鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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皆さまおはこんばんちは!
最近さらに太ってきたので、食事制限しようと悩むにいやん黒須賀部です。



ついに来ましたお色気回!
いあ、ただ単に公式艦これ小説「とある鎮守府の日常」でですね
加賀さんのお色気シーンはあったんですが、赤城さんは食事シーンしか…。

そんなワケで彼女に白羽の矢が当たったワケですが、さて…。



それでは、にいやん愛の旅立ちその4。
はじまります。



18:~にいやん愛の旅立ち編~その4

お風呂場でハデにすっ転んだオレは、いてて~と尻をさすりつつ赤城の方を見る。

彼女はタオルで前を隠し、こちらに視線が釘付けになっていた。

 

「ぇ?にいやん???」

 

あー、終わった、終わっちまった、憲兵さんオレです!

 

 

 

 「あの~、見えてます///」

 

 

 

え?なにが?と、視線をたどると…。

その先にはオレの単装砲が丸見えになっていた。

 

な、なんてこった!

このままではイカン!180度回頭!転身せよ!

オレは前を隠すように、タイル側に前半身をむけた。

 

 

「はうあ!!」

 

 

単装砲がタイルに擦れて痛いデス、もうダメ。

 

 

「向こう向いてますから、慌てないで」

 

「あ、ありがとう」

 

 

 

 

 

オレは慌てず急がず前をタオルで隠す。

てか、赤城さん?貴女…背後丸見えなんですが…。

 

 

「と、とりあえず、オレでるわ。マジすまんかった!」

 

 

そして足をもつれさせてまたもコケた。

 

 

 ゴツン! 

 

 

オレは意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に目覚めたとき、そこは見知らぬ天井だった…。

うわー、こんな所でシンジくんの気持ちが解ったような、てかここ何処?

 

首だけ動かし周りを見渡す。

ベッドの上で寝かされているようだが、えっと畳敷きの和室?

他には机と座布団、部屋の中央には丸いテーブルが一つ。

壁側には鏡台があり、その隣には見慣れた和弓ががが。

 

見間違え様もない、一航戦の弓だった。

 

 

 

そこへ髪をタオルで拭きながら、赤いジャージ姿の赤城がやってきた。

 

 

「お加減はいかがです?痛むところはないですか?」

 

「あ、ああ大丈夫…」

 

「そう、良かったです」

 

 

 

赤城はニコっと笑うと、座布団に座り髪を拭く作業に戻った。

そして申し訳なさそうにつぶやく。

 

 

「にいやん、ごめんなさいね、艦娘使用中の札、かけ忘れてまして…」

 

「あー、オレも特に確認して入ったワケやないし、あいこやろ」

 

「そうですか…そうですね。では恨みっこなしと言うことで」

 

 

 

赤城は器用に髪をアップに纏めると

 

 

「どうでしょう、時間も夕刻になりましたし、夕食でも?」

 

 

と問うてきた。

………ソレは構わないが、髪をアップに結った赤城も魅力的過ぎて、おじさんどうしたらいいのやら。

食堂で晩御飯でも構わなかったが、あらためて少しおはなしがしたいです、と赤城が言うので

鎮守府のそばにある行きつけだった居酒屋に移動することとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごきげんよう、にいやん」

 

 

そこには航空母艦の加賀も加わっていた。

加賀はいつも通りのサイドテールで上下ブルーのジャージ姿だった。

オレはそんな加賀とならんで歩く赤城とを見て「青と赤…メタルダーっぽいな」と思った。

 

 

 

「へい!らっしゃい!」

 

 

居酒屋の暖簾をくぐると元気な挨拶が聞こえてきた。

ここ舞鶴は漁港もあり、そのおかげで新鮮な海の幸を楽しめる居酒屋が数多く存在していた。

その中でも今日お邪魔しているこの店は、味よし量よしお値段よし、と3拍子そろった高レベルを誇るお店だった。

 

 

 

オレたちは座敷に通してもらい、赤城と加賀は並んで、オレは二人の対面に座る。

まずは軽く冷ややっこや枝豆、本日のオススメお造りを注文し、ビールで乾杯となった。

加賀が音頭をとる。

 

 

「では、2代目赤城さんと提督の結婚を祝って乾杯!」

 

「「かんぱーい」」

 

 

 

 

「で、話ってのはなにかな?」

 

 

オレは赤城たちに尋ねた。

それに対して、スッと加賀が答えた。

 

 

「昔のお礼をキチンとしてませんでしたので」

 

「お礼?なんの???」

 

「私が意固地になっていたのを解いてくださった件です」

 

 

加賀にしては珍しく、表情が柔らかだった。

 

 

 

 

「そうですね、貴方にアドバイスをもらったおかげで、加賀さんとはすぐに仲良しになれました」

 

 

ニコニコ顔の赤城。

ビールを半分も空けない内に、酔いが回り始めたのであろう、頬が赤くなっていた。

 

 

「そんなこともあったっけ」

 

 

 

特に気にすることもなくオレはグビグビとビールを飲み干す。

 

 

「すいませーん、ビールお替りおねがいしまーす」

 

「はい、よろこんで!ビール一丁!」

 

 

店員さんの元気な声が良く通っていた。

 

 

 

「そんなワケでして」

 

「「ありがとうございました」」ペコリ

 

 

二人してペコリと頭を下げる。

オレはこちらこそ、たいしたことじゃないからきにするな、と伝えた。

 

 

 

しばらく近況など報告しあいつつ食事を楽しむ。

そこで赤城がいつもの赤城らしくなく、食事のペースがやや遅いのが気になった。

そんな赤城がこちらを真剣な眼差しでみながら問うてきた。

 

 

「話はかわるんですが、にいやん?」

 

「うん?」

 

 

 

 「今お付き合いしてる人はいるんですか?」 

 

 

 

 ブフォー! 

 

 

 

盛大にビールを吹いた、てかハナにまわってますよ!?カテジナさん!!

 

ゴホゴホ

 

「ああはしたない、なにをやってるんです?」

 

 

加賀は冷静にオレのビールシャワーを避け、おしぼりを渡してくれた。

ありがとう焼き鳥空母さん、しかし今日はなんだというんだ、大和の件と言い…。

とりあえず、見栄も減ったくれもなく素直に答えることにした。

 

 

「特におらんで、相変わらずのひとりモンや」

 

「そうなんですね」

 

 

 

何故だろう、赤城はホッとした表情を見せ、食事に専念しだした。

んー、大和の件は…特に話す必要はないだろう。

そう思い、オレも食事に戻るが、未だに鼻が痛いです。

 

 

しかし、うん?

なんだか朝にくらべてやたらと心がかるくなっていたことに気が付く。

そうか…魔法とはよく言ったものだ。

 

そのことばかり考えていたせいか、心にあった黒くモヤモヤした感情がなくなっていた。

あとで大和に礼を言っておかないとな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後は普通に食事をし、ほろ酔い気分になったところで 解散となった。

赤城と加賀は、少し涼んでから帰るとのことで、オレは一人、鎮守府へと歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オレも酔って火照った身体を落ち着かせるため、赤煉瓦の周りを少し遠回りに歩いて帰路に就く。

ボケェーとあるいていると、昼間宇宙戦艦と衝突(?)した場所までやってきていた。

そこには何の因果か、当の宇宙戦艦もとい大和が腰かけ海を眺めていた。

 

 

「にいやんですね?」

 

「ああ」

 

「ふふ、月がキレイですね?」

 

「定番のセリフやなぁ、あーそうだ」

 

「隣に座ってもええかな?」

 

「はいどうぞ」

 

 

 

 

 

オレは大和の左隣に腰かけ、タバコを取り出しふかす。

しばらく静かな時間が流れた。

そこでオレは大和に話し出した。

 

 

「昼間の件、アレ…まずはありがとうな?」

 

「はい、貴方の顔から憑き物がおちたようで何よりです」

 

「それと返事なんだが、これはまだなにも答えられん状態でな?」

 

「構いませんよ、私は待ってますから」

 

「悪い返事でも?」

 

 

オレはやはりヘタレだ。

先に予防線を張ってしまってる。

 

 

 

「ええ」

 

 

大和は柔らかい笑みをうかべ、まっすぐにこちらをみて答えた。

 

 

「恋も戦いも負けません」

 

「ソレはヒエーだ」

 

「ふふ」

 

 

会話が途切れ、オレは星空を見上げる。

たしかに今夜の月は奇麗だった。

 

 

 

 

 

 

明日の事もあるし、そろそろ帰ろうとなって、二人ならんで鎮守府に戻る。

その時、赤煉瓦の陰から一人の少女が、二人の後ろをつけてソロリソロリと歩いていた。

 

 

 

 

「青葉、見ちゃいました」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日の結婚式は厳かに、しかし盛大に執り行われた。

オレも憑き物が落ちたのか、素直に二人を祝福し、式は幕を閉じた。

 

 

 

 

着替え終わり、帰り支度を整え、バイクに跨る。

鎮守府の2階の窓から、大和が手を振っていた。

 

その手には、あの時、キスを終えた直後の顔色にも負けない真っ赤なスカーフが握られていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、青葉タイムスに、戦艦大和に恋人疑惑!?という記事が載ったという。

 




18話終了です。
ここで終戦直後編は終了となります。

ちょっと強引な流れでしたが…。
次回はもっとスマートに書きたいなぁ。


あ、本文の補足です。
風呂場で気を失った主人公。

あのあと赤城さんに身体を丁寧に洗ってもらって
赤城の部屋まで運んでもらってます。

チクショーなんで気を失ってたんだ!!





まぁソレはソレとして
次回もご期待ください!

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