鉄騎~大地を征く艦娘たち~   作:にいやん黒須賀部

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おはこんばんちは!
冷たいものを飲み過ぎて、お腹ピーピーのにいやん黒須賀部です。


本編が何だかラブコメ路線にでも突入しそうな勢いですが
残念、ソレはありません。
てかそんなのやったら私の頭がショート寸前、今すぐ会いたいよ状態に…。



前回は突然の大和との衝突事件!
さて気になる~にいやん愛の旅立ち編~その3
はじまります。



17:~にいやん愛の旅立ち編~その3

「………」

 

「………///」

 

大和とお互い見つめあう。

大和はまるでトマトか何かのように顔が真っ赤になっている。

釣られてオレも顔が火照ってきてしまい、慌てる。が

思考停止なオレのスパコンは、どう行動すれば良いのかわけわかめ状態だった。

 

 

 

「それじゃ、私は鎮守府に戻りますね///」

「夕食時までには鎮守府に入っていてください///」

 

「ぉ、ぉぅ///」

 

 

 

そう告げると、慌てた風でもなくしずしずと鎮守府方向にむかって去っていく大和。

あ、いま躓いた。

 

 

 

しかし…何が大和の琴線に触れたのだろうか?

オレにはサッパリ判らない。

お茶目なイタズラ好きの大和ではあるが、こんなイタズラはしそうにない。

おそらく「好きだ」と言ったのは間違いなく事実だろう。

 

 

 

「わっかんねぇなぁ」

 

 

 

坊主頭をかきむしり、とりあえず冷静になるために、桟橋に腰かけタバコを取り出し火をつける。

2本目に火をつけた時、ふと背後に武蔵が居ることに気付く。

 

 

 

「隣、構わんか?」

 

「ああ」

 

 

 

武蔵は煙管を取り出し火をつける。

煙をふぅーと一度はいてから一言。

 

 

 

「にいやん、口紅が付いてるぞ?」

 

「え!!??」

 

「…冗談だ」

 

 

 

武蔵は我が意を得たり!的な笑みを浮かべた。

 

「そうか、とうとう姉上はやりなされたか」

 

あー、やっぱり事前に何か知ってたんだなコイツ。

ジト目で武蔵を見ると、まっすぐにコチラに向き直り

 

 

 

「別にやましいところは無いぞ?本当に用事で席をはずしたんだ」

 

 

 

ゆっくりと煙管を一度ぐかし、武蔵は続ける。

 

 

 

「姉上は本気だ」

 

「だからといって、私がなにかしようという気も無い、姉上の選んだ道だ」

 

「お前はお前の好きにすればいい、どんな結果でもそれは姉上の問題だ、安易に私が口出しするものではない」

 

「…」

 

オレは黙って聞いていた。

 

 

 

「まぁ見ての通り、姉上は若干審美眼が壊れている、良かったな?」

 

「ひでぇいわれようだ…」

 

タバコを携帯灰皿に捨て、武蔵を見る。

先ほどの笑みは消え、素の表情で海を眺めていた。

 

「にいやん、あと一言だけ言わせろ」

 

「なんだ?」

 

 

 

「チャック半開きだぞ?」 

 

 

 

///あらやだどうしよう///

 

 

 

「まぁあんまり悩むな。バカはシンプルに生きた方がいいぞ?」

 

ほっとけ!

 

「それじゃあな、鎮守府で待っているぞ」

 

武蔵はせをむけ片手をあげ、ヒラヒラと手を振りつつ去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

武蔵と別れたオレは、バイクの元へ戻ることにした。

歩く間もずっとさっきの大和の暴挙について考えていた。

 

「直接きくしかないかな…」

 

結局行きついた答えは、安直だが難しいモノだった。

 

 

 

 

 

一応今後の方針は決まったので、他にすることも無しということで、鎮守府入りすることにした。

今夜はここで一泊し、明日のAM10:00に、近所の神社に集合となる。

 

大きな門の前でバイクを停め、守衛の人に敬礼してから身分証を見せる。

覚えのない顔だ、若いし新たに配属された新人だろう。

 

「お疲れ様です、バイクは右手の…」

 

「半年前までいたから良く知ってますよ」

 

「失礼しました、お気をつけて」

 

 

 

パィィィーン、パィン、パィン、キキーッ

 

お?2stのシフトダウンの音だ。

その2stバイクは軽快な音をたて、オレの隣に停車した。

 

おおぅNSR250か!?

 

かつて2stバイクの全盛期、人気を博した伝説の1台だ。

生産が終わって20余年、未だに人気があり中古価格もかなりのものだったはず。

乗っているのはやや細身の銀髪の少女だった。

 

 

 

「やっほー、今帰ったよー」

 

 

ヘルメットのバイザーをカシャと動かし、声を上げたのは駆逐艦娘の島風だった。

鎮守府内外でスピードマニアとして知られている、かなりフリーダムな性格の艦娘だ。

流石にそとではあのハレンチなカッコはしておらず、Gジャン&Gパンスタイルのラフなカッコが新鮮で可愛らしい。

 

 

 

「おぅぜかまし、元気そうやな!」

 

「ぜかましじゃないし~、にいやん今きたの?」

 

「そうやね、さっき着いたばかりやで」

 

「アタシ喉乾いちゃった、食堂でなんか奢ってよ」

 

 

 

相変わらずフリーダムだ。

 

 

 

「仕方ねぇな、ラムネでいいか?」

 

「おっけー」

 

 

 

バイクを駐車場に収めて、二人して食堂に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココもほんと懐かしいな。

基本的に労働というものがめんどくさくて苦手なオレだが

この舞鶴鎮守府での生活は決して悪いものではなかった。

 

軍属になってから横須賀で約3か月の研修を経て、呉に1年、佐世保に半年

残りの3年とすこしをココ舞鶴で過ごしていた。

一番長い期間務めていたのと、いろんな人と出会い、いろんな出来事に遭遇したのもココだった為

思い入れが強くなるのも仕方のない事だろう。

 

 

 

「おぅ、いっちばんのりー」

 

 

食堂の扉を潜り抜け、島風が声を上げる。

係りの女性にラムネ2本を注文し、ひとつを島風に渡す。

身近なテーブルに腰かけ、お互いに近況などを話していた。

 

 

 

「今はバリっちと一緒の部屋なんだー」

 

「ほう?」

 

「バリっちね、夜遅くにアニメばっかみてるんだよ」

 

「おうおう、知ってる、ヲタクやもんなあいつ」

 

「だよねー、でも面白いのたくさん教えてくれるからアタシもたまに観るんだー」

 

 

 

島風は本当にうれしそうに話す。

 

彼女は駆逐艦娘の中では特別で、それは姉妹艦が存在しない事だった。

他の駆逐艦娘は多くの姉妹で構成されており、どうしても島風はぼっちになりやすい存在だった。

だが、同じく姉妹艦の存在しない夕張とは、何故か息が合い、それこそ姉妹のような関係になっていたのだ。

 

 

 

そんな島風をみてると、なんだか胸に暖かいものが生まれる。

まるで愛しい我が子を見るような、そんな感じだ。

 

 

「げぷー」

 

 

ラムネを勢いよく飲んでから、げっぷする島風。

 

 

「おいおい、下品だな、女の子だろ?」

 

「アタシ子供だもーん、いいんだよー」

 

「子供がバイクのりまわすかってーの」

 

 

オレは密かに島風の事を『チェンジ!ゲッパー2』と心の中だけで呼ぶことにした(笑)

 

 

 

島風と別れ、オレは今日宿泊する部屋を訪れ、荷物をおろし着替えを取り出す。

今日も暑かったからな、シャワーでも浴びて汗を流しておこう。

 

大浴場に向かい、パパっと服を脱いで浴場に入る。

そこはしずかで湯気が充満する広いところだった。

 

ますは身体と頭を洗ってーっと、と洗い場に行こうとすると…。

目の前の湯船に足だけ浸けた白い女性ががが。

 

 

 

 「あら?どなたか居るんですか?」 

 

 

その声にドキっとする。

長い黒髪、自己主張の激しい胸、きゅっと縊れた腰から官能的なカーブを描く桃のようなおしり。

 

あ…赤城…!?

 

オレは心臓が飛び出そうなほど驚いてコケた。

 




はい、第17話終了です。
いきあったりばったり感パネェですが、どうかご容赦のほどを。
事前に少しは準備してるんですけどね。
ノリで時間を忘れて書いていると、スっと何かが降臨してくれることがおおいんです(汗


さて、次回でこの章は終了予定です。
つぎは誰にスポットあてましょうか?

乞うご期待ですよ!





【キャラ紹介】その13:駆逐艦島風(艦娘)書類上は18歳 1代目

 スピードバカで有名なうさ耳カチューシャハレンチ見せパン艦娘。
 数少ない初代艦で武勲艦、単独での任務が大得意のソリスト。
 軽巡夕張とはとても仲が良く、姉妹艦のような関係を築いている。
 性格はとにかくフリーダム、これほどバイクに会う性格はないだろう。
 趣味はバイクで峠を走る事。本人はその気は無いが峠のクイーン。
 加古、呂とは昼寝友達、自慢のスピードはゲッター2並み?

 愛機:NSR-250 赤青 




タグに「処女作」を追加しました。
あとがき一部追加しました。

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