鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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おはこんばんちは!
濡れたフローリングでコケそうになったにいやん黒須賀部でございます。
コケて気を失ったら、赤城さんの部屋に行けると聞いt(ry



今回からはまた艦娘個別編になります。
時間軸があっちいったりこっちいったりしてますけどご勘弁を。

あと、主役だれにしようか迷った挙句、赤城さんに決定しました。
どんな物語になるかお楽しみに!

では、第19話はじまります。




艦娘個別編:レッドキャッスル
19:孤独の赤城 その1


終戦から約一年、ここ舞鶴鎮守府では

一航戦赤城がいよいよ予備役となり、あらたな門出を迎えようとしていた。

 

 

 

赤城は部屋の片づけを終え、最後の荷物をダンボールに詰め込む。

そう、明日からここは空き部屋となる。

数日後には、ここ舞鶴ではなく、兵庫県の南部に移住するためだ。

 

荷物のダンボールは一か所に集め、後の事は引っ越し業者に依頼してある。

そして赤城自身は、この数日を自らの友に会いに行くことと、趣味に費やそうと考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

3月某日夜明け前、赤城は呉鎮守府に向け出発した。

 

早朝の空気は冷たく、バイクで走るにはいささか寒すぎると言わざるを得ない。

が、赤城は全身革装備で、腰と首の後ろには貼るカイロを装備している。

こんなところで慢心などしないのだ。

 

愛機のVFRは今日も調子がいい。

去年の秋におやっさんのバイクショップで購入したお気に入りのマシンだ。

高速に入った赤城は、4発特有のモーター音にも似た駆動音を響かせ速度を上げる。

 

 

 

フォォォォォン

 

 

 

アクセルを少し開けるだけで、グンっと加速するVFR。

貨物トラックをスイスイと抜かしながら、それでいて流れるような動きで進んでいく。

 

舞鶴若狭自動車道を南に下り、1時間ほど過ぎたあたりで山陽道にスイッチ。

ここからはひたすら西にむかうルートだ。

 

 

 

クゥ~キュルルル

 

やだ、お腹が補給を欲しています、そうね、次のSAで朝食としましょう。

そう赤城は決意し、スロットルを開け気味にする。

三木SAに到着。

さすがにSAと言うだけあって、かなり敷地面積の多い施設だった。

さっそくフードコートにて待望の朝食タイムといきましょう。

 

券売機上のメニューを見ながら、赤城は脳内で色々吟味する。

 

 

 

(ココは…かつめしは譲れませんね)

(スープ代わりに…播州ラーメン…甘口なスープが病みつきになりますね)

(餃子は…ヘルメット内がにんにく臭にまみれます却下)

(ちょっと辛いのも欲しい所です、無難に麻婆豆腐としましょうか)

 

 

 

結果、かつめし、播州ラーメン、麻婆豆腐、タコの天ぷら、デザートに明石焼きを注文。

そうです、朝ごはんは一日の活力を補給しなくてはなりません、慢心など許されるはずもありません!

 

 

 

 

広いテーブルの半分を占領し、赤城は心底美味しそうに食べていた。

すると、大型トラックの運転手だろうか、頭にタオルを巻いた40代くらいの男性が赤城に話しかけた。

 

 

「ねぇちゃん、気持ちの良い食べっぷりやな。良かったらコレも食べーな」

 

 

そう言いながら、神戸プリンとかかれたパッケージを赤城に渡す。

受け取りながら、赤城は礼を述べる。

 

 

「ありがとうございます、早速頂きます!」

 

「気にしなさんなって、アンタ見とると元気出てくるわ。朝からええもん見してもろたし、その礼や」

 

 

そういってトラックドライバーはフードコートから出て行った。

そう、赤城の食べっぷりはオジサン方に大好評で、今回のように何か貰ったり、奢ってもらったり、といったイベントが毎回発生している。

そしてまた、赤城の人柄がそうさせているのだろう。

 

 

 

これらのメニューをペロっとたいらげ、赤城は手を合わせて「ごちそうさまでした」と一礼する。

そうです、食べ物には毎回感謝の祈りは欠かせません!

 

 

 

 

食事を終えた赤城は、食後の運動のため、ラジオのスイッチをオン。

朝のラジオ体操を始めた。

 

ラジオをつけた途端、小学生らしき男の子たちが寄ってきて

 

 

「おばちゃん、まざってもいい?」

 

 

と聞いてきた。

 

う、無邪気な子供が相手ですし、ここは抑えないと…。

赤城はこめかみを押さえながら

 

 

「ええ、いいわよ、お姉さんと体操しましょう」ピクピク

 

 

ええ、ここは大人の余裕を見せるところです、慢心などありえません。

 

 

 

 

軽く体を動かしたのち、水分をとって再度出発。

この時間になると交通量も増えてきだして、赤城はややペースを落とす。

ここからはトンネルだらけでもあり、下手にペースを上げると危険なのだ。

 

さきほどのSAでもそうだったが、子供をつれた車が多く見受けられる。

おそらく春休みなのだろう。

とある車の後部座席から、手を振る小学生低学年くらいの姉と弟がいた。

 

赤城は迷わず手を振り返す。

すると2人の子供はキャッキャと喜び、運転席と助手席の両親になにやら報告している。

うん、ほんと無邪気で良いわね。

 

赤城は微笑んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食より2時間ほど走っただろうか。

赤城は尾道インターで高速を降り、ここから呉まで下道でアクセスすることにした。

国道を走ると、所々に尾道ラーメンの看板が掲げられてるのが目に入ってくる。

 

 

「しまった!尾道ラーメンの存在を忘れていました!」

 

 

赤城痛恨の慢心だった。

 

 

 

ここは呉までガマンです…。

国道を瀬戸内海沿いに西へ走りつつ、今度は牡蠣小屋が立ち並ぶエリアにさしかかった!!

 

 

「ここは譲れません!」

 

 

 

親友のセリフを奪い、おもむろに停車。

小屋の一つに入り、焼き牡蠣を堪能する。

 

それはとてもクリーミーでぷりぷりとした歯ごたえも最高の一品だった。

ふふ、やはり私の索敵能力(?)は伊達ではありません、慢心などありえましょうか。

20個ほどをたいらげ、やっとおなかの落ち着いた赤城は満足げに再度出発した。

 

 

 

 

ここからは緩いカーブが連続する漁村風景を眺めながらのルートだ。

左手に見える瀬戸内海は、なみも穏やかで、平和そのものの風景がひろがっていた。

 

私たちがやっと手に入れた平和です、慢心など許されるはずがありません。

まぁ今の私は予備役ですけども。う~ん、気を付けますね。

 

 

 

それからかれこれ1時間ほど走っただろうか。

赤城は広を抜け、少し長めのトンネルを越える。

そうだ、やっと呉に到着したのだ。

 

まずはココのすぐそばのパン屋さんに…。

 

 メロンパン 

 

うわー、夕張さんに送ってあげようかしら?

実際に買って赤城は食べてみる…。

 

 

「これアンパンです(笑)」

 

 

とても美味しいが、アンパンだった。

くっ一航戦の誇り、こんなところで失うワケには…。

 

随分と安い誇りだった………。

 

 

 

 

 

のどが渇いた赤城は、呉の中心部やや南側にある、とある有名珈琲店に立ち寄った。

このお店は、なんとライダー割引なるものが存在する。

 

赤城はホットコーヒーを頼み、ベンチに腰掛けその香りと味を堪能した。

うんうん、これは逸品です、慢心などありえません!

 

 

 

さて、そろそろお昼ご飯の時間です。

赤城は珈琲店の店員さんにお願いし、バイクを一時停めさせてもらい、呉の商店街へと繰り出した。

 

とある裏通りにある、こじんまりとした定食屋さん。

赤城は事前にネットで検索し、このお店に目をつけていた。

あの写真からは、まろやかで気持ちの良いデミグラスソースの味が漂っていた、間違いない!

 

 

 

 「戦艦大和のオムライス」 デミソース 

 

決め打ちで注文し、早速もう一品頼む。

 

 

 

 「戦艦大和のオムライス」 ケチャップ

 

ふふふ、流石私です、慢心などありえません!!

 

 

 

 

 

デミソースは本当に逸品で、あっというまにたいらげてしまった。

ケチャップは酸味が効いてて、これもペロっとたべてしまった。

 

少々悲し気に空いたお皿を眺める赤城。

 

しかし今夜は、親友の加賀と飲みに行くことになってます。

腹八分目にしなくてはなりません、慢心など許されるはずがない!!

 

 

 

 

 

呉鎮守府には夕刻17:00に入ることになっており、現在時刻は14:00

3時間もあるのかー。とそこで、赤城はとある博物館に行ってみようと決心する。

 

 

 

 大和ミュージアム 

 

 

 

呉にある大和関連の資料を展示した博物館だ。

そばには潜水艦の形をした、てつのくじら館なども存在する。

 

大和ミュージアムの建物の前には、戦艦陸奥に搭載されていた41cm砲の砲門が飾られている。

そして何より、建物の内部には1/10スケールの戦艦大和の模型が展示されているのだ。

それらに紛れて、ある展示室ではスケールこそ大和に及ばないものの、空母赤城の精巧な模型が飾られていた。

 

 

 

流石私の模型です、え?信濃???知らない子ですね。

 

 

 




今回はこれにて終了です。

あまり慢心しない赤城さん、最高ですね?
食べ歩き本のN氏の同人誌に影響されて、何度も呉まで行きました。

グルメや観光など、思う存分楽しんできましたよ。

また今年も行きたいなぁ。




それでは、次回も赤城さん回の続きです。
ご期待ください!

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