

 

「さあ、にいやんお買い物にレッツゴーよ」

 

「ほいさっさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

二人とも出発し、国道沿いをここから5分ほどの量販店に移動する。

平日だからだろうか?駐車場にはまばらに車が停めてあるだけで、バイクにいたってはオレ達以外は居なかった。

早速家電売り場に入り、値段などを確認してゆく。

 

食器洗い機、炊飯器、冷蔵庫、電子レンジなど見て回る。

 

どれも見た目にたいした差はなく、あとは性能と耐久性といったところか。

このあたりは夕張にまかせておけば、何の問題もなくチョイスしてくれる事だろう。

そう思い、夕張に一任してみる。

 

 

「おっけー、任せといて」

 

 

おニューのバイクが手に入った事もあり、うきうきしながら展示品をみてまわる夕張。

途中、店の販売員の方となにやら話し込んでいたのだが

あるタイミングで、夕張が変な声をあげた。

 

 

「えぇ~、新婚じゃないですよ、友達です~」

 

 

あー、あれか、新婚さんに間違われたのか。

良かったな夕張、ヲタクでも結婚できそうにみられてるぞ。

けっして口には出して言わないが…。

 

 

 

 

 

 

 

結局、一そろい購入することとなり、実際の商品は無料で家まで運んでくれるとの事だった。

これだけ買っても、まだまだ資金的に余裕がある。

夕張と相談し、使い切る必要もない、との結論で今日は撤収することにした。

 

 

 

 

 

 

帰宅後すぐに配送トラックがやってきて、昨日に引き続き搬入作業を行う。

この時やっと大和は起床して、痛む頭を押さえながら、それでも手伝ってくれていた。

大和が不調な分は、武蔵がはりきって動いてくれたおかげで、量の割に早く終わらせることが出来た。

 

これで明日からは色々と楽になるだろうが、とりあえず説明書の確認からだ。

そう思っていると、目を星マークにした夕張が一言。

 

 

「色々試してみてもいいかしら?」

 

 

あー、チョイスしたのは夕張だし、ここはお任せするのが得策か。

 

 

「あぁとりあえず一通りつかえるように頼むわ」

 

「かしこまり~」

 

「あー、あと試すのは良いけどバラすなよ?」

 

「わかってるってばー」

 

 

今日はもう夕張デーかというくらい、彼女にとってはうれしいイベントてんこ盛りのようだ。

少し鼻息が荒いのがみてて笑える。

 

 

 

 

 

 

 

 

家電は夕張にまかせたので、オレは今日も買い出しに行くことにする。

昨日の宴で冷蔵庫はすっからかんに近い状態だった。

 

そこへ、ようやく普通の状態に戻った大和がやってきた。

 

 

「昨日今日とご迷惑をかけましたから、今日は私に任せてください」

 

と、そんなことを申し出てきた。

大和は炊事洗濯なんでもござれ、歩くホテルと呼ばれるだけあって、それらのスキルはピカイチだ。

 

 

「それじゃあ軽トラ出すから、乗っていけばええで」

 

「はい」

 

 

これだけ大人数の食糧を調達しなくてはいけない、バイクでは限界があった。

 

 

「オレ運転しよか?」

 

「あ、いえ、今日は赤城さんと行ってきます」

 

「はい、にいやんはゆっくりしてて下さい」

 

 

ちょっと遅くなると告げ、2人は軽トラックで買い出しに出かけた。

オレはなんとなくその二人を見て、悪い予感がするのだった。

 




夕張におニューマシンが装備されました。
キャラ紹介で書いていたヤツです。



さて、なにやらアクシデントが発生しそうな軽トラ組。
いったいどうなってしまうのでしょう。

次回をおたのしみに!





本文一部修正しました。

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